飯嶋和一のレビュー一覧
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飯嶋和一の新刊。前著「星夜航行」では文禄•慶長の役を描いていたが、本作はそのあと。鄭成功(1624〜1662)の明朝復興戦争の全貌を描いている。
明末の混乱から始まって、鄭成功が南海王国を打ち立て、三代に渡る台湾統治とその終焉までが冷徹な筆致で語られる。
大変な力作です。しかしながら、やはり一般的なレベルで読み通すにはハードルが高い。明の滅亡から清の成立までの部分では世界史上有名な人物が出て来るが、鄭成功が南海を拠点として抵抗戦争を始める辺りからは一般人には全く初見の人物が次から次へと登場し、次々と死んでいく。感情移入する隙さえ与えられない。(それに色っぽい話は微塵も出てこないしね)
…とい -
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島原の乱について、学校では単純に抑圧されたキリシタンの反乱と教えられたがそんなに単純なものでは無いと判った。
藩主が分不相応な家臣団を持ったため、年貢を倍以上取り立てられながらもキリストの教えにより逆らわずにいた島原や天草の地。だがそれも限界になり武装蜂起となる。
ちょっと無抵抗主義にも程があるし共感は出来ない。武装蜂起後も今一つ目的不明で人間臭くはあるが味方も敵もだらし無い。
またキリストの殉教とは逆らわずに死ぬ事とされているので島原の乱を起こしたキリシタンは殉教では無いらしい。何だかそれも馬鹿馬鹿しい。
物語の主題が自分に合わなかったが、小説としては面白かった。 -
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1616年、ヌルハチの寧遠城攻めから画く。新聞の広告、何より本書タイトルが意味不明なため、何の話かと思うのだが、敵について描くのは当たり前だろう。それにしても順番は違うだろう。導入が長すぎる。鄭芝龍についてもそれなりに丁寧に描くのもいい。しかし肝心の鄭成功の日本時代についてほとんど記述がない。何の記録もないのであろうが、推測で書いてほしかった。
終わりは1683年、台湾の鄭王国崩壊までだ。これは嬉しい。丁寧に書いているんだろうが、あっけない。実態もそうだったんだろう。それにしても鄭家内部はどうしようも無い。清の皇帝継承が上手く行っているのに対して対照的だ。この辺りは書いて欲しかったところ。
鄭 -
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【2025年21冊目】
時は江戸天明期。災厄の続く時代、ある噂が駆け巡っていた。鵺が夜な夜な出没し、「イツマデ、イツマデ」と叫んでは時の朝廷を批判しているのだという。その頃、一人の銀払いの表具師が夜な夜な凧を背にしてある挑戦をしていて――「鳥人」幸吉と纏わる人々を描いた歴史長編。
岩田書店の一万円選書で選んで頂いた一冊。最初はなかなか読み進められませんでしたが、話が幸吉だけでなく、彼に影響された人々の話に広がり始めるにつれ、どんどんと物語の中にのめり込んでいきました。
人の感情を書いた作品が好きなのですが、この作品ではわかりやすく感情を書いたシーンはあまりないと言えます。それにも関わらず、 -
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島原の乱のお話
以下、公式のあらすじ
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寛永14年(1637)、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)は、一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎恵舟を長崎から呼ぶが、代官所はあろうことかこの医師を追放。これに抗議して少年ら数十名が村外れの教会堂跡に立てこもった。
折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを少年らの仕業と決めつけ討伐に向かうが、逆に少年らの銃撃に遭って九人が死亡、四人が重傷を負った。
松倉家入封以来20年、いっさいの抵抗をしてこなかった旧キリシタンの土地で起こった、それは初めての武装蜂起だった -
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島原の乱について書かれた本。
何年か前に島原の乱はカトリックから殉教と認められてないという話を聞いて、実際のところは何が起こっていたのか知りたいと思っててこの本に出会いました。
長崎方面の土地勘がなく地名を聞いてもよくわからず、昔の日本あるあるで似た名前の人たちに苦しめられながら読み進めた前半でしたが、あまりにも酷い当時の状況に心が痛みました。不都合な真実にはキリシタンというレッテルを貼って処罰する圧政を敷かれ、生きることに希望を見出せず乱を起こすしかなかったのはあまりにも悲し過ぎました。
乱後の後半の流れは一つ一つの戦況の説明が詳細すぎるのと最後の結末は知っているためか読み進めるのか辛かっ -
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私自身がこれまで読んできた時代小説とは一味違う小説だった。戦国時代や江戸の人情もの、幕末、と言った小説とは違い、鎖国前の長崎の短い一時代を描いた小説。
どの程度、史実に基づいているのかは、知識がないので分からないのだが、この時代に、これだけ広い視野と高い視座を持ち、正義感に溢れた人がいたのか、と熱い気持ちになるストーリーだった。
ただ、読み終わってのこの読後感(満足感)と矛盾するようなのだが、読むのにけっこう時間がかかってしまった。自分の歴史の知識が無さすぎることも一因なのだが、
漢字(にカナのルビ)の地名を現在のどこのあたりなのか変換するのに、一瞬頭の中でタイムラグがあったり、各国の事情・ -
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とある方からお薦め、と借りた一冊。
思ったよりも、歯応えあり。
読むのに、意外と時間がかかった。
江戸時代を江戸時代のように、という作者の思いが込められてか、かなり綿密に描写されている。
フワッと読むタイプの私なので、その描写の凄さを逃している感はあるが、まあ、良しとして。
第1章では、幸吉と弥作の兄弟が、才と情という部分でお互いを補い合う姿が睦じい。
幸吉の、権威に対する反感と、表具師としての才のアンバランスさ。割とベタな設定ではあるものの、幸吉が純粋に成したいことと、それを周囲が曲解し、世の中の流れを変えていく数奇さが楽しい。
第2章では視点を変えて、塩の取り引きと廻船の話にパーンと