飯嶋和一のレビュー一覧

  • 黄金旅風

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    マイナーな歴史の1ページを大作に仕上げたものです。普通主人公がこれだけカッコよければもう少しハッピーエンドになりそうなものですが、歴史小説なのでいかんともしがたいですね

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    2013年12月27日
  • 黄金旅風

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    飯嶋和一氏の作品で、江戸に入り秀忠が没し家光が将軍になろうかという時代の長崎の貿易商人末次家の跡取り平左衛門の大活躍を描いた大河ドラマに取り上げられても面白いのではと思わせるくらい非常にスケールが大きく面白い物語。親との確執から、まだ基督教が禁止される前に寄宿学校に入れられていた時代のエピソード、そこで仲良くなったはぐれものとの武勇伝などなど、長崎に派遣された悪代官竹中家の首領の欲にかられて政事の本質を忘れた姿に怒り、長崎の民を守る為にその代官様を追い落とす策を練り、ついには切腹にまで追い落とすまでの大筋を飾るサイドストーリーが面白い。ページ数が多いが面白いので一気に読み進む事ができた。時代小説がだめな人でも楽しめるかも。おすすめです。

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    2013年11月27日
  • 始祖鳥記

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    "Tale of Archaeopteryx" 英訳するとこうなるのかな?小さいとき大好きだったアーケオプテリクス。ええもちろんスペルは辞書引かせてもらいましたとも。

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    2013年09月13日
  • 神無き月十番目の夜

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    まず、藤九郎と直次郎萌え。

    歴史に興味のない私でも、ぐいぐい読めた。詳しい人なら倍以上おもしろいんだろう、と思う。
    登場人物が、皆魅力的。
    なのに、それぞれが己の想いで動いた結果、最悪の事態となっていく。

    荻原規子さんの勾玉三部作で育って、もう良い大人になってしまった方にオススメしたい。

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    2013年07月26日
  • 黄金旅風

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    ドキュメンタリー映画をみているような臨場感。骨太で精緻。作者の私情は一切入らない筆致。カタルシスは若干物足りなく感じるが、濃厚な歴史小説を読みたい時にはBestな小説。感情移入したキャラが早々に亡くなり、ちょっと悲しい。

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    2013年05月04日
  • 黄金旅風

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    江戸時代の長崎が舞台。

    オランダやポルトガルとの交易状況や
    江戸時代の権力構造がよく分かる。

    船大将“弥兵衛”
    火消組“才介”
    長崎代官“平左衛門”

    魅力的に描かれている。

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    2013年01月12日
  • 雷電本紀

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    尊敬する上司から選別として頂戴した小説。

    実際の力士をモデルにした物語。雷電の強さに、江戸の人々と同じように圧倒される。

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    2012年12月24日
  • 黄金旅風

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    NHKの大河ドラマになりそうな感じの大スケールなお話。

    江戸時代の海外貿易都市・長崎が舞台の小説。
    佐世保にいたこともあって、なんとなくイメージ的に掴みやすかったし、「あの地で昔はこんなことがあったのか~」となんとなく感慨ふけりながら読みました。

    長崎が、オランダやポルトガルと親交があったのは知ってたけど、
    こんなにも海外との貿易がさかんな街だとは思ってもみなかった。
    そして、その背景には切支丹弾圧という悲しい過去もあって、他の日本と比べると、まるで異国のような感じさえしたわ。

    今も昔も同じで、外交の駆け引きや賄賂などいつの時代も何百年経っても変わらないのね~。ってある意味笑える。
    でも、末次平左衛門の正義感、格好いい!!
    かなり、惚れるキャラだね~。
    で、平左衛門と仲よかった平尾才介。早くに死んじゃって残念。彼はかなりタイプだったのに惜しいわ~。

    この本は、色恋沙汰など全く出てこないんだけど、とても読みやすい内容の濃い歴史小説でした。
    年末に相応しい本を読んで、なんの邪気もなく年が越せそうです。

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    2012年11月27日
  • 始祖鳥記

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    何が違うか自分でも判然としないけど、他の人と違う飯嶋さん独特の読み味の時代小説。自分には主人公の飛ぶことへの動機が解るようで解らなかったのが少々辛かったけど、それでも十分楽しめました。

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    2012年11月24日
  • 始祖鳥記

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    面白かった。最後まで心地よく読む事が出来た。
    情景描写、心情描写も上手く、読んでいてどんどんと作品世界に引き込まれていく感じ。

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    2012年08月20日
  • 神無き月十番目の夜

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    史実を基にしてこれを書いたなら相当この作者、つわものだと思う。

    最初は人物も状況もよくわからないままだけど、
    途中から流れがつかめてくると、全容が一気に駆け抜ける。
    そして最初のシーンに戻るという驚愕の小説。

    人の欲の尽きるところなし。
    どの時代もそこは一緒なんだなと実感させられる。

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    2012年07月15日
  • 黄金旅風

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    ネタバレ

     先に読んだ『天地明察』のライトな感じにいささか不完全燃焼な感じを覚え、私としては珍しく続けて歴史モノをチョイス。高校日本史Bの教科書に名前が載っていた末次平蔵の息子・平左衛門(二代目末次平蔵)が主人公。
     もはや小説なのか歴史書なのか、どこまでがフィクションでどこからが史実なのかわからんほどに書き込まれていて、しかも次々新しい人名が登場するため、一見不親切で難解に見える。けれど、重要な部分は繰り返し筆を費やしているため、いつの間にか気にならなくなってくる。さすが信頼の飯嶋和一クオリティ。
     ついつい歴史的考察の深さにばかり目が行ってしまうけど、作者が創作したエピソードもすごく面白い。了介のもとに持ち込まれた連続失踪事件とか、真三郎の作る童の銅像の話とか。

     非常に魅力的な人物が二人も死んでしまうので、そのたびに口が開いてしまった。そのうち後者のエピソードが、さほど本筋と絡んでこないのが少し残念ではあったが、竹中重義の悪政を描出するために彼は犠牲に供されたということなのだろう。アーメン。。。

     この作品と『出星前夜』が繋がってるらしいので、そっちもぜひ読みたいです。

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    2012年06月20日
  • 雷電本紀

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    皆さんは相撲界最強の力士、雷電をご存知だろうか。
    この作品は江戸時代に最強の大関(当時の最高位)として活躍した雷電を主人公にした小説である。

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    2012年05月10日
  • 神無き月十番目の夜

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    太平の世を築き上げようとする江戸初期の裏歴史。徹底した封建制度のなかで、消えていったのは誇り高い百姓たちだけではなく、神もまたその一人だった。

    とにかくやるせない読書だった。誰かが大切にしているものが踏みにじられていくのを読むのがこんなに辛いものだとは。途中でもう何度もやめようと思ったが、最後までなんとか読み終えた。HPが大幅に減った気がする。

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    2012年03月24日
  • 神無き月十番目の夜

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    戦国末期、ヒエラルキー下部に位置づけられてしまった農民たちの、その溢れる生命力ゆえの戦いと弾圧の軌跡を描いた力作。倒叙的に結末が見えているせいか、ただただ読み進むのがつらい(決して読みにくい文章だという意味ではありません。念のため)。口伝も記録もほとんどない日本の片隅の小さな史実から、よくここまでの物語をつむげるものだと驚嘆します。

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    2011年12月15日
  • 雷電本紀

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    読み始めると、外の音が聞こえなくなるくらい没頭。
    心が締め付けられ、苦しくてハッとした。
    しみじみと静かに響く力強さに言葉も出ない。

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    2011年02月06日
  • 始祖鳥記

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    航空学の父と称されるジョージ・ケイリー卿の有人グライダー実験に先立つこと60年、天明5年に有人飛行したといわれる備前岡山の表具師・幸吉の一生を描いた作品。
    三部構成になっていますが、第一部で幸吉は空を飛んでしまいます。これから先、どういう展開になるのだろうかと思っていると、第二部では幸吉は完全に脇役に回り、岡山を所払いになった幸吉が身を寄せた船頭が主役になります。この第二部(塩の専売に対する幕府側商人と自由商人の闘争)が面白い。本音を言えば第一部の間は、引き込まれるという感覚がなかったのですが、第二部に入ってからページがどんどん進むようになります。
    そして第三部。主人公は、船を降り、駿府で商人として生きる幸吉に戻ります。そして大団円。

    たとえ罪とされても、ただ「飛ぶ」という事に止むに止まれる衝動を感じる幸吉。その幸吉の飛行を悪政への抗議として受け取り、自らを奮い立たせる周りの人々。そのどちらの姿も、見事に描き出して見せます。
    前々から名前は聞いてたけれど、飯嶋さんは初めてでした。
    少々重いけれど、良いですね。

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    2016年07月31日
  • 黄金旅風

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     江戸初期の貿易都市長崎を描いた作品だ。とにかくすごいの一言だ。

     その一 鎖国が行われるかもしれない政治的閉塞感がすごい

     その二 宗教政策から人種政策まで長崎の特殊と雰囲気がすごい

     その三 人間がでっかいのがすごい

     なんだか三言になっているが江戸初期のポルトガル、イギリス、オランダ、中国との交易から宗教問題がよく分かる。さらに国際都市としての長崎の複雑さ、幕府とのやり取りの煩雑さや派閥争いから来る命のやりとりが手を握るほど熱い。

     一体誰の目を通して長崎が描かれているか?それがこの小説の主人公、末次平左衛門と平尾才介だ。自由奔放にして素晴らしい平衡感覚(政治、人種間など) 同時期に傑出した人物が二人同時に出る行幸たるやその後の暗雲を悟らせる。

     本当に飯嶋作品は傑作だ。

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    2010年09月14日
  • 黄金旅風

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    時代考証の深さに圧倒され、緻密な考察に唸りをあげる。
    係わる人のエピソードまで掘り下げすぎる感は否めず、読んでて気持ちが分散してしまったが、読み応えは十分で、最後に「ふーっ」と身体に溜まった何かが押し出され充足感でいっぱいになる

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    2010年09月10日
  • 黄金旅風

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    『始祖鳥』にはかなわないけど、これも痛快な小説だった。
    ただ、長崎という土地柄、悲しい事件からは免れ得ない。だから、ひとくちに「痛快」とは呼べない。
    いい小説には間違いないけど、「飯嶋和一にはずれなし!」の景気のいい帯の雰囲気とはすこし違うんじゃないかと思う。

    親友の夢を語り、ベテラン船頭を口説くシーンには涙が出た。

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    2010年08月16日