【感想・ネタバレ】無駄だらけの社会保障のレビュー

あらすじ

「特養、実は首都圏だけで6000人分余っている」
「医療の進歩で2割以上も余る過剰ベッド」
「あふれる飲み残し薬」
「根拠の薄いがん検診を9割の自治体が実施」
「不適切に使われる国や自治体の補助金」・・・・・・。

現役世代を苦しめる、社会保険料や税金の負担増。
しかしその一方で、医療や介護の現場をふりかえれば、そこには馬鹿にできない大きなムダが生じているのも見逃せない事実である。

本書は、日経記者が調査データを元に、制度疲労を起こす社会保障のひずみを浮き彫りにし、問題点を分析する。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

健康保険に加えて介護保険も徴収される。年金は毎年上がるし一向に明るい未来が見えない。苦しむ理由の一端である社会保障について知りたかったので本書を読みました。丁寧な取材と調査でわかりやすくまとまっていました。本書にも書かれているように、過去をしっかり振り返ることと、予算ありきの行動をするのではなく、費用対効果を考えた行動を取ることが重要だと思いました。振り返りをすることは犯人探しではなく、先々により良い未来を作るために必要な行動だと思います。国民負担率はもう限界です。お金が無いなら税金を増やして対応するのも無理があります。今あるもので何をしようとして、何ができていないのか、その問題点はなんなのか明らかにする事から始めていかなげいけないと思います。本書が出版されたのは2020年。2025年問題はすぐそこです。この先も安心して生きていけるような国にするためにも誰が悪い、何が悪いではなく、社会保障をより良いものにするための議論を尽くしていきたいなと考えさせれる一冊でした。

0
2024年11月02日

Posted by ブクログ

利用者側の思考や病院や介護施設の経営問題、地方格差に関わる行政側の思惑のせめぎあいの中で
コロナという契機を経て一概にコストカットを是とすべきか、コストカット以前に緊急時の対応がどうであったかの最新の知見にも触れたい。

0
2021年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目次をざっと見たら
1 そのクスリ本当に必要ですか
2 つくられる入院患者
3 見えぬ地域医療の未来像
4 終の棲家。どこへ
5 クライシスを避けるには

と 並んでいたので 読んでみました。


本を読むと
市販薬をすすめると 病院に来る人が減ってしまうので
病院経営が大変になるので 処方薬をすすめているそうです。
市販薬を多くの人が 購入することで
医療保険や税金のお金を使わないで済むのに・・・・

ジェネリック医薬品は 種類が多すぎて 医師が把握しきれていないので
すすめないこともあるようです。

頂いた薬を飲み切らず残らせてしまうのがかなりの量で
その金額だけでもかなりらしい。
処方する医師と 薬局との連携などが必要だけど
なかなかうまくいかない。

長期の薬を渡す場合 6か月とかまとめるのではなく
3か月分とかにして その後は飲み残しとかもあるので
減らして処方することができるようになれば 飲み残しのロス金額も減るのに。

日本の入院日数は他の最短の入院させる国と比べて3倍も長いものがあるそうだ。
空きベッドがあると 病院経営に響くので
常に ベッドに人がいて欲しい。
だから 薬を飲んでいるだけの 入院患者もいる。

公立の病院は赤字になっても あまり危機感を感じないらしく
税金で補填されたりするので 無駄を省く努力が少ないそうだ。

サービス付き高齢者ホームは 安い価格の部屋とかでも
介護度の高い人が住んでくれれば そちらで元が取れるから
寝たきりとかの人が優先的に入れたりするそうだ。

病院をネットでつないでどこでもだれでも 気楽に受診できるようにすれば
患者は楽だけど 
電子カルテにして 色々な人が読めてしまうのが 困るそうで
なかなか すすまないそうだ。

コロナで通院する人が減ってしまった病院などは
今とても大変だと言われています。
でも、ここは こういう機会だから 
見直しをしても良いのではと思いました。

勿論患者である 私たちも 全額じゃないからと 安易に病院に行ったりとかしないで
お金の出どころを考えて 行動すべきかと思いました。

保険料はらっているんだけど ムダに使わないという
選択もありかと思いました。

0
2021年12月31日

Posted by ブクログ

医療や介護の現場では、想像を絶するほど多額の無駄遣いが生じている。日本経済新聞の調査報道チームが、膨大なデータを分析し、日本の社会保障が抱える“病”に切り込んだ書籍。

日本では、市販薬があるのに、公的保険を使って病院で薬を処方してもらう人が多い。
例えば、2016年度の処方額は5469億円にのぼる。このままでは医療費の膨張は止まらない。

フランスや英国は、保険適用が承認された医薬品の費用対効果を随時検証し、効果が乏しいと判断したものは保険の対象から外している。
一方、日本では、いったん保険適用が認められると、保険の対象から外れることはほとんどない。

2025年には、団塊の世代がすべて75歳以上の「後期高齢者」となる。
そのため2025年頃には、医療や介護などの社会保障費が急激に膨らむと懸念される。

多くの日本人は、がんの早期発見のために検診を受ける。
だが、がん検診は、被曝によりがんの発症リスクを高めるなど不利益もある。このため国際的には、がん検診のよしあしは、がんの発見率ではなく「がんによる死亡率をどれくらい下げる効果があるか」で測るのが一般的になっている。

単身高齢者が多い都市部では、介護保険の需要が高まっている。
各市の事業計画を見ると、特別養護老人ホームなど大型施設を重視する事例が目立つが、こうした政策は費用負担が大きい。限りある財源を在宅サービスにシフトすべきだ。

医療や介護の現場には、多くの無駄がある。それは、国や自治体が政策の効果を検証してこなかったからだ。
政策に必要なのは、「効果はあったのか」という評価や、「評価した内容を次の企画立案にどう反映するのか」という改善である。

0
2021年08月27日

Posted by ブクログ

日経新聞が膨大な社会保障に巣くう無駄遣いに独自分析でメスを入れ、2018年11月から2020年3月にかけて、シリーズで掲載した記事をベースに書かれた本。
紹介されている内容の中で目に止まった点をまとめておく。
・アンチエイジングに効くからと通院して薬をもらうなど、市販品があるのに、安い公的保険を使う
・フランスでは処方薬の価値や重要性に応じて自己負担率を変えている。日本でも効果が乏しいものは保険の対象から外し、効果が明確なものに財源を振り向けるべき。
・広域抗菌薬の念のための処方が耐性菌の発生を招くなど無駄遣いのみならず、弊害招くことも。
・診療報酬水準の高い急性期ベッドが過剰で入院も長引きがち
・急性期から回復期や慢性期への病床の転換は進まず、人手不足や採算性の面から在宅生活を支える受け皿も不十分
・入院が長いほど病院の収入も増える出来高払いの診療報酬制度が長く続いたが、これからは定額の診療報酬でありDRGに徹底していくべき

0
2020年08月18日

Posted by ブクログ

漫然と病院に通い薬を服用するのではなく、如何に病院や薬に頼らない生活を送って行けるか。

そして、真に病院や薬を必要とする人々に限られた人材や財政資源を割り当てる事ができるか。

健康であったり、若い人こそにオススメの一冊。

ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

0
2020年06月07日

「社会・政治」ランキング