山田敏弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【どんな時代になっても、結局、人間は誰しも、生まれた以上は死ぬ運命にある。どんな死に方をしようとも、専門家がその死体の尊厳を守ってくれる。それも、目指していくべきではないか】(文中より引用)
なかなか表立っては見えてこない法医学者の仕事。その内幕を覗いてみると、日本社会に広がりつつある「死体格差」とも言える状況の中で、孤軍奮闘するひたむきな人々の姿があった・・・。著者は、インテリジェンスやサイバー分野についての作品も世に送り出している山田敏弘。
日本社会の盲点とも言える分野に鋭くメスを入れた一冊。ドラマで見て知ったつもりになっていましたが、法医学の世界の奥深さを感じることができました。それ -
Posted by ブクログ
米・露・中の三国を中心とした、サイバー戦を含めたコンピュータ・セキュリティを解説したものです。
本来、情報共有のための先端的な技術であるインターネット上で繰り広げられるサイバー戦。
それは、非合法で、超大国のネゴがぶつかり合う情報戦争の場である。
サイバー技術を持たない国々(含む日本)は、これらの超大国の支配下にのみこまれていく。
前半は、露・中のサイバー技術の紹介と実戦の解説を、後半は、アメリカトランプと中国習近平とのやり取りを中心とした米中の変容を描いています。
気になった点は次の通りです。
ロシア軍は、ジョージア、クリミア併合、ウクライナと、フェークニュースの配信を含めたサイバー -
Posted by ブクログ
サイバー戦争、サイバー攻撃とは何かを概説するのが本書の目的です
サイバー( cyber- ) はコンピュータや、情報技術、仮想現実に関することに使われています
すなわち、サイバー戦争とは、コンピュータや、スマホ、ネットワークをつかった戦争であり、サイバー攻撃とはこれらを使った攻撃、もしくは、これらに対する攻撃である。
サイバー攻撃の狙いは3つ
①サイバー犯罪:金銭や、知的財産を盗むために経済的動機で行われるもの
②安全保障に関わる攻撃:スパイ工作、インフラ施設への破壊、妨害工作、戦争や紛争のための用いられるもの
③ハクティビズム:政治的な主義主張を訴えるもの
サイバー攻撃をおこなっ -
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【どこにいても高速インターネットが利用でき、世界中の電子機器や部品、ソフトウェアなどをすぐに手に入れることができる。その優れたサイバー環境にあることを、なぜか日本人が一番、気が付いていない】(文中より引用)
ロシアと中国が進めるサイバー分野での工作・オペレーションに焦点を当てた一冊。ロシア・ウクライナ戦争でも確認されたサイバー戦争の内幕を暴いていきます。著者は、『ゼロデイ』等の山田敏弘。
サイバー分野においてはもはや「平和」という観念が成り立たないのではないかと思わされるほど、熾烈に熾烈を極める大国間の競争が生々しく記述されていました。日本版NSAという問題提起もなされており、議論の土台と -
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CIAで日本語を教えていた日本人女性の話。とても面白かった。
大正時代に名家で生まれ、昔ながらの男性優位・長子優先の家庭と社会が憎いほどまでになじめず、アメリカで語学の専門家としてのキャリアを目指す。CIAに入ってキャリアをスタートしたのが40代と、決して早くはないタイミング。しかし、語学のみならず、日本の文化も真摯に教えるスタイルで、CIAの語学講師として極めて優秀なポジションにつく。各国の情報収集に語学力は不可欠であり、CIAのなかで言語に関するスキルは、数ある必要な要素の中でも大きなウエイトを占める。したがって、語学講師の役割・責任は非常に大きく、その中で成し遂げた彼女の実績と貢献は、機 -
購入済み
日本語とスペイン語の理解
この本のおかげで、今まで知らなかった日本語の特性が理解できるようになった。私はスペイン語が母国語なので、日本語とどこが違うか知るためにものすごく役に立ちました。ありがとう御座います
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【インフラの制御システムを完璧に守るためには、スタックスネットの正体を暴いたドイツ人のラルフ・ラングナーの言葉を借りれば、「内部システムをアナログに回帰させるしか対処法はない」のである】(文中より引用)
もはや犯罪の領域を超え、今や新たな戦闘領域へと化しているサイバー空間。近年に起こった複数の事件を解説しながら、サイバー戦争の脅威について警鐘を鳴らす作品です。著者は、国際報道に携わる中でサイバー分野に興味を抱いたという山田敏弘。
近年の国際政治を理解する上で間違いなく有益となる一冊。日々のニュースで見ている以上にサイバー空間を舞台にした鍔迫り合いが「先を行った」ものであることがよくわかるか -
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【はっきり言うと、日本は世界から喰いモノにされているのである。残念ながら、それが世界の情報機関関係者らの見方であり、実態なのだ】(文中より引用)
熾烈を極める国際インテリジェンスの世界を紹介しながら日本の立ち遅れを指摘する作品。米や英などの元諜報関係者へのインタビューも収録しています。著者は、気鋭の国際ジャーナリストとして活躍する山田敏弘。
かなり辛辣なタイトルに一見すると見えますが、本書を読むとその内容も宜なるかなと思えてしまうほどの内容でした。分量的にはサクッと読めるほどですが、他書にはないオリジナルの情報や視点もふんだんに盛り込まれていたように感じます。
まずは丸裸ですよと気づくと -
Posted by ブクログ
【私はCIAで、ガラスの天井を突き破ったのよ】(文中より引用)
戦後間もなく英語を学習するためにアメリカに渡り、その地でCIAのスパイに日本語を教える養成官となったキヨ・ヤマダ。謎のヴェールに包まれた彼女の足跡をたどりながら、CIAと日本の関係についても踏み込んだ作品です。著者は、『ゼロデイ:米中露サイバー戦争が世界を破壊する』などで知られる山田敏弘。
一人の女性の数奇な人生を通じて国際情勢の機微を垣間見ることができるだけでなく、往時の女性が置かれた立場と社会の関係についても示唆が得られる作品。年齢を重ねるに連れて自身の秘密を吐露していく様子に、彼女の抱えていたものの大きさが感ぜられました -
Posted by ブクログ
コンピューターウィルスやハッキングなどの単語から多くの人が連想するのは、企業や政府機関のサーバーから情報を盗んだり、現金を不正に送金したりという犯罪ではないでしょうか。ところが、もはや攻撃対象となっているのは交通信号の制御や、航空管制、送電網などのインフラを担うシステムであり、これらに潜入してインフラを混乱させ、さらには深刻な事故を発生させてしまうことまで可能となっていると著者は警告してます。
事実2009年にはアメリカ、イスラエルが主導してイランのウラン濃縮施設の制御システムに潜入し、実際に遠心分離機の一部を誤動作させて破壊する事例が発生しています。
ますますネットに依存する方向に進む私たち -
Posted by ブクログ
日本に生まれ、日本に住んでいながら、日本語を正しく使えているか問われれば、中々自信をもって「はい」と言える方はそう居ないのではないかと思う。このレビューにしてもそうだ。頭に浮かんだ言葉(感想みたいな感覚で書いてるからそれで良いと思っている)をただ書き連ねるだけだから、余程、見直しでもしない限り、間違った日本語のまま掲載しているだろう。
本書はそうした誤った日本語の使用で、会話相手をカチンとさせる様な「余計な一言」に着目した内容となっている。敬語の使い方にせよ、「てにをは」などの助詞の使い方、更には時代と共に変遷する様な表現。厄介なのはそれがまた一般的で標準的な捉え方や言い回しに変わったものなど -