あらすじ
第25回文藝賞受賞!伝説の作家のあの「血のたぎる傑作」が遂に電子化!
自然の息吹とボクサーの鼓動が響く名編。故・江藤淳氏が文藝賞の選評で「いつの間にか引き込まれていた」「現代の只中に活きている」と語った、伝説の作家の出世作が遂に電子化。負け犬同然にリングを去ったミドル級ボクサー・新田駿一は、当てもなく帰った故郷の島でジムの会長の訃報に遭い再起を決意した―。文藝賞受賞の表題作他、小説現代新人賞受賞のデビュー作など、著者の現代小説すべてを収録した決定版!
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Posted by ブクログ
おもろかった、たまらんタギリます、。もともと獏本餓狼伝とかあっち系等が非常に好きだったのですが、こういう静かな格闘系もええですねぇ。いや〜〜もー、読んでいる間ずっとアリスのチャンピオンが頭の中でまわりつづけてましたわ。鹿児島県トカラ列島の宝島で生まれたボクサーの物語、特に復活して減量し試合のくだりは圧巻やねぇ。やっぱりハズレないですな飯嶋本。
Posted by ブクログ
2009年の35冊目です。FM横浜のアナウンサー北村浩子さんのコーナー「Books A to Z」で紹介されていて、興味を持って読んでみました。表題作を読むと、走りたくなること請け合いです。
Posted by ブクログ
始祖鳥記がかなり良かったので読んでみました。
もう、素晴らしい!!電車で泣きそうでした。危ない危ない
こういうストイックな男の人にはグッとくるわぁ。ハードボイルドのような斜に構えたのは好みじゃないんだけど、真直ぐで一途な男はいいよねー。
ボクシングは全然興味ないし見るだけで痛くてダメなんだけど、ボクシング好きな人はもっと楽しめるんだろうな。ちょっと残念。知らなくてもその臨場感は十分伝わってきたけど。
Posted by ブクログ
いいなあ、これ。あしたのジョーにはまった記憶、あの高揚感がよみがえってきた。
挫折から這い上がる人間ドラマ。その先には栄光が…と、いかないところがいい。
孤独を感じていたが、実は多くの人に支えられていたことに気づく。
能力の限界と、折れた心を自覚しながらも、胸中の奥底にくすぶり続けていた夢に気づく。
のりちゃんがジョーから離れていったときのセリフ
「誰もが青春を謳歌しているのに、矢吹君は暗いジムで」うんたらかんたら。
のりちゃん目線の人にはわかるまい。
男はいくつになってもこういう世界に生きたいという憧れを持ち続ける。
主人公の設定もいいし、脇役も渋い。
「ボクシング小説の金字塔」という評価は決して大げさではない。
Posted by ブクログ
表題のボクシング小説が抜群に良かった。
自分がリングに立ってるかのような息遣いを感じさせる
精緻な描写が光る小説で、ノンフィクションものよりも
リアルな雰囲気がありました。
終わり方がまた絶妙で、もっとこの話を
読んでいたい、これからどうなっていくのか?と
思ったところで終わってしまう。
収録作はどれも荒削りなところが見受けられるが
作家としての力量の確かさも同時に感じる3編でした。
Posted by ブクログ
第25回文藝賞受賞作。
飯嶋和一の作品を読んだのは『始祖鳥記』に続き実はこれが2作目。
そんでミクシィの飯嶋コミュに入ってるってどうなんかな、と思うけど。
まいっか。(口癖)
恵まれた体躯と才能を持ちながらも、アルコールに溺れリングを去ったボクサー。生まれ故郷の南の島への帰郷、ジムの会長の死、そして彼を影になり日向になり支え続けてきた人々との交流を経てボクサーとして人間として見事に再生する。
まぁありがちなというか"ベタ"ではあるストーリーなのだけど、町の風景、島の風景が主人公のフィルターを通して丁寧に表現されてて、その時々の心情が痛いほど伝わってきてどっぷり引き込まれてしまう。
『始祖鳥記』のレビューでも書いたのだが、主人公を支える人たちの純粋さとか聡明さとか素朴さが実に気持ちいいのだけど、その人物たちの背景までは見えてこないというのが残念な点。あえてそこまでは深く書かずに主人公だけにスポットライトを当てているのかもしれないけど。
でも読後に素晴らしい爽快感を得られる良い作品。
Posted by ブクログ
一度は引退したボクサーがカムバックしてくる話。非常に緻密かつ克明にボクシングの試合を書ききっていて、それこそリング上のすべての出来事を書いているよう。文章を読むだけで試合を生で観たような大きな満足感を得る。ボクシングに詳しいわけではないが、ボクサーの試合はこういうものだという事がこの本を読めばよくわかると思う。ボクシング好きな人に是非読んでもらい感想を聞きたい。