加谷珪一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2023.10.11
本書の指摘するように、スタグフレーションに陥いる可能性が高いのが今日現在の状況だと思う。
ロシアのウクライナ侵攻は終わらないうえに、おとついからハマスによるイスラエル奇襲とその反撃。
世界は不安定化する一方で、アメリカの金利は高止まりである。投資家は利下げへの転換を期待するがそのシナリオはあまりに楽観的にすぎる。
ひるがえって日本は平和ボケの上に物価上昇に賃金上昇が見合わず、実質賃金はマイナスのまま推移している。日本の株主は堅調だが、ちょっといいところどりが過ぎるのではなかろうか。
物価高が収まる兆しなく、賃金の大幅な上昇は見込めない。すると、やはりスタグフレーションの危 -
Posted by ブクログ
「ご心配とご迷惑を」
日本人は、自分に迷惑がかかるのを非常に嫌う傾向がある感じがする。
その根底には強い不安感があるように思えるのだが、本書ではあまり原因については掘り下げられてはいなかった。でも実感としては正しいと思う。
将来が不安→蓄財に励む→物が売れない→景気が冷え込む→将来が不安…
これは企業にも云える模様で、内部留保をひたすら溜め込んでいるようだ。経営者にしてみればコロナの渦中にあって、それ見たことかというところなのかも知れないが。
自分は安倍元総理が大変嫌いだが、アベノミクスについては良かったとは思っている。ただその最中に増税をしてしまったのは悪手だったと思う。増税を回避する -
Posted by ブクログ
何年も前から日本では、スタグフレーションが起きると言われていたが、ついに現実ものとなってきている。スタグフレーションとは何か、今何が起きているか、今後どのようなことが起きるか概説されている。世界人口は、2022年11月には80億人を超え、これまで途上国と言われてきた国は経済成長し、ますます消費を行う。一方で「地球資源」と呼ばれるものはどんどん枯渇している。これからの世界は不可逆的に需要過多に陥っていく中、今後物価が下がるわけもない。
あとは筆者の生活防衛術は興味深い。「自家用車は抜本的な見直しを」と「家賃は上がらない」という指摘と予測がある。自分もこれには同意する。
世界的な大都市部の家賃高 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて、というか驚いて購入。近代化を果たせず前近代的ムラ社会のままであることが、経済成長を阻害している要因であることをデータで分析されている。和を重んじる日本社会はゲマインシャフトという概念に当てはまり、情緒的・感情的に個人の意思が決定されたり、ルールや契約ではなく地縁・血縁・宗教で関係性を構築するなど、特徴を列記されると頷けるものばかり。
前職でも人の足を引っ張ることに必死になっている人がいたり、長く勤めていることだけが重視され実際の貢献度は二の次だったりすることがあった。40代・50代?で考え方は固定されるとよく聞くのに、マインドを変えるのは大変過ぎるのでは、と考えてしまう -
Posted by ブクログ
ロシアのウクライナ侵攻を見て、戦争と経済の関係をおさらいするために本書を再読
過去の戦争において、どれくらいの戦費がかかったのか。本書を読むと、日本の行った太平洋戦争が、いかに経済合理性に欠けていたのかがよくわかる。(1章)
戦争の資金調達という観点からも、日露戦争はうまく立ち回っていたのに、太平洋戦争においては、当時グローバル金融システムの主導権を握っていた米英を敵に回しどん詰まりの状況を自ら作っている。(2章)
GDPを用いて戦争と経済を読み解いた3章も、戦争とインフレの関係が読み解かれており、わかりやすい。また、実は日本は隠れたテロ大国と紹介されているが、安倍元総理が銃撃され -
Posted by ブクログ
■ Before(本の選定理由)
読者を煽るタイトル。
でも直感的に、その通りだよなぁと感じた。
■ 気づき
元々村社会なり法以外に組織のルールを委ねていた日本人は、明治以降に制度面だけ近代化したが内面は未成熟、という論旨。現象はそうなのかもしれない。
国際比較調査の実例を沢山上げてくれていて、いづれも他人に不寛容で自分の成功も運の要素が強く、いわゆる「無理ゲー」だと感じている人が多いのだろうと思った。
■ Todo
別の本:GIVE&TAKEの受け売りだが、私はテイカー(人から受取ることを重視)ではなく、ギバー(人に与えることを重視)になりたいし、そう行動していく。