加谷珪一のレビュー一覧
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日本は「後進国」加谷珪一
内容は古典的であるが極めてオーソドックス・ベーシック
問題は実行する力 世襲体制の打破につながるか
コロナショックが良い機会
世界輸出シェア 日本は9%→4% 中国は11%へ ドイツは変わらず8%
日本は中国に地位を奪われた 代わる戦略がなく「じり貧の30年」
生産性は低いまま 長時間労働 輸出/GDPは上昇 円安効果 たたき売り
⇒本来はビジネスモデルの転換が必要 ex米国のIT産業 時価評価額に反映
成長分野への取り組みが弱い 既存ビジネス中心
炭素繊維・自動車・デジカメ・マイコン・産業ロボット・白色LED
新陳代謝の低さ=少ない倒産件数 ドイツとの違い2012年倒産法 破産処理の強制
2009年中小企業円滑化法 すべての中小企業を救う
人材育成 日本の経営者はノンプロ
2014年伊藤邦雄レポート「持続的成長への競争とインセンティブ」
日本企業は短期主義経営=コストカットによる利益の捻出・設備投資の抑制
長期的なイノベーション投資がなされていない
⇒①現実を直視する勇気②当たり前のことを当たり前に実行する
通勤コスト@1百万円/年 広域分散する東京の低い人口密度 -
Posted by ブクログ
日本以外の国の給料は上がっているのに、日本人の給与は30年間も上がっていないので、日本の相対的貧困率はトップクラスになっている。多くの若者は、生活ギリギリの低賃金で預金する余裕なんてない。日本の年金も先進諸国では最低の水準なのに、負担は増加するばかりで、給付は引き下げに。
ところが日本人だけは自分たちを未だに豊かだと思って、日本はすばらしい国、世界で一番の経済とか思っている人が多い。世界で一番の債権国だ、貿易黒字国だって思っているけど、日本が世界に誇る製品は、急激に減っていていつの間にか貿易赤字の月が多くなっているのが現実である。
この本は、私たち日本人が直視しなければならないことをわかりやすく書いています。 -
購入済み
穏やかな評論で好感が持てる
加谷珪一さんの語り口はデータに基づく淡々とした口調でとても読みやすかった。
一点、「金融緩和の副作用はハイパーインフレでは無く、金利の上昇による利払いで税収が吸い取られ財政政策の選択肢が狭まること」という部分をもう少し掘り下げてほしかった。
たとえば上念司さんが提唱する「政府が100年国債を発行し日本に景気回復をもたらす」というアイデアについて、加谷さんならどう反応するのか是非聞いてみたいと思った。
日本の場合、民間企業の力に頼るのは無理ではないか。新しい価値観を作り出せる日本人経営者はほとんどおらず、多くが過去の資産の管理に終始しているように見受けられる。日本は政府がグランドデザインを示し民間がそれに呼応するトップダウンのアプローチが向いているように感じた。 -
Posted by ブクログ
大いなる警告の書。
日本がいかに「安い国」になっていて、それにより社会、教育、年金、物価の低迷、貧困化が進行しているかをOECDのデータ等から説明し、その原因と対処法を解説している。
中でも日本はもはやモノ作りで稼ぐ国ではなくなっているので、国内消費と投資で経済を再興させるべき、企業の稼ぐ力を復活させるため、サラリーマン社長は一掃せよ、等々の主張には深く納得した。
本書を読むと日本の未来は真っ暗で希望が無いように感じられ、暗澹たる気持ちになるが、データを基に論理的に説明されると納得せざるを得ない。
まずは認識をあらため、現状を認めるところから始めるしかないと深く認識した次第。でも、心のどこかでは本書の主張が実は間違いでした、というシナリオもちょっぴり期待している。
全日本人必読の書。 -
Posted by ブクログ
この本を読んで認識を新たにしたことは、国家間の戦争とは、いわゆる「喧嘩」ではないということです。個人間であれば「喧嘩」は感情的に行われるものですが、国家間の場合では、戦争をすることで国民を始めとして多大な影響を与えるので簡単に行うことができません。
従って、戦争の場合はそれを遂行するための「経済=お金」が密接に絡んでいる、ということをこの本は解説しています。そうすると、日清・日露戦争に日本が勝てた理由、太平洋戦争で日本が負けた理由も見えてくるような気がしました。
歴史の授業では、戦争というものを政治的・思想的な観点からのみ捉えてきた気がしますが、この本の様に経済(お金)の観点から見ると、また違った見方ができ興味深く感じました。
以下は気になったポイントです。
・経済的な対立が政治的な対立になり、そして軍事的な対立に発展する可能性は常に存在する。戦争が起こったとき、経済や社会がどう動くのかについて予め知っておくことは重要である(p5)
・日清、日露戦争の戦費は、GDP比較で各々、0.17、0.6倍であり、日中・太平洋戦争の、8.8倍(国家予算の74倍)とは大きく異なる。通常の手段で戦費は賄えなかったので、戦費のほとんどは日銀の直接引き受けによる国債発行で賄われた、さらに占領地域に国策金融機関を設立して、現地通貨・軍票(約束手形)により調達を行った。名目上の交換レートは据え置かれたので、書類上は戦費が膨れ上がるが、実質ベースで計算すると、2000億円程度となる(p25、28)
・米国の場合は、第二次世界大戦の戦費は、GDPの3.2倍、朝鮮戦争は0.1倍、ベトナム戦争は0.15倍、イラク戦争は0.1倍(p31)
・ベトナムやイラク戦争によって米国が疲弊した、経済的に行き詰って戦争を始めたといわれることがあるが、数字から見ると、強い経済があったから長期間戦争を遂行できたと解釈すべき(p34)
・空母保有は米国のプレゼンス強化につながっていたが、最近では兵器のハイテク化、コンパクト化が進み、空母のコスト効率の悪さが目立つ(p43)
・1年のうち、いつでも作戦行動に出られる状態にしておくには、最低2隻の空母が必要(日本に配備の原子力空母は、5月に出向、夏休みを挟んで12月に帰港、春までメンテナンス)、米軍が11隻も空母を保有しているわけ(p47)
・日露戦争は、急激に進みつつあったグローバル金融システムとイノベーションをフル活用した、太平洋戦争はこれに背を向け、ガラパゴスな状況で遂行した、これが両者を決定的に違ったものにした。日露戦争の戦費は、英国・米国の投資銀行を経由して、ロンドンとニューヨークで調達した(p53)
・日露戦争の日本海海戦の連合艦隊における旗艦「三笠」は、英国ヴィッカース社製の最新鋭の戦艦、現代でいえば米国製イージス艦というイメージ、日本の艦船が燃料としていたのは、英国製の高級無煙炭で煙少なく、高出力運転が可能(p55)
・日清戦争の賠償金は、銀で支払予定であったが、それができなかったので、英国に対して外債を発行、相当額のポンドを借り入れて銀を購入する予定であったが、銀価格の暴騰等もあるので、日本政府は賠償金を「英ポンド」で受け取り、これを金地金と同価値とみなして金本位制をスタートした、明治政府の指導者は、グローバル金融システムの仕組みを理解していた(p56、57)
・米国はゼロ戦の性能は負けたが、メンテナンスが容易で安全性の高い航空機を大量投入した、パイロットの育成もシステム化、乗務員の個人的な能力にできるだけ依存しない体制が組まれていた(p60)
・日本は、基本的な体力差を直視しない、職人芸的な技を過大評価、システマティックな部分を軽視、現状に対する批判を社会として受け入れない、という風潮が今の日本にも見られる(p61)
・満州でのビジネスの話を反故にし、力づくで満州を属国化したので、米国の経済的利益をすべて葬ったことになる、ハルノートを突きつけた理由も見えてくる(p66)
・ロシアは、米国や日本、中国と異なり、グローバルに通用する金融市場を持っていないので、資金調達力には限界がある。莫大な戦費を無理に調達すればインフレが加速する(p71)
・クリミア戦争では、自国で戦費を調達できず、敵国である英国の金融街シティで調達せざるを得なかった(p72)
・中央銀行が国債を直接引き受けするということは、戦費という形を通じて、市中に大量のマネーを供給すること、通貨の価値は減少、インフレが発生、名目GDPは増えるが実質GDPは増えない(p97)
・日本の実質GDPは、1943年までは増加した、1944年に少し減少、1945-1946年にかけて激減、闇市価格と公定価格で15倍程度であったので、実質には45倍であった、最終的に東京の小売価格は180倍(p100,109、236)
・戦争期間を通じて3倍の物価上昇で済んでいたのは、国家による強力な価格統制があったから、1938年に国家総動員法により統制(p108)
・国債の大量発行と極端な供給制限の顕在化によって、準ハイパーインフレともいえる状況にまで物価は加速した。しかし戦時中は食料確保のためあまり意識されなかった、意識するようになったのは、自由経済取引が解禁されてから(p110)
・戦後復興のために、大量の資金が必要となり、政府は興銀から分離させる形で、復興金融公庫(現在の日本政策投資銀行)を設立した、これによりインフレを誘発したが、ドッジライン(超緊縮政策)により沈静化した(p147)
・中国のチベット、モンゴル、アフガニスタン、ロシア南部から東欧一部(ハートランド)は特別な場所である、河川を使って太平洋・インド洋・地中海に出ることができない独特な地形であるので(p162)
・ランドパワーとシーパワーがぶつかる三ケ月型のエリア(リムランド)は、日本・朝鮮半島・台湾・東南アジアであるが、この地域は地政学的に見た場合、紛争になるリスクの高いエリアである、日清・日露・日中・太平洋・朝鮮戦争はすべて朝鮮半島と中国をめぐる共通の地政学的要因で発生している(p165、170)
・かつての英国と同様、旧ソ連のアフガニスタン侵攻(1979)、米国のアフタにスタン介入の理由は、地政学的な野心があった(p177)
・ドイツ一国の台頭を防ぎ、欧州が一つになっているのは、地政学的に見て非常に重要(p181)
・距離1000キロ、荷重1トンあたりの輸送コストは、飛行機:15万円、トラック:2.5万円、船:1万円、鉄道:1.2万円であり、今も海上交通というインフレに頼る必要がある(p185)
・ビットコインとドルをうまくリンクできれば、全世界にドルとビットコインの金融覇権を確立することが可能となる、ビットコインは全ての取引をネット上で追跡可能(p190)
・米国が覇権国家として振舞うようになった理由の一つは、中東の原油を確保するためであるが、エネルギー自給できるようになったことで潜在的には不要となった、これにより米国の方針が大転換する可能性もある(p198)
・米国と中国で、アジア太平洋地域の安全保障についてある種の合意が成立すれば、日米安保はその存在意義を失い、日本近辺の安全保障は米国の合意のもと、中国に委ねられる可能性もゼロではない(p201)
・日本は業種ごとではなく、会社ごとに労働組合がある珍しい形態となっていて、中小企業の待遇が悪い原因の一つとなっているが、これは国家総動員体制により強制的に作らされた。労使協調のための産業報国会が結成されて既存の労働組合は解体された(p222)
・軍需企業の指定になると、前渡し金制度が適用、政府が発注する金額の4分の3までを発注額に支払われる、これにより企業は資金繰りを気にせずに事業実施できた(p224)
・戦時中の経済統制の影響として、時限的措置であった、年功序列・終身雇用制度は、現在では若年層と高年層の年収格差は大きくなっている。終身雇用の正社員を維持するしわ寄せは、下請け・非正規社員に及ぶ(p233)
・雇用環境だけでなく、産業界の構造そのものが戦時中の体制からほとんど変わっていない業界もある、新聞・テレビ局、広告代理店の寡占的事業形態は、戦争が作り出したといっても過言ではない、1941年の新聞事業令により、全国に100以上あった日刊紙は55に統廃合、東京では、朝日・毎日・読売・東京・日経の5紙となった、全国紙と地方紙が明確に峻別されたのもこのときの統廃合がきっかけ(p234)
・全てのお金を銀行に預金させた9か月後に、財産税法を施行、最高で90%、預金の少ない人で25%の財産税が課せられた(p237)
・当時は明治憲法が効力を持って現在とは異なり財産税は課税可能であったが、預金封鎖は国会の議決を必要としない政令で実施されているので、現在でもこうした措置は不可能ではない、キプロスは実施した(p238)
・預金封鎖には抜け道があり、株を購入する場合だけは、お金を引き出せた、株式処理がスムーズに進まないと企業の損失処理や再編がうまくいかないので(p238)
・オバマ政権は最大級の軍縮を行い平和志向の大統領と言われるが、ドローン攻撃は急激に増加、ブッシュ時代には40回だが、オバマ政権では400回、現在のCIA長官のブレナン氏はCIAにおいてドローンオペレーションを積極的に進めてきた人物(p245)
・テクノロジーと戦争、あるいは経済力と戦争の関係がより密接になり、実際に戦う前から実質的な勝敗が決まってしまうという現実が、戦争を少なくする原因の一つになる(p247)
・車両の故障率を100キロ当たり5%(100キロ走ると100台のうち5台が使えなくなる)とすると、投入車両1000台、進軍距離300キロだった場合、目的地に到達するまでに150台が使い物にならなくなる、ということ。こうした車両は整備工場まで、大型トレーラーに乗せて道路を走る、つまりインフラ未開拓の地域に現代的な軍隊は投入できない(p252)
・米軍がイラクに大量展開できたのは、イラクが豊かな国であり、道路網・電気といったインフラが整っていたから(p252)
・3Dプリンタが普及すれば、設置できればそこは車両の整備工場となる、また医療器具などを作り出す衛生拠点ともなる、戦争の主体は人から、、無人機・ロボット兵による機械の比重が高まる(p253)
・買収した外国ハゲタカと批判するが、当の日本企業が海外に対して積極的に株式を買ってほしいと営業していた事実からは目を背けている(p264)
2017年10月29日作成 -
Posted by ブクログ
これからどうやってお金を稼ぐことができるか、そのヒントになればと思って読んでみた。
著者の言わんとすることを自分なりに咀嚼して今後に活かしていきたい。
☆まずはやってみる。
これまでの時代、儲かるか儲からないかを考えることはとても大事だった。お金を稼ぐには元手が必要であり、それを回収することが大前提だったからである。しかし一定にニーズを見込むことができ、失敗しても大きな損失にならないのであれば、あれこれ悩むより、とりあえずやってみたほうがいい。
☆スマホが従来のデバイスと完全に異なっているのは、
1、ほぼすべての人が保有する状況まで普及が進んだこと
2、場所の制約を受けなくなったこと
この2つがもたらすインパクトは極めて大きく、これが新しい資本の時代を切り開く原動力となっている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目7箇所。戦後は国家総動員体制が解かれたが、大企業を中心にその慣行は残っており、最近までそれが続いていた、これが終身雇用の正体である、体力がない中小企業はそれを継続することは不可能であり、結局のところ恵まれた大企業の社員だけが終身雇用という特権を保持することになったのである。急にお金持ちになる人は、たいがいニッチな分野で活躍している人なので、転落も早いのだ。勉強エリート君は基本的に「まじめ」である、先生や親から勉強すればいい生活ができると教えられると、まっしぐらに努力する、しかし、長年の受験勉強に耐えて入った一流企業の給料では思ったほどお金持ちにはなれない、一方で、中卒だが商売で成功した人は若くしてベンツに乗り、ロレックスの時計をしている。お金持ちになれる人は、他人の行動が引き起こした事態や、自分自身の環境などもすべて自分のせいと考えることができる、自分が病気でダウンして損失を出した場合でも、病気になった自分がすべて悪いのである、病気になったときの対応策を構築していなかったのは、ほかならぬ自分自身だからだ。「新しいことは自分も含めて知識がないので、あれこれ考えても意味がありません。何かを人から持ちかけられたときには、その中身ではなく、その人だけをみます。とにかく会って、じっくり話をして、その人がどんな人物か見極めるのでうs。極論をいうと、話の中身はほとんど考えません」。「『電車の車内は書斎だ!』なんて言っていましたが、まるで間違いであることに気づきました。今は会社から10分で家に着きます。すると、買う本の量が見る見る減ってきました。つまり今までは、必要のない本まで大量に買い込んでいたわけです。時間に余裕ができると、かえって無駄な時間が非常に気になるようになりました。結果的に、仕事の効率が上昇したのです」。お金持ちになるためには、人と違うことにチャンレンジする必要がある、うまくいくとわかっていて誰にでもできるようなことなど、ふつうは存在しない、仮に存在していたとしても、皆が争って実行するので、そのチャンスはすぐに消えてなくなってしまうはずだ。
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Posted by ブクログ
やや過激なタイトルと共に、時折極端だと思える考え方が出てくるため、分かりやすくはあるがちょっと勿体ない感じがする。しかしタイトルは言い得て妙で、日本人の精神性とそれが故の経済の低迷の本質を言い当てている。
底意地が悪いという気持ちも根底にはあるのかもしれない。結局は「ムラ社会」であり、秩序や空気を守る(飛び出す個性を嫌がる)、失敗を許さない、決まり通りにのみ行動することが求められる、といったことが成長を阻み、行動を萎縮させる。極論に走りすぎているのが気になりながらも、まさに普段自分の周囲でも散見させることだらけで、嫌でも納得させられる。
日本人の嫌な部分の核心を分かりやすい表現で突いた本。 -
Posted by ブクログ
経済だけでなく日本独特の空気感や法律の上位にあるべき倫理観や概念の考え方など、幅広く学べました。
過去の政府支出の増加や投資の活性化と言った政策が必ずしも教科書通りの効果を上げたわけではない点は、特に消費主導の経済に変えるために次の選挙でも投票の参考にしようと思いました。
日本独特の空気感は必ずしも西洋的な考えに劣っているとは思いませんでしたし、人の目・世間の目だけでない根源的な倫理観を、宗教以外を通して持つ事も出来るのでは?と言う点は、逆に出来るかもしれないけどハードルは相当高いので、別に宗教的に決まったものに従った方が楽なんじゃないかな?とも思いました。
色々な事を考える事が出来て良かったです。