中村能三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これも、榛野なな恵さんによってマンガ化されたのを読んだので原作も。マンガも読んでいたのに、謎解きが頭に入っていなかった。謎解きよりも、登場人物たちのロマンスとか人間関係を興味深く読んだような。んー、やっぱりわたしは謎解きには興味ないのかもしれない。あと、あくまでもわたしの場合だけど、どうしてもクリスティって薄味(失礼)というかなんというか、あんまりのめりこんで読む、引き込まれて読む、っていう感じではないみたい。けっして嫌いではないんだけど。あと、マンガと比べて、とか、最近のミステリと比べて、かもしれないけど、なんか結末がブツッと終わっちゃう気がして。もうちょっと説明とか後日譚とか余韻とかあって
-
Posted by ブクログ
オリヴァ夫人が船旅で知り合った友人に誘われて参加したハロウィーンパーティで事件が起こる。夫人はポアロに解決を依頼するが……ポアロシリーズ31作目。
ようやくこの季節に読めた!それだけで満足。
後期クリスティー 作品らしい、動きが少なく作中人物たちの年月を感じる。
ただ、翻訳が古い。女性がたくさん出てくるんだけど、だいたいの女性の語尾が「ですわ」でちょっと読むのがしんどい。
毎年この時期には本屋さんで面陳されていることやし新訳版が出たらいいのになぁ、と思ったり。
事件は過去から掘り返すスタイルで、こちらは後期ポアロシリーズだとあるあるなんだけど、少し間延びした感じが否めない。
謎解きはさ -
Posted by ブクログ
アンカテル卿の午餐に招かれたポアロを待っていたのは、血を流している男と、その傍らでピストルを手にしたままうつろな表情をしている女だった。それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!恋愛心理の奥底に踏み込みながらポアロは創造的な犯人に挑む。
登場人物みんなが少しずつ歪んでいて怖かった。まともかな、と思った人ですら恋心こじらせすぎだし。一見相手を崇拝して何でも言うことを聞くような人ほど、その敬愛が崩れたときの反動がすごいんだよな。人が予想もつかないパワーを出すというか。普段怒らない人を怒らせたらいかん。個人的にはアンカテル夫人が一番怖かった。あまりに怪しすぎて絶対犯人だと -
Posted by ブクログ
味わい深い
違いの分かる男(もちろん女も)向きの一冊
トミー&タペンスの冒険譚もいよいよ最後、二人の年齢は共に75歳、初登場時は20代前半(22歳?)だったので、50年の時が流れてるわけです
もうすでに味わい深い
そして2人のなんと若々しいことよ
気持ちはね
そうなのよ!冒険小説なのにとんでもないスローペースで物語が進むのよ!
次から次へと苦難が襲いかかってグイグイ読ませるって感じじゃないのよ
でもそれってたぶんわざとな気がするんよな
物語全体で素敵に歳を重ねた二人を表現してるみたいな感じなんよ
だって若い時の二人の物語はグイグイだったもの
そこに目がいったときに、う〜んさすがわい、分 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
1972年クリスティー82歳。
クリスティーが書いた最後のポアロ。
十数年前の両親の心中事件は、父が母を先に撃ったのか?あるいはその逆なのか…。
『五匹の子豚』(1942年)のような過去の殺人の真相を解明する形式。
ベタなわかりやすい伏線で、テンポもゆっくりで意外性もない。
でもこの作品は「犯人は誰か?」が重要ではなく、もっと深い「あるテーマ」があるのでそこを楽しむものだと感じた。
ずっと読んできたファンとしては、味わい深い80代のクリスティーが読めて幸せ。
ポアロの愛を感じることができて大満足だった。
クリスティーの分身のような女性推理作家のオリヴァ夫人とポアロの最後の -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むきっかけは、最近読んだミステリの解説の中で、ミステリ作家たちが長編小説の傑作は『象は忘れない』で意見が一致した、という文章を読んだこと。
今まで読んだポアロの中で一番情報を汲み取るのが難しかった!!
十年以上前の事件の真相について、当時関わっていた人たちに話を聞いていくのだけど、話し手は自分がそう思いたいと考えていることを事実として記憶しているので、
出てくる人の話がある事実においてはこうだけど、別の人によるとこうだ…みたいな感じで、事件についての情報がかなりとっ散らかっているように見える。
だけど最後の種明かしの場面では、「象」たちが話したことがシンプルな真相にきれいに収束していって、 -
Posted by ブクログ
ノンシリーズ。
「クリスマスにはクリスティーを! 」
(このコピー考えた人、天才!)
ということで、本書はミステリではなく、聖書を題材にとったショートストーリー&ポエム、11編が収録されている、クリスマスブックでございます。
聖書がベースとなっているので、全体的にキリスト教要素が強く、聖書の知識があるとよりお楽しみ頂けるかと思います。
そんな中、個人的に好きだったのは「水上バス」ですね。
人間嫌いだけど善良な、ミセス・ハーグリーヴズの一日が描かれているのですが、クリスティーの人間描写の上手さと、ミセス・ハーグリーヴズの心に変化が起こっていく様が繊細に描かれていて、何度でも読み返したくなる秀