井上寿一のレビュー一覧

  • 政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか

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    政友会と民政党の通史。新書というボリュームの限界から、物足りなさを感じる点もあったが、両党の成り立ち、歩みの概要を掴むには十分な内容だと思う。いくつかの部分で両党について理解が不足していた所を補うことができた。

    資料として活用することを考えると気になる点はあるが、その辺りは、本書で提示されている参考文献をあたる方がよいのだろう。

    政友会と民政党の失敗、挑戦の過去から学び現代の政党政治への提言を最終章でおこなっている。正論ではあるものの現実を超えることができる内容であるとは、私には思えなかった。

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    2013年03月29日
  • 政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか

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    戦前の二大政党の変遷をたどってみると、現代の政党とどうも似通った点がある。

    党としての軸とビジョンが無く、すぐに政策がぶれていく所や、他党の足を引っ張り合う所、そして大衆迎合に走る所など。
    結果、戦争へと突き進むことにブレーキを何も掛けられず。

    今に始まったことではなく、戦前から日本の政党政治は軸とビジョンの無いものだったのだな、と実感した。

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    2013年03月05日
  • 戦前日本の「グローバリズム」―一九三〇年代の教訓―

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    第3章の「国内体制の模範を求めて」のドイツ(第三帝国のほう)に対するスタンスの違いと距離感の変化に関する記述がとても面白かった。

    受験ストーリー的にキャッチフレーズで既成事実化させて整理しているような部分に対しての「視点を変える」作業を行うのにとてもいいテーマ設定と本の構成だったと思います。章ごとの結論部分のまとめがあるのも良かった。

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    2012年12月04日
  • 戦前昭和の国家構想

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    戦前昭和といえば、議会政治の崩壊から軍事独裁へという「イメージ」が定着している。しかしことはそう単純でもない。議会政治という意味では最後の近衛内閣まで維持されている。その多様な歩みから戦前昭和を再構成する一冊。

    情熱とその挫折からなにを学ぶべきか。非常に現代的意義からも広くよまれてほしい一冊。

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    2012年10月25日
  • 戦前日本の「グローバリズム」―一九三〇年代の教訓―

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    1930年代の日本は満州事変と国際連盟脱退によって国際的に孤立し、それが後の太平洋戦争に至るという従来の考え方を修正する。第一は経済外交、第二は対外認識、第三は国内体制の国際的な連動であり、協調と平和を意図しながら、結果は戦争に至ったと論じている。だが、何故意図したことと違う方向に進んだのかが、「歴史の逆説の力学」という言葉で片付けられ、本書を読む限りでは、あまり詳しく述べられていない。私が知りたいのはその「何故」であったのだが。

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    2012年08月24日
  • 戦前昭和の国家構想

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    昭和初期から太平洋戦争勃発まで、時代を彩った4つの思想(議会主義、社会主義、農本主義、国家社会主義)を概観する。そして、4思想が目指す理想的な国家構想がどのような経路で挫折し、戦時体制一色となったかも。

    思想を体現する主要人物と、転機となった出来事を振り返りながら、それぞれの思想の持つ特徴を解説。

    筆者の意図もあろうが、不況や格差問題、関東大震災など、現代とおそろしいほど酷似した世界が展開されている。

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    2012年07月02日
  • 戦前昭和の国家構想

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    戦前昭和の社会主義、議会主義、農本主義、国家社会主義が語られている。その中で、特に興味を抱いたのは、農本主義が満蒙開拓の移民熱を煽り、また橘孝三郎の国家改造プランは、ナショナリズムによって結びつき、そして五・一五事件へと展開していくことであった。しかしながら、これらの主義に基づく国家構想はすべて挫折した。これらが再び息を吹き返すのは、大戦によって国家が破綻した後である。

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    2012年06月26日
  • 吉田茂と昭和史

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    学習院大学法学部教授(日本政治外交史)の井上寿一による吉田茂の評伝。

    【構成】
    序章 昭和のなかの吉田茂
    第Ⅰ章 大陸の嵐のなかで
    第Ⅱ章 政党政治と外交-外交優位の体制を求めて
    第Ⅲ章 危機の時代の外交官=吉田茂
    第Ⅳ章 復活を期して
    第Ⅴ章 戦前を生きる戦後の吉田茂
    第Ⅵ章 占領下の<自由>
    第Ⅶ章 敗戦国の<自立>
    終章 「吉田ドクトリン」のゆくえ

     著者は『危機のなかの協調外交』『日中戦争下の日本』『昭和史の逆説』など昭和戦前期の外交史研究で知られており、前半の3章は外務官僚・吉田茂の対中国政策について、政友会、民政党、軍部を交えて描かれている。様々なチャネルによって行われていたこ

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    2012年02月18日
  • 吉田茂と昭和史

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    吉田茂の評伝。吉田茂の政治的活動について、戦前からよくまとまっている。特に現代との関連性を意識させる記述は新鮮。

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    2012年01月22日
  • 吉田茂と昭和史

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     吉田茂になんとなくひっかかって、職場の本屋の平積みから購入。

     井上氏の政治家の分析軸、横軸は経済軸で自由と統制、縦軸は、国際軸で協調と自立。

     吉田は、自由で協調。例えば、岸は、自立で統制(満州の革新官僚ですから)。

     最近の政治家では、小泉さんは、自由で協調。麻生さんも自由で協調。安倍さんは、自由で自立。

     そう思って分析してみると、民主党の総理は、どういう軸で分類されるのかはっきりしないな。鳩山さんは国際軸は自立で、経済軸は統制かな。菅さんは経済軸、国際軸とも不明。野田さんは、経済軸は自由か?

     要は、経済軸は、市場の自由を大事にするかどうか、国際軸は、日米安保を大

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    2011年12月24日
  • 昭和史の逆説

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    我々は歴史を振り返るとき、往々にして現代の視点からみてしまう。本書では、当時の指導者が何を考え戦争を選んだのか、出来るだけ当時の視点にたって記す努力をしている。7つの出来事を扱っているため、広く薄くなったきらいがあるが終戦記念日に読む価値のある一冊である。

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    2011年12月17日
  • 戦前昭和の社会 1926-1945

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     アメリカ化,格差社会,大衆民主主義をキーワードに,昭和はじめの20年の日常を垣間見る。先日90になった祖母,今年92の祖父は,まさにこの時代に育った,と思うと感慨深い。
     戦前にも大衆消費社会があって,デパートが繁盛し,同潤会アパートができ,映画が娯楽として定着し,電灯や扇風機といった家電が売れた。しかし格差は厳然と存在し,昭和恐慌,金融恐慌を経て農村・労働者は疲弊した。
     革命による格差是正の夢も弾圧によって潰え,マルクス思想から「エロ・グロ・ナンセンス」へ,世相は退廃へと転換する。現世利益を謳う新興宗教「ひとのみち教団」も弾圧される。
     そこへラジオとともに颯爽と現れたのが近衛文麿。彼の

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    2011年11月24日
  • 戦前昭和の社会 1926-1945

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    今の時代が戦前と似ているということは戦後の繁栄は戦前昭和の人たちが描いた社会だからなのだろうか?この閉塞感を打ち破るのは何なんだろうか?

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    2011年08月02日
  • 戦前昭和の社会 1926-1945

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    戦前昭和の社会論。
    読んでいて歴史は繋がっているというのを実感する。
    戦前昭和に生きた人たちの歴史が皮膚感覚で伝わってきます。

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    2011年06月27日
  • 戦前昭和の社会 1926-1945

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    近頃雰囲気がなんだか戦前くさいぞ、と思って読んでみたけれど。やっぱり今と共通点多いなぁ。
    少なくとも大震災って日本においては変化のきっかけになったりすることが歴史上多いんだよなー。さてさて。

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    2011年04月23日
  • 吉田茂と昭和史

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    吉田は世俗的な栄達には興味がなかった。なぜなら11歳にして莫大な財産を引き継いでいたから。だからリベラル。傍流でも気にならなかったのだろう。この敗戦、悪くはない。日本はアメリカに敗れて屈辱的にならずに徹底して戦ったのが吉田と白洲。

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    2009年10月07日
  • 自民党という絶望

    匿名

    ネタバレ

    石破さん・・・。

    石破さん、こういう安直なプロバガンダ本に名を連ねるのは、数少ない支援者にとっても、気分の悪いものです。自ら腐している党内でどんなヴィジョンを語っても誰も聞いてくれなくなりますよ。

    全てを否定はしませんが、与党の腐敗を言うなら、野党の税金泥棒振りもチャンと書いてください。

    ここに書かれている事が全て真実として、どうしてそんな酷い政党が政権与党を握り続けていられるのですか?
    野党が、それ以上にだらしが無いからでしょう?!

    その辺りも書かなくては、同じ考え方の集まりの「憂さ晴らし本」としか言えませんね…。

    #ダーク #切ない

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    2023年06月09日