中村能三のレビュー一覧
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これも、榛野なな恵さんによってマンガ化されたのを読んだので原作も。マンガも読んでいたのに、謎解きが頭に入っていなかった。謎解きよりも、登場人物たちのロマンスとか人間関係を興味深く読んだような。んー、やっぱりわたしは謎解きには興味ないのかもしれない。あと、あくまでもわたしの場合だけど、どうしてもクリスティって薄味(失礼)というかなんというか、あんまりのめりこんで読む、引き込まれて読む、っていう感じではないみたい。けっして嫌いではないんだけど。あと、マンガと比べて、とか、最近のミステリと比べて、かもしれないけど、なんか結末がブツッと終わっちゃう気がして。もうちょっと説明とか後日譚とか余韻とかあってもいいような気が。犯人がわかったらハイ終わりー、みたいなのがもの足りないというか。それが本当の本格ミステリというものか。
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ネタバレこれもよく出来てるんだけど説得力に欠けるんだよなぁ。
ヘンリエッタがガーダを庇う理由はわかる。最愛の人から頼まれたらやるかもしれない。
ルーシー「哀れだから助けてやるか」で証拠隠滅←???
それもガーダの思惑で口封じにヘンリエッタを殺そうとする展開は超好きだった。
ただ、最後、ガーダが飲み物を口にしたのはなぜ?カップが2つに戻っていたら不審がるのでは?
『バイバイ、エンジェル』もこんなオチでしたね。
この作品から影響を受けたのかな?
指紋は盲目のマッチ売り(蝋燭だっけ?)のものだったのはへぇって思った。
あとエドワードとミッジの恋愛模様は別作品として世に出しても通用するくらいロマンティックで良かったです。 -
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ネタバレ忘れない、あなたの愛を。
ミセス・オリヴァが滅多に参加しない文学者昼食会で出会ったミセス・バートン=コックスは、ミセス・オリヴァが名付け親となったシリヤの両親の悲劇を知りたがる。息子の結婚相手としてシリヤが相応しいのか判断したいと。仕方なくミセス・オリヴァはシリヤの両親が亡くなった10年以上前の事件の真相を突き止めるために、関係者を洗い出し、話を聞いていくのだが——。
タイトルの「象は忘れない」というのはことわざらしい。作品中には何度もこの言葉が出てくる。人は忘れる生き物だが、ミセス・オリヴァが訪ねていく人々は、様々に出来事を記憶している。ミセス・オリヴァが協力を願ったポアロも、ミセス・ロバート=コックスの息子デズモンドからの頼みを聞き、ミセス・オリヴァと役割分担しながら、人に会っては話を聞く。会話劇で進んでいくことが多く、また思い違いや断片的な記憶も多いため、こんなので真相がわかるのだろうかと思うが、さすがはポアロ。情報を整理して、デスモンドとシリヤに「真実」を与える。
将軍と夫人ではなく、夫人の一卵性双生児の姉だ、というのは割と早くから感じとることができるが、それに至った理由は推理までさっぱりわからず。ポアロが示した「真実」は、愛ゆえの悲劇であり責任感であり正義感だった。それはまさに若い2人の求めていたものであり、2人の結婚を祝福するものだった。
ポアロの推理は、過去の調査で残っていたものと、さまざまな人に聞いた過去の話だけであり、今となっては確かめようのない「真実」とも言える。ただ、幸せになるべき人を幸せにする解決であった。これは確かに推理小説であり、そのうえで人間讃歌である。ミセス・オリヴァのキャラクターも後押ししているが、ストンと落ち着く読後感が心地よかった。散々「象は忘れない」と言い続けてのラストのセリフ「ありがたいことに、人間は忘れることができるんですよ」というのも素敵だ。 -
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くしくも直前に読んだクリスティー作品「五匹の子豚」と同じように過去の殺人事件を遡り、真実を探る内容の本作。これに関しては過去に読んだかどうかも怪しいくらい曖昧な印象(-。-;
「五匹の子豚」に比べると、さらに事件の内容は漠然としていて各々の発言がどのこと・誰のことを指しているのかが、よりわざとボカシて言わせているなあという印象が強い。
事件の真相は割と分かりやすいのだが、より家族間の心情にスポットライトを当てて、ポアロさんも事件の真相がもたらす影響を考慮しながら過去を遡っている感じ。
推理の派手さはないが、<当時のことを何かしら記憶している人たち=像>を探してタッグを組むミセス・オリヴァとの会話劇が楽しい点が魅力かな。 -
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オリヴァ夫人が船旅で知り合った友人に誘われて参加したハロウィーンパーティで事件が起こる。夫人はポアロに解決を依頼するが……ポアロシリーズ31作目。
ようやくこの季節に読めた!それだけで満足。
後期クリスティー 作品らしい、動きが少なく作中人物たちの年月を感じる。
ただ、翻訳が古い。女性がたくさん出てくるんだけど、だいたいの女性の語尾が「ですわ」でちょっと読むのがしんどい。
毎年この時期には本屋さんで面陳されていることやし新訳版が出たらいいのになぁ、と思ったり。
事件は過去から掘り返すスタイルで、こちらは後期ポアロシリーズだとあるあるなんだけど、少し間延びした感じが否めない。
謎解きはさすがクリスティ。
作中でカボチャモチーフが全く出てこなくて、ひたすらリンゴなのはなんでなのかと調べたら(オリヴァ夫人がリンゴ齧ってたり)カボチャはアメリカ中心のハロウィンで、アイルランドをはじめヨーロッパはではリンゴを使ったゲームなどが主流だとか。
そういえば昔何かで調べたとき、ジャックオーランタンはヨーロッパではカボチャじゃなくてカブだったとかあったような……。
こういう発見があるのは楽しい。季節に絡めた物語を読む楽しみ感ある。
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アンカテル卿の午餐に招かれたポアロを待っていたのは、血を流している男と、その傍らでピストルを手にしたままうつろな表情をしている女だった。それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!恋愛心理の奥底に踏み込みながらポアロは創造的な犯人に挑む。
登場人物みんなが少しずつ歪んでいて怖かった。まともかな、と思った人ですら恋心こじらせすぎだし。一見相手を崇拝して何でも言うことを聞くような人ほど、その敬愛が崩れたときの反動がすごいんだよな。人が予想もつかないパワーを出すというか。普段怒らない人を怒らせたらいかん。個人的にはアンカテル夫人が一番怖かった。あまりに怪しすぎて絶対犯人だと思ってました(笑)でも結局この人は単にそういう性格だったということ?しかしこの結末はジョンとガーダの子供たちが可哀そうだな・・・。