飯嶋和一のレビュー一覧
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島原の乱について書かれた本。
何年か前に島原の乱はカトリックから殉教と認められてないという話を聞いて、実際のところは何が起こっていたのか知りたいと思っててこの本に出会いました。
長崎方面の土地勘がなく地名を聞いてもよくわからず、昔の日本あるあるで似た名前の人たちに苦しめられながら読み進めた前半でしたが、あまりにも酷い当時の状況に心が痛みました。不都合な真実にはキリシタンというレッテルを貼って処罰する圧政を敷かれ、生きることに希望を見出せず乱を起こすしかなかったのはあまりにも悲し過ぎました。
乱後の後半の流れは一つ一つの戦況の説明が詳細すぎるのと最後の結末は知っているためか読み進めるのか辛かっ -
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私自身がこれまで読んできた時代小説とは一味違う小説だった。戦国時代や江戸の人情もの、幕末、と言った小説とは違い、鎖国前の長崎の短い一時代を描いた小説。
どの程度、史実に基づいているのかは、知識がないので分からないのだが、この時代に、これだけ広い視野と高い視座を持ち、正義感に溢れた人がいたのか、と熱い気持ちになるストーリーだった。
ただ、読み終わってのこの読後感(満足感)と矛盾するようなのだが、読むのにけっこう時間がかかってしまった。自分の歴史の知識が無さすぎることも一因なのだが、
漢字(にカナのルビ)の地名を現在のどこのあたりなのか変換するのに、一瞬頭の中でタイムラグがあったり、各国の事情・ -
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とある方からお薦め、と借りた一冊。
思ったよりも、歯応えあり。
読むのに、意外と時間がかかった。
江戸時代を江戸時代のように、という作者の思いが込められてか、かなり綿密に描写されている。
フワッと読むタイプの私なので、その描写の凄さを逃している感はあるが、まあ、良しとして。
第1章では、幸吉と弥作の兄弟が、才と情という部分でお互いを補い合う姿が睦じい。
幸吉の、権威に対する反感と、表具師としての才のアンバランスさ。割とベタな設定ではあるものの、幸吉が純粋に成したいことと、それを周囲が曲解し、世の中の流れを変えていく数奇さが楽しい。
第2章では視点を変えて、塩の取り引きと廻船の話にパーンと -
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世に言う島原の乱の話。
学校では、島原のキリシタンが蜂起をして幕府軍と戦った、ぐらいにしか習わないがじつはそんな単純な理由ではなく根深いものとして描いている。
前半は無能な藩主の圧政に苦しめられるもそれに耐え忍ぶ村人たちの生活を描く。そしてそんな大人たちに対しての歯痒さから島原の乱に繋がる火種を起こす少年たち。
後半は島原の乱の顛末。戦いのくだりが長く読み飛ばす場面もけっこうある。最後は蜂起が鎮圧と言うか皆殺しにされ救いがないように思えるが、島原の乱の火種を起こした少年があることから医者となり人の命を救うことに生涯をかけることになるのがこの小説での光だと思う。