飯嶋和一のレビュー一覧

  • 出星前夜

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    島原の乱のお話

    以下、公式のあらすじ
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    寛永14年(1637)、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)は、一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医師を追放。これに抗議して少年ら数十名が村外れの教会堂跡に立てこもった。
    折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを少年らの仕業と決めつけ討伐に向かうが、逆に少年らの銃撃に遭って九人が死亡、四人が重傷を負った。
    松倉家入封以来20年、いっさいの抵抗をしてこなかった旧キリシタンの土地で起こった、それは初めての武装蜂起だった

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    2024年09月02日
  • 始祖鳥記

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    既に評判になっている作品で、読んだ方も多いのではないかと思いますが…。
    とにかくもの凄く広がりのある作品で、いろんなことを感じ、気づき、知ることができる読んでいて没頭する物語でした。実在した人物を軸に、あの時代の圧倒的多数の一般市民の思いも疑似体験できます。

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    2024年05月29日
  • 出星前夜

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    島原の乱について書かれた本。
    何年か前に島原の乱はカトリックから殉教と認められてないという話を聞いて、実際のところは何が起こっていたのか知りたいと思っててこの本に出会いました。

    長崎方面の土地勘がなく地名を聞いてもよくわからず、昔の日本あるあるで似た名前の人たちに苦しめられながら読み進めた前半でしたが、あまりにも酷い当時の状況に心が痛みました。不都合な真実にはキリシタンというレッテルを貼って処罰する圧政を敷かれ、生きることに希望を見出せず乱を起こすしかなかったのはあまりにも悲し過ぎました。
    乱後の後半の流れは一つ一つの戦況の説明が詳細すぎるのと最後の結末は知っているためか読み進めるのか辛かっ

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    2023年05月10日
  • 星夜航行(下)(新潮文庫)

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    難しかったけど、読み終えてよかった。
    秀吉の 朝鮮出兵の 中身
    鎖国前の 外国との関わり
    勉強になった

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    2023年01月18日
  • 黄金旅風

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    「飯嶋和一にハズレなし」ーこのキャッチだいすき。正にその通り。面白いのはわかっているが、寡作なので、あえて取っておいて何年かに一回一作毎読んでる。
    骨太、ダイナミックな歴史小説であり、魅力的でカッコ良過ぎる男たちが登場し(あっさり退場しちゃうのは歴史に沿ってるから?)、長崎の街、風景も魅力的に描かれている(長崎旅行に行きたくなった)。「出星前夜」も好きだがこちらも良い。

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    2022年05月29日
  • 星夜航行(上)(新潮文庫)

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    この本は凄い。かなり長編なので、途中で何度か、別の小説を読みたい誘惑にかられたけど、結局最後まで読んでしまった。

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    2022年04月11日
  • 黄金旅風

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    私自身がこれまで読んできた時代小説とは一味違う小説だった。戦国時代や江戸の人情もの、幕末、と言った小説とは違い、鎖国前の長崎の短い一時代を描いた小説。
    どの程度、史実に基づいているのかは、知識がないので分からないのだが、この時代に、これだけ広い視野と高い視座を持ち、正義感に溢れた人がいたのか、と熱い気持ちになるストーリーだった。

    ただ、読み終わってのこの読後感(満足感)と矛盾するようなのだが、読むのにけっこう時間がかかってしまった。自分の歴史の知識が無さすぎることも一因なのだが、
    漢字(にカナのルビ)の地名を現在のどこのあたりなのか変換するのに、一瞬頭の中でタイムラグがあったり、各国の事情・

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    2021年12月24日
  • 始祖鳥記

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    ただ飛びたかった、それだけだったというのに、この影響力!
    市中は沸き立ち、さらには遠く行徳の伊兵衛や幼馴染だった源太郎たちの心までも揺さぶる。
    思い切ったことをやる人がいるというのは、それだけで力になる。
    同時に、そういう右へ倣えでない人たちの話は、読み手としても魅力的。

    特に印象に残ったのが、卯之助や杢平たちも含め、それぞれが磨いてきた技術やものごとへのこだわり。
    できることならドキュメンタリー番組にでもしてもらいたい。

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    2021年09月20日
  • 出星前夜

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    島原の乱を題材にした700P超の大作。主人公は天草四郎…ではなく、この時代に生きた人々。自らの運命に苦しむ者、自らの矜持に殉じる者、強かに立ち回る者などを時に熱く、時に冷静に描く歴史ロマン!題名の意味が最後の最後に分かる感動!面白かったー!

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    2021年08月29日
  • 狗賓童子の島

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    ネタバレ

    西村常太郎、庄屋の西村履三郎の息子。
    時代はペリーが浦賀に来航した頃。

    物が乏しいことと貧しいこととは、同じではない。
    結局人に恵まれるだけの資質を持つ人間かどうか、確かめていたのはそれだけのことだ。
    文字の無いお初の世界では、伝説や伝承が現実のものとして、ずっと生気を帯びているようだった。
    飯嶋和一の文章、表現にはいつも惹きつけられる。
    「稲が起きました」これだけでも感動してしまった。

    牛痘種痘による疱瘡の予防に成功。

    コレラが外国船から日本にもたらされる。
    立ち向かう常太郎と妻のお幾。

    長編ですがオススメの一冊です。

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    2021年01月23日
  • 出星前夜

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    ネタバレ

    凄い。圧倒される。

    棄教したとはいえ、受け継がれてきたキリストの教えを忠実に守ることによってその苛政に耐えてきた農民たち。
    そんな農民たちを踏みにじるように搾取し続ける松倉家の武士たち。

    幼い子どもたちの原因不明の流行り病がきっかけとなり農民と武士との均衡は一気に崩れる。

    追い込まれた人間たちが確固たる信念とともに覚悟を決めたとき、大きなエネルギーとなって歴史の転換点を生み出す。

    そのエネルギーの強さに圧倒され、呆然としながらもページをめくる手が止まらない。

    久しぶりに歴史小説の醍醐味を味わった。

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    2019年12月31日
  • 始祖鳥記

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    内容はまさに作品紹介のとおり。
    時代小説特有の用語がイメージしづらい部分もあるので、時代背景は押さえたところで読みたい。

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    2019年06月05日
  • 出星前夜

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    「一万円選書」で送られてきましたシリーズ。
    なんの予備知識もなく、つまり時代小説だということも知らずにいきなり読み始めたので、ある意味新鮮な読書体験でした(笑)
    島原の乱については学校の教科書以上の知識はなかったので、最後まで興味深く拝読しました。
    長い小説が好きなので、面白かったです。

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    2019年05月14日
  • 神無き月十番目の夜

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    時は、慶長七年。
    所は、常陸国小生瀬。
    村人三百五十人余が忽然と姿を消した。
    幕府による年貢増加と百姓による対立。
    ここまで、根深いのかと愕然とした。
    無いものは出せないでは済まされない。
    それを、ただただ、受け入れるしかなかった時代に恐ろしさを感じた。

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    2018年09月12日
  • 出星前夜

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    世に言う島原の乱の話。
    学校では、島原のキリシタンが蜂起をして幕府軍と戦った、ぐらいにしか習わないがじつはそんな単純な理由ではなく根深いものとして描いている。
    前半は無能な藩主の圧政に苦しめられるもそれに耐え忍ぶ村人たちの生活を描く。そしてそんな大人たちに対しての歯痒さから島原の乱に繋がる火種を起こす少年たち。
    後半は島原の乱の顛末。戦いのくだりが長く読み飛ばす場面もけっこうある。最後は蜂起が鎮圧と言うか皆殺しにされ救いがないように思えるが、島原の乱の火種を起こした少年があることから医者となり人の命を救うことに生涯をかけることになるのがこの小説での光だと思う。

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    2017年02月28日
  • 出星前夜

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    農民たちの苦労が延々と語られるを読むのに疲れる。本書を読むと、島原の乱の最大の原因は、信仰の迫害というより為政者の無能だという印象を受ける。本書に記載されている松倉家の為政はそれほどひどい。しかし、社会構造の中で、自分もこの松倉家のように、弱者を搾取する側に回ってしまっているかもしれない。そんなことを考えさせられる。

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    2017年01月05日
  • 神無き月十番目の夜

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    ページ数の割に中身が濃く、読み応え十分、というより前半は読み進めるのに一苦労。悲劇に突き進む後半は一気読み。重く、切なく、やり切れない読後感。藤九郎の最期のメッセージが心に残る。

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    2017年01月27日
  • 雷電本紀

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    伝説の大関「雷電」本紀。
    浅間山噴火による天明飢饉の鬱屈とした時代を背景に稀人雷電の傑出した相撲人としての姿を描く。
    江戸時代の相撲文化や興行のあり方も分かる傑作。
    雷電は貴ノ浪に押しの強さを加えて磐石にした感じのイメージで読んでいました。

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    2016年01月22日
  • 神無き月十番目の夜

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    重い。
    重厚と言うのともちょっと違う、ただひたすらに重い。
    一村三百数十人の皆伐という背景の事件の重さもあるのですが、文体や一人一人の登場人物をじっくり描き込んでいく手法も重く。それが飯島さんらしさなのですが。
    歴史の片隅の事件ですし、さほど資料が多いわけがないのですが、乏しい資料から矛盾無く。確かにそうだったんだろうなと読者が納得できるようなストーリーにまとめて行く力量は大したものです。
    ただ、ひたすら重苦しい雰囲気には少々辟易してしまいましたが。

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    2016年05月15日
  • 出星前夜

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    すごい。
    江戸時代の暮らし、社会の仕組み、医療や漢方薬に関すること、宣教師とキリシタンのこと、島原の地理、城の作り、戦の仕方、ほかにもたくさんのことをどれだけ調べたらこんな話が書けるのか。
    島原の乱を描いたら悲劇になるに決まってると思ってたけど、ただ悲惨なだけじゃない、すごい世界があった。

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    2015年07月18日