井上寿一のレビュー一覧

  • テーマ別だから日本の今がしっかり見える 日本近・現代史

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    分かりやすいんだとは思うけど、やっぱり歴史は苦手。第二次世界大戦頃に興味はあるし、教養のために勉強したいとは思うんだけど、なかなか本気になれない。大学受験の時にすらまともに勉強せず、センター試験(当時)の世界史で、全国平均を下回ってしたった苦い思い出。あれは危なかった・・・

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    2024年09月18日
  • 政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか

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    民主党がまだ元気だった頃に、政友会を自民党に・民政党を民主党に見立てて二大政党制の在り方について論じた本(本文中に直接的な現代政党との比較こそないが、あとがきから自民・民主の二大政党制を念頭に置いているのは明らか)。

    既得権益層の支持を背景に政局的に物事を推し進める政友会と、政策的見地から政治を進めようとするもその軟弱さから実施へ一歩踏み込めない、よしんば踏み込めたとしても転んでしまう民政党との比較は面白い。惜しむべきは民主党が政友会と民政党の悪いところを受け継いでしまっている部分か。そのせいで仮定が崩れて論点がぼやけてしまっている感は否めないかな。

    ただ細かい部分は読む前の両党のイメージ

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    2023年12月11日
  • 吉田茂と昭和史

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    吉田目線の昭和史であり、吉田に対する批判的な検討はない。それを受け入れて読めば得るところもあるが、全体に単調で薄味という印象。

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    2021年11月07日
  • 教養としての「昭和史」集中講義 教科書では語られていない現代への教訓

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    明治以降の歴史が学校教育で十分になされていないと言われるけれど、結局は今の政財界の闇に関わるので手がつけられないというのが本音だと思う。
    幕末の志士だの明治の偉人だの呼ばれるのは今の政財界の創設に絡んだ人が多く、ヘタに英雄視するのは問題。

    この本は昭和戦前史のみに限定した読みやすい本でした。
    昭和でもこれだけ政財界はブラックなのに、明治・大正には触れられないよね。
    いつの時代も官僚は優秀なのに国の方針を決定する政治家が政党間の足の引っ張り合いなどで国益に反するようなことをしているようだ。

    総括して外交官経験のある人は視野が広くバランス感覚が良いようで、そういった経験のある政治家に力があると

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    2021年03月05日
  • はじめての昭和史

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    昭和史という、戦争をはさんで戦前と戦後という
    全く違うような歴史が、逆に相応している部分も
    かなりあるということがよくわかりました。

    そういう意味では、やはり国民性というか
    そういう部分が通底には今もながれているのだろうと思います。

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    2020年12月28日
  • 第一次世界大戦と日本

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     第二次世界大戦は。日清・日露戦争と太平洋戦争の間で、日本人にとっては今一つピンこないと思う。「世界大戦」といっても、主戦場は日本から遠く離れた欧州。そして、「大正」時代も15年しかなく、これまた明治と昭和の間に埋没しがちだと思う。

     本書は大正時代を解説するように、外交、軍事、政治、経済、社会、文化の各分野について網羅して述べられている。しかし、概して総花的な記述になっており、記憶に残るような事項はあまりなかった,。ただ「戦後」に国際協調が広がり、国際連盟が創設される。後に日本は国際協調の象徴たる国際連盟を脱退し、戦争への道を突き進んでいくことに。

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    2020年11月08日
  • 戦前昭和の社会 1926-1945

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    戦前の日本は銀座あたりをモボ・モガが闊歩し、地下鉄やデパートや浅草の映画・見世物が大盛況で、「コドモノクニ」など児童向けも含めた出版も活況を呈し、豊かな時代だったことを紹介してくれる本かと期待して読み始めたんだけど、そういう面は前半1/3くらいだった。
    選挙権や労働状況の改善を求める市民運動、「家の光」誌をとおした農村改善運動、新興宗教の隆盛など、さまざまな運動に関してだいぶ紙幅を割いていて、いまとなっては言論や運動が統制され不自由な時代と平板にとらえられてしまっている感がある戦前昭和が、実は人々が意識的に活発によりよい社会を目指して活動していた時代だったということを知った。それこそ現代をしの

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    2020年08月22日
  • 昭和の戦争 日記で読む戦前日本

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    <目次>
    第1章  張作霖爆殺事件
    第2章  満州事変
    第3章  日中全面戦争
    第4章  第二次欧州大戦
    第5章  日米戦争
    第6章  アジア太平洋戦争
    第7章  敗戦

    <内容>
    政治家、軍人、官僚、作家などの日記を駆使して、歴史的事実の裏側の各人の想いを描きながら、また歴史を浮き彫りにさせる内容。当然本来の歴史的事実を知らないとわからない。新書いう関係上(もともとは日本経済新聞の連載)、その読み込みは浅いが、見えてくるものはある。

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    2016年08月13日
  • 昭和の戦争 日記で読む戦前日本

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    ネタバレ

    永井荷風が井伏鱒二を嫌っていたことをどこかで読んだ気がするのですが、それは、荷風が井伏の『昭南日記』を読んでいて、日本軍のシンガポール空襲から避難するときにある現地人が身の回りの金品を寺院の僧侶に預け、にもかかわらず僧侶が持ち逃げしたことに対して井伏が「何の応援をしてやろうというつもりもない」という日記の記述に、永井が失望したのかと想像してみました。

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    2016年07月09日
  • 第一次世界大戦と日本

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    「日清・日露戦争と第二次世界大戦との間の第一次世界大戦に具体的なイメージがともなわないのは、明治と戦前昭和に挟まれた大正の時代像があいまいなことに関連している。」

    第二次世界大戦に向かう戦前の体制に関して、なぜそうなったのか関連書籍を何冊読み進めていってもよくわからない、よくわからないものをわからせてくれる本を探す旅はまだまだ続いている。

    本書もその一環で手に取った。
    冒頭に引用した一文、まさにボクの中でもその通りなのである。
    第一次世界大戦は学校で習った知識の中では欧州の戦争に日本が東の方からどさくさ紛れにちょっかいを出したくらいにしか思っていない。
    大正時代関しては期間が短かったという

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    2015年02月08日
  • 第一次世界大戦と日本

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    高校の社会史の先生が「戦後日本の次に平和だった時代」と評していた大正時代。今までおぼろげにしか知らなかったが、この本はその平和であった時代の見取り図を与えてくれる。

    格差・二大政党制への指向と挫折・金融不況とその脱却、女性の社会進出、いずれも現代日本と同じような話である。

    戦間期の国際連盟や国際司法裁判所において日本人が活躍していたことは本書で初めて知った。



    この本で今日を持ったトピックについて、参考文献を当たってみたい。

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    2015年01月03日
  • 第一次世界大戦と日本

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    「欧州大戦」である第一次世界大戦をいわば奇貨として、極東の島国日本は国際社会に打って出る。

    国力においては一人あたり国民所得は昭和14年のピークへ向けて上り坂、外交においても「国際会議屋」の八面六臂の大活躍をみるに、けっこういい線いっていたのだ。
    (「大正時代の日本は光り輝く文明国だった」p8)

    あの戦争なかりせば、と「いい線」の延長線上にあったかもしれないもう一つの日本を、つい夢想したくなる。

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    2014年10月16日
  • 第一次世界大戦と日本

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    なぜ、日本は第一次世界大戦に参戦した理由を政治・外交・軍事の面から詳しく解説してほしかった。この著作は大戦後の影響を中心に語られていました。「海軍は 第一次世界大戦後の国際秩序から利益を受けていた。海軍にとって南洋群島は戦略的な拠点だった。その旧ドイツ領南洋諸島は、国際連盟からの委任によって日本が統治している。そのように認識する海軍にとって、国際連盟脱退は、太平洋の戦略的な拠点を失うことを意味した。」確かにそうですよね。でも、結局は連盟脱退に。日本は世界から孤立の道を歩み、やがて次の大戦に突入する。

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    2014年10月02日
  • 第一次世界大戦と日本

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    <目次>
    はじめに
    第1章  外交
    第2章  軍事
    第3章  政治
    第4章  経済
    第5章  社会
    第6章  文化
    おわりに

    <内容>
    淡々と当時の文献からの抜粋が続く。「○○版日本の歴史」シリーズの”第一次世界大戦期”を読んでいる気分。ただ、選んだ文献の組み合わせなどから当時の様子がはっきりと浮かび上がる。この時代の第一人者ならではであろう。前著の『理想だらけの戦時下日本』を読んだ時も感じたが、この時期の大衆は、「戦争」などを感じることもなく(この本では第一次世界大戦)、日々を平和だと思って過ごしていたのだろう。そういう意味で、現在の日本のリーダーの旗振りが、日本をこの時代の後に訪れた悲劇

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    2014年09月23日
  • 第一次世界大戦と日本

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    第一次世界大戦に日本がどのような状況で参戦したのか、また終戦後の国際連盟と日本との関係を特に描いた本だった。特に国際連盟との関係で日本が積極的に人種問題を提起したり、また国際平和に対して理解を深めようとしていたことは特筆すべき点である。ただし、朝鮮人労働者と底辺の日本人労働者との軋轢、平和展での混乱を見ると分かるように国家としての目的・理想と民衆の現実が乖離していく状況がどんどんと日本に暗い影を作っていく。個人的にはもう少し陸軍の動きであったり、5・15事件やら2・26事件の背景を描いて欲しかった部分はあったが、それについては川田稔先生の近著で探ることにしたい。

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    2014年08月02日
  • 第一次世界大戦と日本

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    第一次大戦と日本の関係とともに、大正時代の日本の大衆社会についてまとめた一冊。
    世界史上では日本で触れることの少ない第一次大戦の詳細を知ることも大事だが、
    後半部分の大正時代の大衆社会についてが、日本の歴史、また現代の日本をを知る上では、かなり大きい。
    これまでの歴史に関する本の間隙をついた貴重な一冊ではないだろうか。

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    2014年07月18日
  • 吉田茂と昭和史

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    「吉田茂と昭和史」 井上寿一

    ごく簡単に読める吉田茂の評伝。戦前の中国、イタリア、イギリスでの吉田の行動と思想、戦後との一貫性については始めて知ることが多く新鮮だった。

    戦後の吉田による"軽軍備・経済重視"の経緯はある程度知っているつもりだったが、連立政権の枠組みを何度も繰り返しつつ粘り強く政権運営をしていたことは新たな発見だった。同様の粘りを占領軍に対しても行い、それにより沖縄の永久の国連信託統治を免れていたことも感銘を受けたし、いまの停滞する政治にも十分に参考になるかと思う。

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    2014年04月20日
  • 政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか

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     2009年の民主党政権の発足も衝撃だったが、昨2012年の自民党政権の復活にもまた驚いた。
     民主党の拙劣な政権運営や相次ぐ内部の軋轢はひどいものだったが、その後一年近くを経過すると、あの政権崩壊は民主党の愚かさだけではなく、もっと深い原因と理由があったのかもしれないとぼんやりと思いつつ本書を手にとってみた。
     本書は、戦前の「政友会と民政党」という二大政党が明治憲法体制のもとでどのような歴史経過をたどったのか詳細に追いかけている。
     当時は「明治憲法体制」下にあったし、「宮中」や「陸海軍」などの有力な政治勢力が存在していたり、現在とはまったく違った世界だと思っていたが、本書の内容を読むと、

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    2013年10月06日
  • 政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか

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    昨年暮れの総選挙前に出された、戦前の二大政党から学ぶ本。
    戦前の二大政党も、数合わせの野党にはじまり足のすくいあい、そして解党・大政翼賛会へ。著者は戦前昭和の二大政党と今は悪いところばかり似ている、としていたが、果たして現代は、片方が自爆して二大政党とはとうてい言えない状態になった。今が「非常時小康状態」とわかっていても、その非常を回避できないことがある。そこも似るのだろうか。読んでもさっぱり気分が晴れない本だけど、国民の政治参加に対する責任感覚を回復せよ、という宿題だ。

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    2013年08月15日
  • 政友会と民政党 戦前の二大政党制に何を学ぶか

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    昭和2年の民政党結党以降の、政友会と民政党という二大政党の政権交代や政策、政党外勢力との関係などを描く。現在の二大政党との比較。「反対党の失点が自党の得点になる」状況と、そこに起因する問題点の指摘。国民世論については、もう少し他の本で知りたいところ。

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    2013年06月03日