中村能三のレビュー一覧

  • ホロー荘の殺人

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    週末にホロー荘に集まる親族たち。それぞれが胸に秘めた(秘めてない人も多い)想いが交錯する中、殺人が起こる。その場に居合わせたポアロは、その現場がなぜか作り物のように感じたが……。
    メロドラマ風なんだけど、それで終わらせない→

    きちんとミステリーしてるんだよな。これだからクリスティはやめられない(笑)モヤモヤした関係がスルスル解けていく瞬間がたまらない。
    ヘンリエッタ好き。あとルーシーと彼女を見守るヘンリーも。クリスティが描く頭のいい女性、好きだなー。


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    2022年08月22日
  • 象は忘れない

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    「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『象は忘れない(原題:Elephants Can Remember)』を読みました。

    『鳩のなかの猫』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。

    -----story-------------
    推理作家「ミセス・オリヴァ」が名づけ親になった「シリヤ」の結婚のことで、彼女は先方の母親から奇妙な謎を押しつけられた。
    十数年前の「シリヤ」の両親の心中事件では、男が先に女を撃ったのか、あるいはその逆だったのか?
    「オリヴァ」から相談を受けた「ポアロ」は“象のように”記憶力のよい人々を訪れて、過去の真相を探る。
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    2022年07月22日
  • 忘られぬ死

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    ネタバレ

    クリスティーの中期ノンシリーズ。
    ミステリというより、どちらかというとロマンスメイン。

    最後が少し駆け足気味で、途中、散々含みを持たせたセリフとかは放置。もうちょっと解決編が長くても良かったのかなと。
    意外な犯人ではあったけど。。。
    うーん、読者が置いていかれる意外性というか、騙された!とはならない。

    あと、題名が間違いやすい笑
    「わすれられぬし」じゃなくて「わすられぬし」なのね。

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    2022年01月22日
  • ベツレヘムの星

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    ミステリーの女王として日本でも有名な作家による「クリスマスブック」。聖書の物語をベースにしつつミステリーを得意とする作家らしい”ひねり”があって、とても面白かった。また、日本の作家によるクリスマス話でよく見られるキリスト教徒を貶したり笑い物にしたりするような不快な描写もないし、サンタクロース関連の話が一切ないのも良い。

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    2021年12月30日
  • ベツレヘムの星

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    ミステリと思う勿れ笑

    季節に応じた作品に触れようの回。(今夏は横溝正史の『獄門島』)
    オリエント急行もポワロ・シリーズも未だ手付かずなのに、いきなりソフトな面からお邪魔する。あとがきにも書いてあるけど心理描写が巧み。「何?どうなる⁉︎」とビクビクじゃなくてワクワクした気持ちで各話の続きが気になっていた。

    彼女が料理したクリスマス・ストーリーズはどれも不思議な構成だった。短編集ではあるけれど「信仰」をキーワードに各話が一本の糸で繋がっている。(自分にとって短編は変わらずとっつきにくいものだけど、そう考えたら個々の話として楽しめた) 彼女の代表作もこのスタイルで展開していくのかな。『クリスマス

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    2021年12月19日
  • 忘られぬ死

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    ネタバレ

    ちょい役が黒幕(この悲劇は誰の責任かと言うとこの黒幕の母親=愚鈍なのに割とちゃっかりしていて息子を甘やかし放題で極悪人にした被害者の伯母に負う所大だと思う)で、従犯者の叙述はアクロイド殺しと違ってアンフェアでは…また如才なく世の中をよく知っている女性が、いくら魅力を感じたにしても初めて会った悪人の話にころっと乗るのは現実味がない気がする。
    ただし一人ひとりの登場人物の書き込みが丁寧にされていて読み応えがあり面白かった。ファラデー夫妻の顛末は結局筋と関係なかったけれど結構感動した。でも途中でアレクサンドラが「あの時それを知っていれば、今はもう手遅れ」と言っていたのは、小説の半ばごろでいきなり犯行

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    2021年11月27日
  • ベツレヘムの星

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    ネタバレ

    クリスティーのクリスマス。

    聖書の話を知っていると、あのことか、と気が付く。さすがクリスティーというべきか、やってきた天使(を騙る者)は何者か、このロバはどんなロバか、など正体が最後にわかる作品の楽しさ。聖人たちの会話も楽しく、もしかして町の中にいたりして、と思わせる。

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    2021年07月22日
  • ホロー荘の殺人

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    ポアロ
    面白かった。人間関係のドラマを楽しむタイプの作品。「アガサクリスティー完全攻略」p98によれば『後年クリスティーは、「ポアロを出したのは失敗」と述懐していた』そうだが、たしかにポアロがいなくてよいように感じた。事件の真相は心が苦しくなるようなものであったが、幸せになって欲しいなあと思う登場人物が幸せになれそうなところが救い。

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    2021年07月06日
  • ベツレヘムの星

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     クリスティーはミステリ作家以前に、作家としての筆力が尋常ではない。
     本書はノン・ミステリ。表題作はミステリ寄り。
     クリスマスブックとあるが、ディケンズ「クリスマス・キャロル」辺りから始まった伝統だろうか。

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    2021年06月08日
  • 死者との結婚

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    あぁまた一気してしまった。ウィリアムアイリッシュはサスペンス小説の巨匠なのだが、私は最も好きな恋愛小説家は誰かと問われればアイリッシュと答える。彼の描く男女はいつも甘く切ない青春ど真ん中なのだ。そういう面で一番は暁の死線。幻の女も言うまでもない。殺人現場というドキドキのシチュエーション、揺れる心理、言えない秘密、逃げるふたり、それらは恋愛を引き起こすきっかけでしかない。まだ読んでなかった『死者との結婚』を読む。ニューヨーク行きの列車に一人乗った身重の貧しいヘレンは博打打ちの夫に捨てられ今後の不安に打ちひしがれていた。彼女にヒューとパトリスという婚約中の裕福なカップルが優しく声をかけてくれる。し

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    2020年11月22日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ミステリーというとトリックや犯人探しのための本と思いがちだが、これは文学だったのだとわからせてくれる本。

    冒頭の、ハロウィンパーティーの準備中の良くも悪くもぼんやりとした、穏やかではあるがつまらなくもある時間をそのまま描いている描写はアガサクリスティーの文才が如実に現れていた。
    また、ポアロの友人である探偵小説家のオリヴァのキャラクターが愉快なのはもちろん、オリヴァの友人の娘であるミランダが非常に愛らしく、それだけに終盤の展開には焦燥感があって充実していた。

    文学であり、小説であって、トリックや犯人にも気を配られた素敵なミステリー小説だ。 

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    2020年11月08日
  • ホロー荘の殺人

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    アガクリのポアロシリーズ
    犯人が気になって気になって、予測しながら読むのが楽しい
    恋沙汰も含まれた内容だった
    犯人は意外といえば意外、当然といえば当然だった

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    2020年09月01日
  • ハロウィーン・パーティ

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    ハロウィンパーティdw殺された少女
    殺人を見たことある と言ったのがきっかけで殺されてしまう

    数年前の資料をも辿った結果、犯人が明らかになる
    犯人誰!?と思いながら読み進めていくのが楽しかった
    死人は若い女の子と男の子の2人

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    2020年08月10日
  • ハロウィーン・パーティ

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    先に『像は忘れない』を読んでしまっていたのは後悔。めっちゃネタバレしてた。
    庭園の情景を描いたシーンはなかなか良くて、クリスティが庭園に興味を持っていたことを解説で知り納得。

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    2020年06月02日
  • ハロウィーン・パーティ

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     結論だけ書くと「やっぱりクリスティーは巧かった」これに尽きると思います。

    解説によるとクリスティー晩年の作品ということで、確かに派手なトリックや展開もなく、ポアロがひたすらに関係者の証言を集めていく、という地味な展開が続きます。

     ただ地味な証言集めが続く一方で、幻想的というか、ポアロが美しい庭園に足を踏み入れる場面があり、そこがなかなか面白かった。その庭で出会う女の子は、キャラが濃くてこの作品でしか見られないのが、もったいないくらいです。

     さて、なぜ自分がこの作品で巧さを感じたかというと、遺言状をめぐる展開もそうなのですが、犯人の動機の描き方が、なによりも巧い!

     動機としてはか

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    2019年10月06日
  • ベツレヘムの星

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    ミステリーでないアガサ・クリスティー。全編、クリスマス、キリストに関わる話と詩。感動的だったり、ほんわかっと暖かかったり、クスっと面白かったり、SFみたいだったり、ちょっと辛口だったり、様々な小さなお話と詩が集まる短編集。薄手の本だったので、一晩で読めたが、なかなか面白かった。ちょっと星新一っぽくも感じた。

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    2017年12月27日
  • 忘られぬ死

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    無駄があるわけじゃないけど長かったなぁ。
    もう少しコンパクトに出来るはず。

    でも、ストーリーはなかなかでした。
    ただの怪しい男が実はスパイだとは、すでにスパイを仕事としている人が出ているだけに、気がつかなかったなぁ。

    物話語りはスパイが活躍するのではなく、美しい姉妹を取り巻く殺人事件で恋やら金やらそんな物が背景にあるだけだけどね。

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    2015年08月04日
  • 運命の裏木戸

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    トミーとタペンスはいくつになってもトミーとタペンス。
    変わらない二人の会話がとても素敵ですごく好き。

    ストーリーは…なんだかいつの間にか終わったって感じ。途中の伏線(だったのかな)も
    回収されてないような。クリスティ婆ちゃん、途中で飽きちゃったのかな(笑)?

    でも解説にあるように、齢八十を越えてこれだけ楽しい二人を描けることは、
    やっぱりすごいことだなーと思う。
    トミーとタペンスも、その年齢を感じさせない若々しさだし。

    こんな風に歳をとりたいものだ。

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    2013年07月25日
  • 象は忘れない

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    久々にアガサ・クリスティー。
    夏の暑さを忘れるミステリーを急に読みたくなっただけだが
    そういえば小説の舞台はオリンピックに湧くロンドン。
    流れに乗っていた。

    1970年代になりポアロはずいぶん年を取ったが
    灰色の脳細胞は衰え知らず。
    ミセス・オリヴァもでてきて変わらぬ様子が嬉しい。

    昔起きた夫婦の銃殺遺体が見つかった事件。
    今になって暴かれる死の真相は?
    結末も満足のいくものであった。

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    2012年07月27日
  • 運命の裏木戸

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    ネタバレ

    ついに、トミーとタペンスのシリーズ読み終わった!
    今回は私の好きなスパイもので面白かったし、年寄りだと感じさせないトミーとタペンスはその会話も絡みも読んでいて楽しかった。
    またフランクフルトへの乗客と若干リンクしていて、その登場人物が出てきていたりと楽しめたし、気づいたときに感動して少し興奮してしまった。
    でも、だんだんと繋がりがごちゃごちゃになってしまったので、もう一度、こんどはゆっくり読み返したい。

    トミーとタペンスのシリーズが4作しかないなんて、すごく残念だと思う。

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    2011年10月23日