あらすじ
★形ある富から、姿なき富へ――パラダイムは完全に変わった。
★その変化の本質を、渾身のルポ、世界的論者の知見から描き出す。
●今や「テクノロジー専制」の時代に入った。
スコット・ギャロウェイ(ニューヨーク大・教授)
●シリコンバレーのプロパガンダには何か問題があった。
ピーター・ティール(投資家)
産業革命以来、人類はモノを効率よく大量につくり、経済を成長させてきた。
だが、そんな常識は、デジタル技術の進歩によって覆されてしまった。
富の源泉はモノではなく、データや知識など形のない資産に移ったのだ。
新しい経済社会における“豊かさ”とは何なのか――。
金融、産業、消費の最前線で現実となっている大変化をルポし、
世界を代表する知性が、パラダイム・シフトの本質を説く。
「ネオ・エコノミー」の実像を立体的に映し出す、衝撃の書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
MaaSやマッチングサービスなど、世界の経済の中心となりつつある無形資産の現状を解説している1冊。実際に起こっている事例を紹介しながらも、世界の現状、そして世界各国と比べた時の日本の強みや弱みも説明されている。
どの分野においても、テクノロジーによって変化する生活に、旧体制を前提とした制度や仕組みが追いついていないことが問題点として上がっていた。サービスとしては聞いたことがあったり、知っているものが多く、生活の中で浸透しているけれども、定義から外れているために実際に経済状況を正確に把握できていない状況を考えると、今の経済状況と旧体制の仕組みをどうフィットさせていくのかが大きい課題だと思った。
事例と各分野のキーパーソンのインタビュー、経済理論の説明がバランスよく入っていて、全体的にすごくわかりやすかった。今の時代の経済を知る入門書にはぴったりだと思う。
Posted by ブクログ
経済の主役はフィジカルではなく、インタンジブルの時代になった。もはや経済は既存のGDPでは測れなくなっている。デジタル技術の進歩は、経済的格差の拡大を生んだ。富の再分配が上手くいかず格差が拡がれば、経済だけでなく社会の安定をも損なうリスクが膨らむ。政府は有効な政策を打ち出せるのか。
Posted by ブクログ
デジタル技術の急速な発展により、見かけ上は無料で提供されるサービスだらけになったことで「価格」の概念が崩れてしまった新しい経済(本書では「ネオエコノミー」と表現)ついて、様々な有識者の意見を基に構成された一冊。国家の富を表す国内総生産(GDP)にも異変が起き、有形資産よりも無形資産の割合が多くなってきたことで(主要企業も無形資産の割合が増えてきている)、実体が掴めず正確にGDPが出せない状況となっている現代、GDPに変わる新たな指標はどうなるのか? など考えさせられる内容が多かった。
Posted by ブクログ
刻々と変化する時代の中でデジタル技術により経済の捉え方も変化している。
本書はグラフとインタービューを多用し、多角的に分析し問題点を抽出している。
この変化を政府企業個人がいやでも認識し行動する必要があるだろう。
Posted by ブクログ
・感想
これまでのモノを売れば売るほど豊かになる経済から無形資産がありふれて、無料だけどそれだけでも大きな価値になり得る情報が増えてきている現代社会についてわかりやすくまとめた書籍。
情報こそ武器になるをキーワードに最新トレンド、考え方を常に改めて日々の情報に触れようと思いました。
・Todo
経済の実情に沿って物価目標を下げて、無形資産、スマホの利用時間、無料アプリの利用時間などの価値を計測する。
自分時間についても無駄な時間を過ごさないようにする。
投資対効果、自分に有意義な時間となっているかを常に考えて動く。
Posted by ブクログ
1.次の経済はAI中心だろうと思いながら、タイトルを見て世界の状況と自分の答えを照らし合わせたいと思い、購入しました。
2.有形資産よりも無形資産が価値を示す時代となり、投資額が急激に伸びる時代となりました。また、それに伴い有形資産で示されていた経済成長率、GDPなどの指標だけでは測れない時代となりました。インターネットでは無料のサービスが普及し、価格に反映されてこないからです。このような急激な変化を迎えた時代をどうとらえているのか、世界最先端の研究者、ビジネスマンが語っていくことが本書の目的です。
3.無形資産というより「データ」に対する価値が爆発的に上がったように思えた内容でした。また、速すぎる変化に政治が追い付かず、既得権益でも守れないという状況に追い込まれました。その結果、守られてた企業は今とても苦しい思いをしています。私の意見としては「楽してきたから当たり前やん」と思ってしまうことがあります。ただ、現場やトップで頑張っている人は一定数いますので、その人たちが腐ることなく、頑張らなければならないと強く感じました。
では、頑張るためにはどうしたらよいのか、それは、データリテラシーを強化することだと思います。普段何気なく使っているスマホもデータの塊ですし、様々な形で私たちのデータを活用されています。私自身、ITについては全くの素人ですので、データ・ITという分野についてもう少し勉強してみようと思いました。
Posted by ブクログ
大量雇用で経済全体の生産性を上げ、その果実を賃金上昇の形で行き渡らせてきた工業化社会。富の源泉がモノから情報や知識へと移り、人々が豊かさを手にする方程式も狂い始めた。
経済指標となるGDPもその限界を迎えている。国力を測る取組は17世紀の英国でスタート。かねてより専業主婦の家事労働が計上されないなどの欠点が指摘されていたが、モノの生産量の指標に過ぎないGDPは、無料の情報のやり取りが主となる時代に機能不全に陥っている。もはや橋や鉄道が進化していく時代ではない。コミュニケーションや情報のやり取りが容易になっていく時代。富をどう活用し、コミュニケーションをどう幸福に変えていくかが問われている。
さまざまな専門家の証言から、新しい指標の開発や経済理論の可能性が語られるが、例えばECI(経済複雑性指標)という、モノの量ではなく、モノを生み出すための能力の指標が紹介されていた。
また、面白かったのは日本のように工業生産が得意な国は階層的な組織を持ちやすいという話。完璧で良いモノを作るには何重にもチェックできる体制が向いているが、優れたソフトウェアを生み出すのは次々と試作や改良を繰り返す柔軟な組織。まずは動くモノを作り、改良していく。そうした働き方、社会の作り方が我々にできるのだろうか。
Posted by ブクログ
無形資産への傾斜によりGDPによる評価が機能しなくなってきた(かも)。
可処分時間やらタイムユースやら新しい尺度を模索してはいるものの、豊かさや成長を測れなくなった測る必要がなくなる、それこそが第四次産業革命のパラダイムシフトなんじゃないだろうか。社会的な勝ち負けや貧富の差という概念も、本来的には不要なわけだから。
そこまで進めるのはさすがに暴論か。
Posted by ブクログ
シェアリングビジネスや無料でのビジネス、マッチングサービスなど今までになかった新しいビジネスが次々に生まれるネオエコノミーについてまとめた一冊。
MaasやVRなどデジタル化が加速する中で今の世界の現状を本書で知ることができました。
モノの所有や定価という概念がなくなり、経済の停滞が鮮明化してくる中で無形資産がますます重要視されていることやその中からGAFAが台頭していることを感じました。
あとネオエコノミーによって今までにない概念も生まれてきており、その恩恵を受けている方を臓器提供の現場から知ることもできました。
今までGDPで見ていた経済成長も頭打ちとなり、新しい見方が必要になっているとも感じました。
無料でのサービスが増え、モノを取得したり所有することで幸福を得るという価値観も変わりつつあ流ことを本書を読んで感じました。
そして、この2020年代が新しい時代で変容した価値観が定着するまでの転換点にあると感じさせられた一冊でした。