【感想・ネタバレ】昭和史の逆説のレビュー

あらすじ

昭和史は逆説の連続である。希望はいつの間にか絶望へと変わる。夢と思えたものが悪夢に転ずる。平和を求めたはずが戦争になり、民主主義の先にファシズムが生まれる。一筋縄では進まない歴史の奔流のなかで、国民は何を望み、政治家はどのような判断を下していったのか? 田中義一、浜口雄幸、広田弘毅、近衛文麿など、昭和史の主人公たちの視点に立って、「かくも現代に似た時代」の実相を鮮やかに描き出す。

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Posted by ブクログ

歴史を学ぶことは、過去を教訓にして未来に活かす事に大きな意味がある。小学校に上がれば日本の縄文時代から日本の成り立ちについて学び、中学、高校、多くの学生は大学でもそれまでよりも深い内容で歴史を学び続ける。本屋に行けば(最近はオンラインで購入する人が大半だと思うが)、歴史関連の書籍コーナーはほぼ設置されているし、毎週の様に出ている新書にも必ずと言って良い程、歴史関連の書籍が含まれている。歴史好きを自認する人も多いだろう。私もそのうちの1人だと思うが(ホンモノの歴史好きに配慮して少し控えめに言っておく)、本書はそうした歴史の定説に対して、違った観点から見ていく内容となっている。歴史は過去のものであるから、必ずしもそれが真実であるとは、当の歴史上の本人が既に存在しない状況では言い難いが、それら人物の遺した書籍や当時の発言内容から推測は可能だから、本書がフィクションでなく、根拠をもとにした内容であることは言うまでもない。
初めに書いたように、我々が学ぶ歴史は、その後の結果を踏まえた、表面上に見えている分かりやすい要因を並べていると言っても過言ではないと思う。例えば私が良く読むものに太平洋戦争を題材にしたものが多いが、学校で学ぶレベルの歴史だと、東條英機がヒトラーやムッソリーニと並ぶ第二次大戦、太平洋戦争の首謀者のように描かれる。確かに開戦を止めることのできなかった、当時の首相としての責任はあるだろうが、東條側(当時の本人とそれを取り巻く周囲の人物、そして首相になるまでの経緯など)の視点に立てば、戦争回避に直走る当人の姿や、それとは逆行し次々と避戦から遠ざかる状況の中での本人の苦悩の一面が見えてくる。東條だけではなく、当時の日中戦争、太平洋戦争の流れの中で、松岡洋右や近衛文麿など、少し違った角度で当人たちを見ていく事で進む理解がある事を本書は教えてくれる。
歴史は一方向から見ているだけでは、真実に近づく事は難しいし、前述したように過ぎ去った時間の確実な正解は誰にも判らない。だからこそ、本書「昭和史の逆説」の様に違った視点を提供することの重要性は大きい。本書は山東出兵の田中義一、海軍軍縮会議の若槻礼次郎、連盟脱退時の松岡洋右、二.二六事件前後の広田弘毅、日中戦争拡大に向かう時期の近衛文麿、アメリカとの開戦に向かう東條英機、終戦工作に奔走する鈴木貫太郎、と言った様に、昭和初期の戦争と隣り合わせの日本の歴史における、転換点となった出来事を中心に扱っている。なぜあの時戦争を避けられなかったのか。主にはこれをテーマに扱っているものとなっている。
歴史を学ぶ上で必要とされる多角的な物事の見方、歴史が特定の因子によって引き起こされるのではなく、それ以前から連綿と続く流れの中で引き起こされる事、それがまた次の歴史につながると言う未来を含めた全体の流れ。そして一方的な考えや方向性により成り立つのではなく、複数の登場人物たちのそれらの積み重なりに大きく影響される事など、様々な気づきの中で見ていくことの重要性を本書は気づかせてくれる。勿論、そこには運不運(天候や災害など)も関係する。改めて歴史の面白さや深さに触れることのできる一冊だ。

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2026年06月13日

Posted by ブクログ

戦前の昭和史を人とその行動に焦点を当てて書いている。まるでドラマのように登場人物が生き生きとして、目の前に いるようだ。

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2015年08月25日

Posted by ブクログ

我々は歴史を振り返るとき、往々にして現代の視点からみてしまう。本書では、当時の指導者が何を考え戦争を選んだのか、出来るだけ当時の視点にたって記す努力をしている。7つの出来事を扱っているため、広く薄くなったきらいがあるが終戦記念日に読む価値のある一冊である。

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2011年12月17日

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