飯嶋和一のレビュー一覧

  • 汝ふたたび故郷へ帰れず

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    おもろかった、たまらんタギリます、。もともと獏本餓狼伝とかあっち系等が非常に好きだったのですが、こういう静かな格闘系もええですねぇ。いや〜〜もー、読んでいる間ずっとアリスのチャンピオンが頭の中でまわりつづけてましたわ。鹿児島県トカラ列島の宝島で生まれたボクサーの物語、特に復活して減量し試合のくだりは圧巻やねぇ。やっぱりハズレないですな飯嶋本。

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    2017年10月22日
  • 出星前夜

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    ネタバレ

    読み進めるに連れて読む速度が遅くなり、しかしあるところから転げ落ちるように速度が早くなり、だけども読み終えることが辛くて、その速度を何度も落とそうとしたのだけども…読み終えました。
    この本に出会えて苦しくとも幸せでした。読んでいる時期に自身の環境の変化があり、余計に感慨深いものがありました。
    江戸初期に実際にあった、キリシタンに対しての苛烈を極めた弾圧と過酷な課税、そのためにすべての普通の生活を奪われ、天災による不作と貧困のために伝染病が蔓延し、もうどこにも引き返せなくなった農民たちが起こした、最大規模の反乱の話である。
    キリシタンであることが反乱のすべての理由ではないのに、最後は討伐軍側の都

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    2017年08月13日
  • 出星前夜

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     飯嶋氏の作品を読むのはいつもためらう。内容が濃く分厚いのでだいたい2週間くらいかかり、その間は他の本が読めない。でも読みきったあとの恍惚感というか、忘我の境地を味わえる本はそうそうない。それだけすごい。これぞ歴史小説。
     
     舞台は島原の乱が起きる少し前の島原近辺。天候不順で不作が続き年貢を納めることもできなければ、自分たちが食べる穀物すらない状況下で、病が流行った。栄養状態が悪い子どもたちが真っ先に犠牲になり、ばたばたと死んでいった。にもかかわらず領主は備蓄米を放出することを拒み、年貢を納めらない農民から年貢代わりに牛馬を取り上げるという悪政で報いる始末。


     かつてキリシタンの教えが広

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    2017年08月15日
  • 雷電本紀

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    大作、力作であることは疑う余地のないところ。

    ただ、話の流れが前後するため、流れがつかみにくい。

    20歳の頃の話のあとに、18歳の頃の話になり、
    別の人の話がはじまり、26歳の頃の話になるという調子で
    編年形式ではない点が難点だった。

    資料がないなかで人物像を浮かび上がらせるため
    いろんな周辺人物で脇を固めているものの、
    ややもすると雷電の物語なのか、雷電周辺の人の物語か
    わからなくなってくる。

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    2016年10月23日
  • 始祖鳥記

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    ネタバレ

     ライト兄弟の人類初の飛行機による初飛行よりも120年も前の江戸時代後期、人は空を飛べると確信した男がいた。

     備前屋幸吉は表具師としての腕を持ち、その腕で己を乗せた大凧を作った。
     職人としての最高位の銀払いの身であったが、空を飛んだことで人心を惑わした罪で岡山から追放された。

     幕政に苦しむ民は幸吉の行為を、お上に対する反発だと喜んだ。
     武士階級への反発心は、また別の男たちの心にも火をつけた。

     江戸衆が独占する下り塩に苦しんでいた行徳の塩問屋、巴屋伊兵衛と、起死回生に手を貸す児島廻船衆たち。
     そして幕府直轄で独占していた商人たちから、商いを奪い返す。

     ところ変わって、幸吉は

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    2016年07月16日
  • 出星前夜

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    早く次の作品が出ないかなと、いつも待ちきれない数少ない作家の一人。
    飯島和一さんの作品は四~五年に一回くらいしか出ず、それだけ内容に吟味を重ねて作られているのだろうと想像する。時代小説を書く作家は多けれど、これほど引き込まれ心を震わす作品を書かれる作家も珍しいのではないか。
    ならば何故有名では無いのか。飯島さんは一切マスコミには登場しない。マスコミに一切媚びを売らない。という方だからだ。
    どなたかが飯島和一にハズレなしと言ったらしいが、まったくその通り。
    今回の出星前夜は島原の乱をテーマとしているが、天草四郎が主人公ではない。もちろん討伐軍が主役でも無い。所謂一般の市井の人々だ。その目線で描か

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    2016年01月15日
  • 出星前夜

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    2009年本屋大賞7位

    島原の乱

    自分の今まで持っていた「島原の乱」のイメージといえば
    “エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、我は求め訴えたり” の山田風太郎「魔界転生」。
    “妖艶”且つ“神格化”された悲劇のヒーローだったのに、本作を読んであまりのギャップに驚愕。

    沈鬱な話であるのに、征伐軍のアホさ加減には笑ってしまった。ただ、300年以上経った今でも「保身」「出世欲」といった業(ごう)というものは変わらんのだなぁ、と。

    重苦しい中に、タイトルでもある寿安(北山寿庵がモデル⁉︎)の話は、本当に星の如き光が射してジーンときました。

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    2015年10月17日
  • 神無き月十番目の夜

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    読み始めは結構辛い。

    ガチな文体の歴史小説で物語が
    どう進んでいくのかわからず
    手探りな状態で序章を読み終わるまでが
    ある意味最大の山。

    時系列を遡る形で進む第一章以降は、
    序章で提示された謎の解明がされていく
    という意味でも、文体への慣れという意味でも
    読み進めるスピードが加速していくし、
    本作がなぜ評価をされている作品なのかを
    実感する。

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    2015年06月30日
  • 始祖鳥記

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    ネタバレ

    江戸後期の天明年間に日本で初めて空を飛んだ備前屋幸吉を描いた歴史小説。背景には一部商人による独占を許す、幕藩の悪政を批判も。
    全く意識していなかったのに、たまたま並行して読んでいる、司馬遼太郎の「菜の花の沖」とほぼ同時代の話で、兵庫の北風家や松右衛門帆といった共通の用語も出て来る偶然性に驚き。

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    2014年07月27日
  • 出星前夜

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    圧政は圧制を生み、歪は下へ。
    最下層は望みもなくただどうにか生き耐える。
    島原の乱。
    著者の史実への誠実さが、深く重く心にのしかかる。
    それは読み終えてほっとするほど、強烈に辛い事実。
    いま。時代が変わっても変わらぬに悪政。過去から学ぶことはたくさんあるのに。

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    2014年05月14日
  • 出星前夜

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    いわゆる「島原の乱」を描く、重く、辛い、圧倒的な物語。それなのに、物語の中にほんとうの、強靭な希望が宿っている。読みだしたら止まらない傑作。飯嶋和一、ほんとにすごいや。

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    2014年05月01日
  • 黄金旅風

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    “放蕩息子”と言われた、実は広い視野を備えていて、正論を胸に秘めた、強い心を持つ男が代官に就任し、恐るべき陰謀を動かす敵役達と対峙…非常に痛快な物語だ!!未読の皆さんに御迷惑を掛けてしまうので仔細は綴らないが、何となく目頭が熱くなる場面も在り、夢中になる…他方で「政治とは何か?」、「“権力”とはどういう性質のものか?」というような普遍的なテーマを持ち、加えて「江戸時代とは何だったのか?」というようなテーマに関しても、キリシタン弾圧の経過や貿易制度の変遷という、平左衛門達の時代に実際に起こっていたことを交えながら、一定の回答例を示唆している…非常に充実した作品だ!!

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    2014年04月30日
  • 神無き月十番目の夜

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    まず結末が提示され、「どうしてこうなった?」を紐解く、ミステリーにもよくある手法。
    そしてそこらのミステリーをはるかに凌駕する怒涛の展開。
    時代小説を読みなれてない人は最初はとっつきにくいと思いますが、なんとか序章は読みきって下さい。その後止まらなくなります。

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    2014年04月27日
  • 出星前夜

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    或いは読む方によって色々な感じ方が在る作品であるような気がする。各劇中人物がどうなって行くのか、どうして行くのか…「島原の乱」を背景とした重厚な群像劇であり、なかなかに興味深いと思う。

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    2014年04月10日
  • 始祖鳥記

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     安政6年(1859年) 山の峰から一里半(約6キロ)を大凧(グライダー)で飛んだ男がいた。リリエンタールのグライダーより32年も早い。しかしその快挙は賞讃されず、怪しげな術をつかう者として囚われの身に。そして死ぬまで座敷牢に閉じ込められ、しまいには狂ってしまった…

     というのが「キテレツ大百科」の第1話に載っている「キテレツ斎」の話。


     藤子・F・不二雄氏は、たぶんこの小説の主人公「浮田幸吉」の逸話を知っていて、キテレツ斎のエピソードとして採用したのだろう。キテレツ大百科の雑誌連載は、いまから40年くらい前。「浮田幸吉」は日本人の99%は知らないと答える、とんでもなくマイナーな

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    2017年08月15日
  • 雷電本紀

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    100を吸収し1を生み出す。まさにそんな小説だと思う。細部を描くことでその時代に生きているような感覚に陥る。だから、この方の小説は凄まじい。

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    2013年05月26日
  • 始祖鳥記

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    本作を読む直前に読んだのが、事を成した人物を描いた『天地明察』で
    ちょっとご都合主義的な展開に物足りなさを抱いていたのですが
    これはそんな自分の期待をはるかに超える傑作でした。

    ただ、惜しむらくは日本初の飛行体験とそれを成した備前屋幸吉(浮田幸吉)を
    描いた小説なのか、江戸時代後期に自分の信念を持って力強く生き抜いた
    備前屋幸吉、巴屋伊兵衛、平岡源太郎の3人による歴史群像劇であり、
    同じ時代を生きた3人が影響を受け合いながらそれぞれの生を送った
    という小説なのかが判然としない点。

    個人的には第2部も面白く読んだものの、
    第1部、第2部、第3部で一貫したテーマで貫かれていたとは言いがたく

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    2013年05月19日
  • 神無き月十番目の夜

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    久々に面白い歴史小説を読んだなぁ。
    悲劇的な結末に物事が収束していく様子を描いていて、読後感は「救いの無いもののけ姫」のような感じ。物語自体は、徳川家康の治世がまさに始まろうとしている時代の史実にある事件をあつかったものなのであるから、劇的というよりは淡々とした悲しい話である。しかし、人と自然の生活がまだ切り離されていない時代を異常なまでの細かな描写で描いていく筆力でグイグイ引き込まれて最後まで一気に読んでしまった。

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    2012年12月01日
  • 始祖鳥記

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    ひとつの夢を追い続けることはとても難しいことだと思っている。子供のころ純粋に思い描き形にしようと思う傍ら生きてゆくための暮らしがある。それは年齢を重ねる程に大きな割合を占めるようになり、強く願っていたことは次第に生活の中次第に色色あせていってしまうことが多いのではないだろうか。そのため「夢は夢」…そんな切ない言葉がつい口を衝いて出てしまう。それは単なる言い訳なのかもしれないと、この本を読んで考えてしまった。

    例えば生活の中、薄れてしまったとしてもいつまでもその思いを胸のどこかで温めていることで描いた夢へと向かうことが出来る瞬間を見逃すことなく進めることは出来るのだと思う。その時はとても勇気が

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    2012年10月31日
  • 神無き月十番目の夜

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    ネタバレ

    始まりは、つい先程まで人がいた気配がありながら、人っ子一人消えてしまった村というミステリー風でありながら、読み進めて行くと一つの村を襲った惨劇となり、さらに読み進めていくと、戦国から江戸へと変わっていく社会や、文化の狭間にある人々の葛藤が悲劇へと至る過程が身に迫る筆致で描かれていて、目が離せなくなりました。

    弥三郎は逃げ切れたのかが気になるなぁ。

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    2013年06月21日