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国際連盟脱退、軍部の政治介入、日中戦争……多くの歴史教科書が「戦争とファシズム」の時代と括る一九三〇年代。だが、位相を少しずらして見てみると、全く違った国家と外交の姿が見えてくる。国際協調に腐心した為政者たち、通商自由化を掲げた経済外交、民族を超えた地域主義を模索する知識人――。新たな戦前像を提示する論考。
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Posted by ブクログ
1930年代のグローバリズムに日本がどう対応したのかについて,独自の視点を提供している。 各国がブロック経済で反自由貿易的な政策を採る中,日本は2国間交渉で地道に自由貿易の道を探る。日印会商や日蘭会商もそうした文脈で再解釈されている。国際連盟の問題も同様。 戦前期の日本がギリギリのところまで自由...続きを読む主義貿易を追求していったことはもっと強調されるべきだろう。
満州事変から太平洋戦争まで戦争への道をひた走ったのではなく、外交や経済でのグローバリズムが存在していたことを克明に明らかにした内容。 これが、マスコミと国民の戦勝ムードによって判断を誤らせたことが指摘されていて、まさに現在の安倍政権肯定の風潮と重なり、危機感を覚えます。
1933年の国際連盟脱退後1940年の日独伊軍事同盟成立の間,日本は国際貿易を推進するため英米と密接な関係を構築していた事実.教科書では習わなかったなあ.意外な事実に驚嘆した.
第3章の「国内体制の模範を求めて」のドイツ(第三帝国のほう)に対するスタンスの違いと距離感の変化に関する記述がとても面白かった。 受験ストーリー的にキャッチフレーズで既成事実化させて整理しているような部分に対しての「視点を変える」作業を行うのにとてもいいテーマ設定と本の構成だったと思います。章ごと...続きを読むの結論部分のまとめがあるのも良かった。
1930年代の日本は満州事変と国際連盟脱退によって国際的に孤立し、それが後の太平洋戦争に至るという従来の考え方を修正する。第一は経済外交、第二は対外認識、第三は国内体制の国際的な連動であり、協調と平和を意図しながら、結果は戦争に至ったと論じている。だが、何故意図したことと違う方向に進んだのかが、「歴...続きを読む史の逆説の力学」という言葉で片付けられ、本書を読む限りでは、あまり詳しく述べられていない。私が知りたいのはその「何故」であったのだが。
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戦前日本の「グローバリズム」―一九三〇年代の教訓―
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井上寿一
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