飯嶋和一のレビュー一覧

  • 黄金旅風

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    再読。やっぱりいいです。好きです、平左衛門。淡々と事実を重ねていく文体なのに、熱さがにじみ出てきます。平左衛門の周りに魅力的な人が多くて、それもまた楽しいところ。かなり視点が平左衛門有利に寄っていて、勧善懲悪な印象はあります。最後、平左衛門は誰と話したのでしょうね。

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    2012年06月15日
  • 神無き月十番目の夜

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    その時代に迷い込んだような臨場感。土台が揺るがないからこその重厚さは圧巻。これだけの物語が、初版のまま書店に並んでいた事実が何より勿体ない。

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    2012年03月12日
  • 汝ふたたび故郷へ帰れず

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    中短編3作。
    時代背景や内容がどうであれ、彼の作品には心を救われる。
    折れそうなところを補強してもらったみたいに。

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    2011年03月28日
  • 雷電本紀

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    昨今の相撲業界のみなさんがこぞって読んだらいいんじゃないだろうか。

    雷電という人が象徴するもの、ひとくちには言えないが、そこにある、自尊心、誇り、怒り、強さ、静けさ、優しさ、正直さ、野性、猛々しさ、まっすぐさ、そういうものに心を打たれる。

    相撲業界だけでなく、ぼく自身も背筋がピンとなってしまう、そういう小説だ。

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    2010年08月16日
  • 神無き月十番目の夜

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    冒頭の強烈な血生臭さに圧倒され、手が震えた。
    衝撃的な作品は「歴史小説」に非ず、「記録」であろう。
    言葉が不慣れなのもあるが、これほど一語ずつ噛み締めて読んだ作品はない。
    ああ、本読みでよかった。

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    2010年06月11日
  • 神無き月十番目の夜

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    戦国が終わってまもなく起きた小生瀬の一種のクーデターを描く。村民と土俗的な宗教、そしてそれを抑える権力の構図の中で物語りは悲惨なラストを目指して一気に展開する。面白い小説ではあったが、重くて暗い。

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    2010年06月05日
  • 雷電本紀

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    飯嶋和一にハズレなし!と帯に書いてあるのですが本当です。
    いろんな歴史の一面を切り取ってたくさんの作品を残していただきたいです。
    ちなみに相撲に興味の無い私ですが本作はとても楽しめました。

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    2010年03月20日
  • 神無き月十番目の夜

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    飯嶋氏の著作全て読んだが今までの最高傑作だ。有名でない史実を取り上げ緻密に書きあげる力量には感嘆を覚える。淡々とした文章ながら熱きものを感じてしまう。

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    2009年10月07日
  • 雷電本紀

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    ネタバレ

    江戸時代に実在した力士・雷電と、商人助五郎を描いた物語。

    ときは天明、度重なる飢饉や一揆で苦しむ貧しい庶民を、雷電は相撲を取ることで希望を与えていく。
    決しておごらず天性の体格を生かして自己鍛錬を重ねていく雷電だけでなく、彼の良き理解者として支える助五郎の気骨や人情もまた、すがすがしく心洗われる。

    一番印象に残ったのは、大火事や天災の後に、雷電が赤子たちを抱き上げ厄災祓いをするシーン。
    この場面は何度も繰り返し描かれるが、搾取し利権をむさぼる侍達とは対照的に、民衆を励ます存在として己のすべきことをこなす雷電の、民草への優しい視線に心打たれる。

    また、この時代の庶民の生活が丹念に描写さ

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    2011年09月29日
  • 神無き月十番目の夜

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    ついさっきまで生活していた痕跡を残して、突然住人達が消えてしまった隠れ里をめぐるお話。
    はじめはバラバラだった謎が
    グイイイイイイっと一つに収束して
    しかも最悪の格好で完成するという鬱ストーリーなのに
    「どうだ!読んだった!」という達成感いっぱいです。
    誇り高い隠れ里の住人たちがカッコイイ!

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    2009年10月04日
  • 汝ふたたび故郷へ帰れず

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    2009年の35冊目です。FM横浜のアナウンサー北村浩子さんのコーナー「Books A to Z」で紹介されていて、興味を持って読んでみました。表題作を読むと、走りたくなること請け合いです。

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    2009年10月04日
  • 始祖鳥記

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    ネタバレ

     うおー!すごい!「全日本人必読!」と書くだけはある!
     ものすごい急展開もない。すさまじいオチもない。派手な名ゼリフがあるわけではないし、現実離れした濃いキャラクターが出てくるわけでもない。それなのに、とても胸が熱くなるのだ。第一部では天才表具師でありながら、空を飛ばずはにいられない幸吉の心中に共感し、第二部では「××が来た!」と伊兵衛と一緒になって叫んでしまった(笑)そして第三部では……と、それは読んでのお楽しみ。
     それじゃあ、この小説はどんな小説だったんだ、と振り返ってみる。ものすごくざっくりした言い方だが、ただ出会うべき人物が出会い、為すべきことを為し、淡々と、しかし着実に、物語が展

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    2012年06月24日
  • 神無き月十番目の夜

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    重厚で緻密な、石造りの建物のような小説。丹念に削りぬいて積み上げられ、その隙間には紙一枚も入らない。
    血なまぐさいあらすじに惹かれて読み始めたが、本を閉じると、物悲しく静かな余韻が残る。

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    2009年10月04日
  • 汝ふたたび故郷へ帰れず

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    始祖鳥記がかなり良かったので読んでみました。
    もう、素晴らしい!!電車で泣きそうでした。危ない危ない
    こういうストイックな男の人にはグッとくるわぁ。ハードボイルドのような斜に構えたのは好みじゃないんだけど、真直ぐで一途な男はいいよねー。
    ボクシングは全然興味ないし見るだけで痛くてダメなんだけど、ボクシング好きな人はもっと楽しめるんだろうな。ちょっと残念。知らなくてもその臨場感は十分伝わってきたけど。

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    2009年10月04日
  • 黄金旅風

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    権力には屈しない。
    最後まで海の民としての矜持を貫き通した清冽な姿を描く。

    「たとえ国を失うとも、この舵を握る手までは奪わせぬ」

    鎖国、宗教問題といった時代の荒波に翻弄されながらも、『自由』を求め朱印船貿易に命を懸けた男たちの冒険譚。

    なんで海の男って不器用でかっこいいんだろう。

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    2026年04月28日
  • 狗賓童子の島

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    新聞の書評欄を読んでいて、飯嶋和一という小説家のことを知りました。
    「多くはない作品の、いずれもが秀作」という主旨の評価が書かれていたので興味を持ち、文庫版が出ているこの作品を、読むことにしました。

    物語は江戸末期の1846年、隠岐島のシーンから始まります。
    隠岐島は、遠島の刑に処せられた罪人が、流されてくる地。

    その島にある日、数え15歳という若者が、連れられてきます。
    彼の名は、西村常太郎。

    9年前に起こった大塩平八郎の乱で首謀者の一人とされた、西村履三郎の惣領息子です。

    序盤は、大塩平八郎の乱がどのような理由で起こされたのか、大塩や西村がどのような最期を遂げたのかが、描かれ

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    2026年04月20日
  • 始祖鳥記

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    ただ飛びたい、自分の翼で。
    全てをかけて翔びたい、ままならない人生を投げ捨ててでも。

    不自由な江戸の封建社会のなか、空を駆けた表具師の生き様を描ききる。

    飯嶋和一さん。硬派で美しい日本語で紡 ぐ。正しくあろうとした敗者や無名の人々の物語を体現している。

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    2026年04月03日
  • 出星前夜

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    島原の乱を描いた大叙事詩。
    飯嶋和一にハズレ無しと言われるが、初めての飯嶋作品。
    濃厚かつ重厚な歴史ドラマに自分の浅はかな知識が恨めしく思えた。

    寛永14年(1637年)、突如として島原を襲った傷寒禍(伝染病)が
    一帯の小児らの命を次々に奪い始めた。
    有家村の庄屋・鬼塚甚右衛門は旧知の医師・外崎惠舟を長崎から呼ぶが、
    代官所はあろうことかこの医師を追放。
    これに抗議して南蛮人の血を引く寿安を中心とした少年数十名が
    村外れの教会堂跡に集結した。
    折しも代官所で火事が発生し、代官所はこれを彼らの仕業と決めつけ
    討伐に向かうが、逆に寿安ら少年たちの銃撃に遭って
    9人が死亡、4人が重傷を負う事態に。

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    2026年03月25日
  • 南海王国記

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    台湾で尊敬されている鄭成功とその一族の建国から滅亡までの史実に基づいた話です。登場人物が多いのと、丁寧な反面、感情表現が少なく、長いので、頭に入りにくいところもありましたが、歴史を新たに知ることができて勉強になりました。

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    2025年12月13日
  • 南海王国記

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    明が倒れ清が勃興する中国の時代、オランダの東インド会社通詞から海賊王に成り上がった鄭芝龍。交易の上前を跳ねて勢力を蓄える。その子供、鄭成功は日本人の母を持つが、中国に赴き科挙を目指す。志半ばにして、明を助け清に抗うことにして、交易で稼ぎ清との闘争に乗り出す。アモイを本拠地とし、一時は南京に攻め上がったが、最終的にはもとの木阿弥に。そこから当時はオランダ領だった台湾を攻め国を建てることに成功する。

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    2025年12月04日