中村能三のレビュー一覧

  • 象は忘れない

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    早いもので、今年も「クリスマスはクリスティー」の時期がやって来ました♪
    てなわけで、久々のポアロもの。

    文学者昼食会に出席したオリヴァ夫人は、ミセス・バートン=コックスなる女性から奇妙な依頼をされます。
    その内容は、“自分の息子・デズモンドの恋人で、オリヴァ夫人の名付け子・シリヤの両親が過去に心中事件で亡くなっているが、夫と妻のうちどちらが先に拳銃を撃ったのか?”というもので…。

    過去に起きた心中事件を再調査して真相追求する、所謂“回想殺人”ものですね。
    他の方のレビューにもありますが『五匹の子豚』を彷彿させるものがあります。

    さて、後期ポアロもの準レギュラーともいえるオリヴァ夫人が(心中事件の起きた)当時の事情を覚えていそうな人々(=象)へ、ヒアリングの為に訪ね歩くのですが、まさに“ミセス・オリヴァ活動中”(←という章タイトルまであるw)”といった感じで、何ならポアロよりも精力的に動いている印象で、今回オリヴァ夫人頑張ってましたね!

    展開としては、件の過去に起きた心中事件をめぐるあれこれを様々な人々の記憶をたどって真偽を取捨選択していくものなので、ある意味地味というか、ミステリ的な二転三転といった動きはないのですが、そこは人間描写が抜群に上手いクリスティー。
    人々の語りから登場人物達の個性が生き生きと伝わってくるので、おしゃべり部分を読んでいるだけでも楽しいですね。

    そうした人々の記憶の断片から推理を構築していくポアロはやはり流石でございます。
    まぁ、中盤で真相を知っていそうな人物が判明していたので、ちゃっちゃとその人に話を聞きにいけば早く済んだと言えばそうなのですけど、そこはポアロなりの配慮で最後の最後まで慎重に事を運んだってことなんでしょうね。
    こうして、明らかになった心中事件の真相はとても悲しい事情があったわけですが、シリヤがそれを受け入れてデズモンドと幸せになってくれそうだったので良かったです。

    ということで、ミステリというより愛憎劇といった感が強かった本作ではありますが、“やっぱ、クリスティーええわ~”とクリスティーの巧さを実感した次第です。

    因みに、温存していたポアロもの長編シリーズが残すところ『ブラック・コーヒー 小説版 』『カーテン』の二作のみになってしまいました・・もうこうなったら、一気に残り二作続けて読んでしまおう!と目論んでおります~( *´艸`)

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    2025年12月24日
  • 象は忘れない

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    1度10代の頃に読んだけれど内容をあまり覚えていなかったので再読。私は象にはなれなさそうです(笑)
    個人的にタイトルのセンスがいいミステリ作品ベスト5に入ると思っている。

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    2024年07月01日
  • ハロウィーン・パーティ

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    【ポアロ】
    楽しいはずのハロウィンパーティーで突如事件は起こる。
    「私、殺人を見たことがあるの。」と言った少女がパーティー後にバケツに頭を突っ込んで死んでいた。

    犠牲者が子供なのも珍しいけど、毒殺ばかりのアガサ作品でこんなに凄惨な殺害方法も珍しい。
    「なぜ少女のジュディスが殺されなければいけなかったのか?」という動機が絶妙だった。
    関係者への聞き込みによって、ジュディスがどういう子供だったのか?が浮き彫りになり、それが解決編になっていきてくる。複雑に絡まった動機に思わず上手い!と思った。
    ポアロが関係者に聞き込みをする中盤は、長くて中だるみを感じたけど、読み終わった後にそれが必要だったことに気付く。

    今回はかなりベタなトリックが出てくる。
    でもそれがわかった所で動機が全くわからないし、他の人も怪しい。アガサ作品は、ミスリードがたくさん仕掛けられているので何かに気が付いたとしてもまたまんまと騙されてしまう。

    この作品は、映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』の原作らしい。映画は怪奇要素の入った内容にだいぶ改変されているとのこと。

    そしてこちらはアガサが79歳の時に出版されていて、晩年期でもこんなに凝った作品を書いていたことに驚いた。

    Audibleでアガサ。紙の本では違うアガサ。
    毎日アガサでも全然飽きないどころか、読めば読むほど魅了されていく。
    Audibleにて。

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    2024年06月27日
  • 象は忘れない

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    十数年前の夫婦心中事件の真相を探る本作。
    新たに事件は起きないし、物語の起伏もほとんど無く淡々と進む。
    でも好きだ。
    事件そのものよりも“人間”に注目し続けたポアロシリーズの集大成…という印象を受けた。
    関係者の記憶を追って辿り着いた真実に、作者の想いが透けて見えるような気がした。
    ミステリーだけど人間ドラマとして楽しませてもらいました。
    まさかこのシリーズで泣くとは思っていなかった。

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    2024年06月02日
  • 象は忘れない

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    ネタバレ

    あらすじ

    十数年前、とある夫婦が心中します。
    その夫婦の娘が婚約するにあたり、相手の養親が心中事件の詳細を知りたがり、紆余曲折をへてポアロが調査することになります。

    感想

    十数年前におきた心中事件がテーマで、新しい事件が起こるわけではありません。
    また、当時の関係者の話を聞いていく、という地味な展開のため、退屈してしまう読者もいるかもしれません。
    私はこの落ちつきが嫌いではありませんが。

    事件の真相は、"家族愛"だと思いました。
    精神障害と遺伝に強い相関があると思われていた時代。
    夫婦は真相を隠すことで、姉を守るだけではなく子供たちも守ったのではないでしょうか。

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    2024年04月19日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ネタバレ

    映画になると聞いて読んだが、全くヴェネツィアが出てこない…?名前だけ借りた別物かもしれない。
    マイケルの美男ぷりと所業の落差はすごい。ミランダが可愛いが、ほぼ元凶で驚いた。何も悪いことはしてないが。

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    2024年02月03日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ネタバレ

    ハロウィーン・パーティー
     ティーンエイジャーを集めたハロウィーン・パーティーと凄惨な殺人事件が対比になる作品。子供の無邪気さ、残酷さ愚かさを描き、また事件の真相がどこにあるのかを読者はポアロと一緒に辿る事になる。
     ジョイスというと少女が「殺人事件を見た事がある」と発言し、その後に殺害されてしまう。ポアロが調査を重ねていく中、どうやらジョイスの本質は誰かの気を惹きたい為に嘘を付く事があり、誰かが経験した事をさも自分が体験したかの様に語る事がある。という事実がわかる。
     嘘の本質が解れば今回の事件の概要が推測出来るが、僕自身は残念ながら最後まで気が付かなかった。物語の本筋を少し道をずらして読者を驚かす手法はクリスティの専売だが、今回は流石に気がつかなければならない(笑)(ミランダがジョイスに言ったことを、ミランダがパーティーに参加していない機会に然も自分が経験したかの様に語り、実際に作中でミランダの優先順位が高い理由がここにあった。)
    現在発生した殺人事件を起点に過去の4つ事件に遡る。舞台の地にスペンスが引退して住んでいる事を思い出し彼を訪ねる。ポアロは仲間にスペンスと彼の妹を巻き込み(当然、オリヴァ夫人は参加している)、過去の疑わしい事件、未解決事件を紐解いていく。そして、全く関係ない様に思われていたいくつかの事件が関連性を持っている事がわかり、事件は二転三転する。
     フィクションであるが、子供が殺害され、第二の殺人も子供(更に・・・)という事もあり、余り気持ちいい作品ではない。特に彼女達の母親と姉には同情してしまう。
     作中、神秘的な庭園と芸術家(造園師)が登場し、事件とのコントラストが巧みだ。ミランダが芸術家のマイケルと打ち解ける背景があるのだが少し情報を盛り込み過ぎと思う。この辺りはシンプルでも良かったと感じる。犯人の意外性という手でも、確かに意外ではあるが納得できてしまう範囲内だ。クリスティは衝撃的な結末をつける作品が沢山あるが今回は物語の本質に導かれるまま、真相究明、結末に至っている。
    今作はクリスティの晩年の作品という事で、ポアロシリーズではこの次が「象は忘れない」で最後が「カーテン」になるとの事だ。余り年代は気にしなかったが、意外に「象は忘れない」が実質シリーズ最後だという事は感慨深い(僕は結構早い時期にこの作品を読んだ)今作でも過去作品の回想が幾つか挟まっており、直近で読んだ作品の"その後"を知る事が出来て楽しい。(メドウバンク校が復活の兆しがある事が嬉しく思う)
    とにかく楽しむべき部分と邪悪な部分がバランスよく描かれている作品だ。少し情報量が多い事と、似通った名前が多い事(これはイギリス人でないから仕方がないだろうが)が読みづらさになってしまったが、それでも満足できるミステリーだ。

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    2023年12月02日
  • ハロウィーン・パーティ

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    推理作家のオリヴァ夫人を迎えたハロウィーン・パーティで、少女が突然、殺人の現場を目撃したことがあると言いだした。パーティの後、その少女はリンゴ食い競争用のバケツに首を突っこんで死んでいるのが発見された!童話的な世界で起こったおぞましい殺人の謎を追い、現実から過去へと遡るポアロの推理とは。

    映画化されるというのでこれは予習せねば!と読みました。新訳版が出ていたのに気づかなかった。小さな子供が犠牲になるのは悲しいんだけど、ある意味自業自得な面もあって余計にぐさっとくる。嘘つきや脅しは良くないですね。犯人は種明かしまで全然分からなかった。読み返すと伏線があってクリスティのすごさに毎回感動する。昔の事件と今の事件がつながるって面白い構造で、最近増えてますけど当時は少なかったんじゃないかな。
    ちなみに映画はあまりに違い過ぎて原作とは完全に別物と思った方がよいです。。。ホラーっぽいし舞台も登場人物も違いました。

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    2023年10月09日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ネタバレ

    ミセスオリヴァ
    p64マギンディ夫人
    りんごの水
    ディンドンベル子猫は井戸の中
    ギリシャ
    生け贄
    マクベス夫人とナルキッソス

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    2023年10月09日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ハロウィン・パーティの最中、少女が殺されるところから物語が始まる。その殺人の調査を探偵作家のオリヴァがポアロに依頼する。そしてその村の人々や過去の事件を探って真実を明らかにしていく。読み終わって、なるほのあれが伏線だったのかと楽しめた。

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    2023年09月19日
  • ハロウィーン・パーティ

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    今週末、「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」が上映されるそうなので原作を再読。犯人、覚えていなかった。わざわざ買い直したけど翻訳者は同じだったのがちょっと残念。ところどころ口調がポワロらしくなかったので、しっくりこなかった。クリスティ晩年の作品で、理屈っぽい描写が多いのは仕方ないにしても、登場人物すべてを生かしきれなかったような気もする。割と地味な作品なのに、なぜ映画化しようと思ったのか。それもイギリスの片田舎から舞台をベネチアに変えて。楽しみなようでもあり、不安でもあり。

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    2023年09月12日
  • 象は忘れない

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    ネタバレ

    クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。相棒はオリヴァ夫人。
     冒頭のオリヴァ夫人の葛藤はクリスティのそれを反映したものだろう。スピーチへの嫌悪感や分別の無いファンへの煩わしさというのはとても共感を持てる。売れっ子作家としての人生は本人達でなければ気づく事は出来ないが、様々な苦労があるのだろうと勘繰ってしまった。
     今作は作中でも触れられているが「五匹の子豚」と対をなしているイメージだ。過去に戻りながら事件の真相に辿り着くという一連は、どちらにも共通しているテーマだ。
     今回珍しく幾つかの作品に触れられており、上記作品と「マギンティ夫人は死んだ」、「ハロウィン・パーティ」についても簡単だが言及がされている。ネタバレ等はないが少しヒントが出ている為未読の人は注意が必要だ(五匹の子豚はだいぶ言及されている)
     結婚を控えた若い二人の男女。男の継母がオリヴァに近づき(オリヴァが女性の方の名付け親だった為)息子の相手の両親が拳銃で死んだ事件について根掘り葉掘り引き出そうとする。オリヴァは娘の母親と面識はあるが、当時、オリヴァが海外にいた為、事件の真相はわからず、更には警察などでも詳しい内容の究明がされないまま、自殺という事で決着した。オリヴァはなんとか継母から逃げ仰せたが該当事件の真相が気になりポアロに相談する。
     クリスティ作品でありがちな全く事件に関係無さそうな手掛かり(夫人の四つのかつら。かつらを四つ持っているのは違和感。飼っていた犬が夫人に噛み付いた事。愛犬は警察よりも賢いというポアロの皮肉が印象的)を皮切りに、警察に保管されている当時の資料や当時事件に関わった人達への聞き込み等(オリヴァ夫人も活躍!!)を繋ぎ合わせ、ポアロが悲しい事件の真相に辿り着く。
     クリスティ作品は古典にあたり、現代と表現や感覚、考え方が難しい部分がある。今回、事件の真相には一卵性双子の入れ替えが関わるが、彼女達の遺伝的な考え方や過去の殺人についての姉への処遇等について、理解が難しい部分が多い。
     一方で、若き娘シリヤの両親や家庭教師ゼリーが家族愛に溢れ、全てが報われないドロシアへの愛故の行動である事は、シリヤへの救いであり、シリヤの相手であるデズモンドの継母の怪しげな行動についてもデズモンドの実母から多額の遺産が入り、それが原因であるという事も作中では真実として知る事ができ、読者としては物語通して納得のいく物語だった。
     クリスティ作品は意外にコッテリした味付けが多く、最後真相究明後、家庭教師とポアロがその場に留まって会話をしていたため、残りページは全くないながらももう一つ変化があるのかと期待してしまった。悪い癖だ(笑)出来栄えは「五匹の子豚」に軍配が上がると思うが二作連作で読むとそれぞれ何倍にも面白さが膨らむ様に思う。
     「象は忘れない」の諺は教訓になるだろうが、知らない人から見れば「サファリに象狩りに・・・」となるのだろう(笑)

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    2023年08月23日
  • 象は忘れない

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    「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『象は忘れない(原題:Elephants Can Remember)』を読みました。

    『鳩のなかの猫』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。

    -----story-------------
    推理作家「ミセス・オリヴァ」が名づけ親になった「シリヤ」の結婚のことで、彼女は先方の母親から奇妙な謎を押しつけられた。
    十数年前の「シリヤ」の両親の心中事件では、男が先に女を撃ったのか、あるいはその逆だったのか?
    「オリヴァ」から相談を受けた「ポアロ」は“象のように”記憶力のよい人々を訪れて、過去の真相を探る。
    -----------------------

    1972年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第32作目の作品、、、

    『カーテン』が「エルキュール・ポアロ」最後の作品ですが、『カーテン』は1943年に執筆された作品なので、実質上(執筆順)では本作が「ポアロ」最後の作品となります。

    『象は忘れない』という題名は、英語の諺「An elephant never forgets.:象は(恨みを)忘れない(そして必ず報復する)」に由来しているそうです。

     ■1. 文学者昼食会
     ■2. 象に関する最初の言及
     第一部 象
     ■3. アリスおばさんの手引き
     ■4. シリヤ
     ■5. 過去の罪は長い影をひく
     ■6. 旧友の回想
     ■7. ふたたび子供部屋に
     ■8. ミセズ・オリヴァの話
     ■9. 象探しの成果
     ■10. デズモンド
     第二部 長い影
     ■11. ギャロウェイ警視とポアロ覚え書を検討する
     ■12. シリヤ,エルキュール・ポアロに会う
     ■13. ミセズ・バートン=コックス
     ■14. ウィロビー医師
     ■15. ヘア・スタイリスト・ビューティシャン,ユージン・アンド・ローズンテル
     ■16. ミスタ・ゴビーの報告
     ■17. ポアロ出発を告げる
     ■18. 間奏曲
     ■19. マディとゼリー
     ■20. 審問廷

    十数年前に起きた心中事件の真相と、心中事件の真相を調べるため「オリヴァ婦人」に近づいた「ミセズ・バートン=コックス」の目的を、「エルキュール・ポアロ」が「オリヴァ婦人」を巧く使いながら、見事に解決する物語、、、

    ちょっともどかしい序盤の展開と、縺れて絡み合った糸がスッキリ解けるような中盤から終盤にかけての展開が、「アガサ・クリスティ」らしい作品でしたね。


    心中したとされる「シリヤ・レイヴンズクロフト」の父親「アリステア」と母親「マーガレット」には、自殺すべき動機が見当たらない… 過去の関係者から聞き取りを進めるうち、当時、「マーガレット」の一卵性双生児の姉「ドロシア」が同居しており、心中の数日前に事故死していることが判明、、、

    「ドロシア」に精神的な疾患があったことや、「マーガレット」との結婚前、「アリステア」と「ドロシア」が恋愛関係にあったことが判明… 「ポアロ」は、様々な証言から真相を推理し、真実に行き着きます。


    一卵性双生児だった「マーガレット」と「ドロシア」の容姿が酷似していたことや、「ドロシア」の過去の奇行、「マーガレット」のカツラが4つも残っていたこと等が、大きなポイントになっていましたね。


    「アリステア」も「マーガレット」も、「ドロシア」を愛していたことから起こった事件、、、

    ちょっと哀しい結末でした。


    ちなみに、、、

    「オリヴァ婦人」って、どこかで見た名前だなぁ… と思っていたら、何作か「ポアロ」と共演しているらしく、そのうち、『死者のあやまち』と『ハロウィーン・パーティ』は既読でしたね。

    どうも、「アガサ・クリスティ」本人がモデルみたいです。





    以下、主な登場人物です。

    「アリアドニ・オリヴァ」
     ポアロとは旧知の女流推理作家

    「ミス・リヴィングストン」
     オリヴァの秘書

    「ミセズ・バートン=コックス」
     未亡人

    「デズモンド」
     バートンの養子

    「シリヤ・レイヴンズクロフト」
     オリヴァの名付け子

    「アリステア・レイヴンズクロフト」
     シリヤの父

    「マーガレット・レイヴンズクロフト」
     シリヤの母

    「ドロシア・ジャロー」
     シリヤの伯母

    「マディ・ルーセル」
     シリヤの家庭教師

    「ゼリー・モーウラ」
     シリヤの家庭教師

    「ジュリア・カーステアズ」
     オリヴァの友人

    「ミセズ・マッチャム」
     オリヴァの友人

    「ミセズ・マーリーン」
     オリヴァの友人

    「ウィロビー」
     医師

    「ミセズ・ローズンテル」
     美容院

    「ミスタ・ゴビー」
     情報屋

    「ギャロウェイ」
     元警視

    「スペンス」
     ポアロとは旧知の元警視

    「エルキュール・ポアロ」
     私立探偵

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    2022年07月22日
  • ベツレヘムの星

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    ミステリーの女王として日本でも有名な作家による「クリスマスブック」。聖書の物語をベースにしつつミステリーを得意とする作家らしい”ひねり”があって、とても面白かった。また、日本の作家によるクリスマス話でよく見られるキリスト教徒を貶したり笑い物にしたりするような不快な描写もないし、サンタクロース関連の話が一切ないのも良い。

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    2021年12月30日
  • ベツレヘムの星

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    ミステリと思う勿れ笑

    季節に応じた作品に触れようの回。(今夏は横溝正史の『獄門島』)
    オリエント急行もポワロ・シリーズも未だ手付かずなのに、いきなりソフトな面からお邪魔する。あとがきにも書いてあるけど心理描写が巧み。「何?どうなる⁉︎」とビクビクじゃなくてワクワクした気持ちで各話の続きが気になっていた。

    彼女が料理したクリスマス・ストーリーズはどれも不思議な構成だった。短編集ではあるけれど「信仰」をキーワードに各話が一本の糸で繋がっている。(自分にとって短編は変わらずとっつきにくいものだけど、そう考えたら個々の話として楽しめた) 彼女の代表作もこのスタイルで展開していくのかな。『クリスマス・キャロル』みたいなストーリーブック調にも見受けられるけど、聖書の知識を蓄えるのもさる事ながら大人になって再読するとまた違った味わいになってくると思う。

    第1章は彼女なりにアレンジした聖誕劇だけど、とにかくルシファーの登場シーン(聖誕劇で⁉︎と思うだろう…)が一番度肝を抜かれた、を飛び越して笑いでつんのめった。東方の三博士が”VIP”と呼ばれていたのも。(間違ってはいない笑)

    『いと高き昇進』もお気に入り。聖者達の行進で幕を開ける衝撃のイントロ。14人の聖人(ペトロ以外知らない人達。翻訳者さんですらご存知ない人もいる汗)が静物として崇拝される運命から解放されてそれぞれの形で現代を生きるところが何だか清々しい。(「解放された」って解釈で合っているのかは疑問だけど…)

    彼女がどれほどの信仰心を持たれていたかは知らないけれど、普段「目に見えざるもの」への感謝を忘れがちな人が読んでも説教っぽくは聞こえないだろうし、クリスマスを機に思い出させてくれる仕掛けになっているのかね。

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    2021年12月19日
  • ベツレヘムの星

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    ネタバレ

    クリスティーのクリスマス。

    聖書の話を知っていると、あのことか、と気が付く。さすがクリスティーというべきか、やってきた天使(を騙る者)は何者か、このロバはどんなロバか、など正体が最後にわかる作品の楽しさ。聖人たちの会話も楽しく、もしかして町の中にいたりして、と思わせる。

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    2021年07月22日
  • ベツレヘムの星

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     クリスティーはミステリ作家以前に、作家としての筆力が尋常ではない。
     本書はノン・ミステリ。表題作はミステリ寄り。
     クリスマスブックとあるが、ディケンズ「クリスマス・キャロル」辺りから始まった伝統だろうか。

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    2021年06月08日
  • 死者との結婚

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    あぁまた一気してしまった。ウィリアムアイリッシュはサスペンス小説の巨匠なのだが、私は最も好きな恋愛小説家は誰かと問われればアイリッシュと答える。彼の描く男女はいつも甘く切ない青春ど真ん中なのだ。そういう面で一番は暁の死線。幻の女も言うまでもない。殺人現場というドキドキのシチュエーション、揺れる心理、言えない秘密、逃げるふたり、それらは恋愛を引き起こすきっかけでしかない。まだ読んでなかった『死者との結婚』を読む。ニューヨーク行きの列車に一人乗った身重の貧しいヘレンは博打打ちの夫に捨てられ今後の不安に打ちひしがれていた。彼女にヒューとパトリスという婚約中の裕福なカップルが優しく声をかけてくれる。しかし列車転覆の大事故。ヘレンは病院のベッドで目を覚ました。そこから彼女の運命は一変する。アイリッシュは本当に魅力的な女性を描く。少し残念なのはラストで話をループさせたこと、そんな小細工はいらない。恋するふたりはすべてを投げ打ってでも運命を打ち破り明日への希望へ向かわねばいけないものなのだから。

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    2020年11月22日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ミステリーというとトリックや犯人探しのための本と思いがちだが、これは文学だったのだとわからせてくれる本。

    冒頭の、ハロウィンパーティーの準備中の良くも悪くもぼんやりとした、穏やかではあるがつまらなくもある時間をそのまま描いている描写はアガサクリスティーの文才が如実に現れていた。
    また、ポアロの友人である探偵小説家のオリヴァのキャラクターが愉快なのはもちろん、オリヴァの友人の娘であるミランダが非常に愛らしく、それだけに終盤の展開には焦燥感があって充実していた。

    文学であり、小説であって、トリックや犯人にも気を配られた素敵なミステリー小説だ。 

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    2020年11月08日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ハロウィンパーティdw殺された少女
    殺人を見たことある と言ったのがきっかけで殺されてしまう

    数年前の資料をも辿った結果、犯人が明らかになる
    犯人誰!?と思いながら読み進めていくのが楽しかった
    死人は若い女の子と男の子の2人

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    2020年08月10日