中村能三のレビュー一覧

  • ホロー荘の殺人
    再読。初めて読んだ時は印象が薄かった。恐らくポワロの活躍が少なくて推理らしい推理が見られなかったから。しかし、再読すると、ミステリーの要素よりも人物描写の素晴らしさが際立って思えた。愛には色々な形があり、そのどれもが理解できるからすごい。
  • ベツレヘムの星
    ミステリーでないアガサ・クリスティー。全編、クリスマス、キリストに関わる話と詩。感動的だったり、ほんわかっと暖かかったり、クスっと面白かったり、SFみたいだったり、ちょっと辛口だったり、様々な小さなお話と詩が集まる短編集。薄手の本だったので、一晩で読めたが、なかなか面白かった。ちょっと星新一っぽくも...続きを読む
  • ホロー荘の殺人
    誰も自分自身がとても大切にしている人について気づきにくいものであり、大切にしているからこそ何においても守りたい。願いを叶えたいのだと思いました。
    推理する作品というよりは、一人ひとりの足跡や思惑を辿って、一つ一つ前へ進んでいくための作品であると感じています。

    作品関係ないのですが、自分の中で一番び...続きを読む
  • 忘られぬ死
    無駄があるわけじゃないけど長かったなぁ。
    もう少しコンパクトに出来るはず。

    でも、ストーリーはなかなかでした。
    ただの怪しい男が実はスパイだとは、すでにスパイを仕事としている人が出ているだけに、気がつかなかったなぁ。

    物話語りはスパイが活躍するのではなく、美しい姉妹を取り巻く殺人事件で恋やら金や...続きを読む
  • ホロー荘の殺人
    クリスティ人情物。とでもいいましょうか。人物描写がとても豊かで、入りはすごくいいかんじ。
    本格系というわけではないので、それを期待しちゃうと途中ダレているように感じるかも。
    愛とか崇拝とか割りきりれないあれこれ。
  • ホロー荘の殺人
    序盤の人物描写がだるいと思ったが、
    でもこれが後々の展開に利いてくる。

    ポアロの活躍度は低くミステリという感じは薄い。
    事件関係者の心情・描写に力を割いたように見える。
    それをどう受け取るかは読んだ人によると思うが、
    私は割と満足した。
  • 運命の裏木戸
    トミーとタペンスはいくつになってもトミーとタペンス。
    変わらない二人の会話がとても素敵ですごく好き。

    ストーリーは…なんだかいつの間にか終わったって感じ。途中の伏線(だったのかな)も
    回収されてないような。クリスティ婆ちゃん、途中で飽きちゃったのかな(笑)?

    でも解説にあるように、齢八十を越えて...続きを読む
  • ホロー荘の殺人
    女性を描くことが得意なクリスティの作品の中でも、これは心理描写が特に素晴らしと感じた。
    まったく違ったタイプの女性が、不自然なところなく書きわけられている。
    特にガータのような性格の女性。この人物像は秀逸(リアリティがすごい)

    ただ、被害者のジョンが、女性から大変モテているようだけれど、その魅力が...続きを読む
  • 象は忘れない
    久々にアガサ・クリスティー。
    夏の暑さを忘れるミステリーを急に読みたくなっただけだが
    そういえば小説の舞台はオリンピックに湧くロンドン。
    流れに乗っていた。

    1970年代になりポアロはずいぶん年を取ったが
    灰色の脳細胞は衰え知らず。
    ミセス・オリヴァもでてきて変わらぬ様子が嬉しい。

    昔起きた夫婦...続きを読む
  • 運命の裏木戸
    ついに、トミーとタペンスのシリーズ読み終わった!
    今回は私の好きなスパイもので面白かったし、年寄りだと感じさせないトミーとタペンスはその会話も絡みも読んでいて楽しかった。
    またフランクフルトへの乗客と若干リンクしていて、その登場人物が出てきていたりと楽しめたし、気づいたときに感動して少し興奮してし...続きを読む
  • 忘られぬ死
    これも、榛野なな恵さんによってマンガ化されたのを読んだので原作も。マンガも読んでいたのに、謎解きが頭に入っていなかった。謎解きよりも、登場人物たちのロマンスとか人間関係を興味深く読んだような。んー、やっぱりわたしは謎解きには興味ないのかもしれない。あと、あくまでもわたしの場合だけど、どうしてもクリス...続きを読む
  • ホロー荘の殺人
    映画化と聞いて、では観に行く前に読んでみましょう、久し振りのクリスティ作品だなあと、しみじみしながら手に取ったところ…

    何で今まで読まずに放っておいたの私、と後悔することしきり、です。

    久し振りのポワロさん、ちょっと出番が少ないのが残念なのですが、相変わらず、というよりお変わりなくて嬉しいです。...続きを読む
  • ベツレヘムの星
    タイトルに惹かれて手に取りました。ミステリーで有名な方ですが、きちんとアガサを読んだのは、この作品が初めて。イエス・キリストと聖書について、かなり深い洞察の上に書かれていると思いました。日常的に聖書を読んでいるクリスチャンの私には、とても楽しめたし、信仰理解がより深まった気がします。クリスマスプレゼ...続きを読む
  • 忘られぬ死
    忘られぬ死読んだ。「すばらしいショーだったよ」。いやー殺人が起きるまでが長すぎて、ミステリ読んでるよりは単なる愛憎小説読んでる気分でしたが、それでもおもしろかった。マール姉妹の関係をうがってみるだけでご飯三杯はいける。美しいことはいいことです
  • ホロー荘の殺人
    初めは、登場人物達が個人的にあまり好きなタイプの人間では
    なかったためなかなか読み進まなかったのだが、
    中盤あたりから展開がぐっと面白くなり、ラスト近くは息もつかずに
    一気に読み進めてしまった。

    「夫婦や恋人達二人の間には、他人の目に映る二人の姿、
    他者が想像する二人の関係とはまた違う真実が横たわ...続きを読む
  • 運命の裏木戸
    これでトミー&タペンスものがお終いだと思うと寂しいなぁ。でも噂話が山ほど出てきて、ひとの名前いっぱいでワケわかんなかった。(2008-05-17L)
  • 運命の裏木戸
    初登場時若かったトミー&タペンス。今作運命の裏木戸では二人とも75歳近くになっている。それでも持ち前の好奇心や探偵力は衰えていない。これがアガサ・クリスティ最後の作品だと思うと感慨深い。
  • 象は忘れない
    「五匹の子豚」のような過去の真相を探る系ストーリーだが、五匹の子豚ほど容疑者がいないので犯人ダービーの盛り上がりはイマイチ。また、双子が出てきた時点で真相はある程度察してしまう。事件の前段階でもう少し何とか出来たのでは?という感想になる。
  • ベツレヘムの星
    ノンシリーズ。

    「クリスマスにはクリスティーを! 」
    (このコピー考えた人、天才!)
    ということで、本書はミステリではなく、聖書を題材にとったショートストーリー&ポエム、11編が収録されている、クリスマスブックでございます。

    聖書がベースとなっているので、全体的にキリスト教要素が強く、聖書の知識...続きを読む
  • 象は忘れない
    再読。
    クイーンの「フォックス家の殺人」を読みながら、これクリスティなら「象は忘れない」か「五匹の子豚」ってところだよなって思ってた。
    で、読み直してみた。オーソドックスだよね、今からみればさ。でもやっぱり品があって好きな作品だ。「五匹の子豚」も読まなくちゃだな。