【感想・ネタバレ】スタグフレーション 生活を直撃する経済危機のレビュー

あらすじ

単なる不況ではない!――2022年に入り、多くの商品で値上げが続いておりインフレの様相を呈している。専門家の多くが「デフレ」を大合唱していた数年前から、現今の情勢を予測・発表してきた著者は、円安という特殊要因が加わる日本ではさらに厳しくなり、不況下のインフレ、すなわちスタグフレーションに陥る可能性がきわめて高いと言う。賃金が上がらず、物価だけが上昇する状況では、もはや単純な節約では乗り切れない。これまでとは異なる対処法が求められる。スタグフレーション時代にいかにして生活を守るか。国際経済の動きとも絡めて、説明する。

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Posted by ブクログ

文章が読みやすかった!色々調べながら読み進めたけどすごく基礎的なところも理解しつつ学べた
物価上昇の仕組みについて理解できた。
需要増加は新興国の台頭が進む以上今後抑えられない問題……
日本どうなってくのか……!?

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

2023.10.11
本書の指摘するように、スタグフレーションに陥いる可能性が高いのが今日現在の状況だと思う。
ロシアのウクライナ侵攻は終わらないうえに、おとついからハマスによるイスラエル奇襲とその反撃。
世界は不安定化する一方で、アメリカの金利は高止まりである。投資家は利下げへの転換を期待するがそのシナリオはあまりに楽観的にすぎる。
ひるがえって日本は平和ボケの上に物価上昇に賃金上昇が見合わず、実質賃金はマイナスのまま推移している。日本の株主は堅調だが、ちょっといいところどりが過ぎるのではなかろうか。
物価高が収まる兆しなく、賃金の大幅な上昇は見込めない。すると、やはりスタグフレーションの危機はあるのでは?
ハズレたほうが嬉しいがその危機感を持ったほうが良いのでは?

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

不況下のインフレがスタグフレーションだとのこと。
実際、多くの商品の値上げが続いている。生活を直撃する経済危機にどう対処していくべきなのか。

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2023年04月14日

Posted by ブクログ

何年も前から日本では、スタグフレーションが起きると言われていたが、ついに現実ものとなってきている。スタグフレーションとは何か、今何が起きているか、今後どのようなことが起きるか概説されている。世界人口は、2022年11月には80億人を超え、これまで途上国と言われてきた国は経済成長し、ますます消費を行う。一方で「地球資源」と呼ばれるものはどんどん枯渇している。これからの世界は不可逆的に需要過多に陥っていく中、今後物価が下がるわけもない。

あとは筆者の生活防衛術は興味深い。「自家用車は抜本的な見直しを」と「家賃は上がらない」という指摘と予測がある。自分もこれには同意する。
世界的な大都市部の家賃高騰の一方で、日本は人口が減少しどちらかというと土地余りが発生することが予想されるので、移民を大幅に増やすことがない限りは住宅は供給過多が続くことが予想される。むしろ空き家問題の方が深刻な気がする。つまり多くの人々にとっては、ますます地方に住むメリットがなくなっていくと思う。個人的な希望としては、人が利用するがなくなった土地は、森林に帰すなり、生物多様性保護区にするなりしてほしい。

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2022年11月05日

Posted by ブクログ

景気が悪化しているにも関わらず物価が上昇する状態をスタグフレーションと言うが、日本は失われた30年を経て安倍政権時代などは特に景気が回復基調にある事が政治家達により頻繁に叫ばれていた。実際に庶民の1人である私からすれば大した実感は無い。町のマンション価格は相当上昇しているし、最近ではスーパーでの買い物も随分と値上がりが激しい事に気付く。ニュースやら雑誌やらで確かに数年前から、企業の商品値上げ話はよく出ていたから、決して知らないわけでも無いのではあるが、徐々に緩やかに上がっていく価格には中々気付きが無かった。ふとよく飲むインスタントコーヒーや仕事中に欠かせないチョコレートの以前の値段を思い出してみると、驚くほど上がったのだと理解する。そう言えば昔はガソリンも80円で入れていた時代があったし、外食の際の支払いも(特に食べ放題なんかは)1.5倍から2倍くらいになっている。それに比べて中々給料は上がらないから、当たり前だが生活は厳しくなってきたといよいよ実感していた。ようやく賃上げの波が訪れ月給ベースで数万円の上昇があったが、既に気持ちの中では物価上昇への恐怖感が強すぎたせいか、手放しでは喜べず、まだまだ足りていないんじゃないかと、ついつい閉店前の3割引き商品に手が伸びる。
本書はそうした物価上昇が不景気時に訪れるスタグフレーションの構造を解りやすく説明している。勿論基本となっているのはインフレの構造であり、モノの値段を決める要素の説明が中心だ。原材料価格の高騰に、ロシアのウクライナ侵攻、トランプアメリカと習近平中国の経済的な対立などの国際情勢、そして人口増や生活の質の向上に伴う消費の拡大。ここに各国が実施してきた金融の量的緩和措置。日本は未だ日銀が継続しているが、果たしてマネー量の拡大がいつまで続くのか。当然にモノの量が変わらなければ貨幣価値はマネー供給量の増加と共に相対的に下がる。これは本書後半に書かれている、カネは持っているだけでは相対的に価値が下がっているのと同じ事だ。かく言う私も殆ど投資的な事は行なっていないから、インフレが進むに連れて資産が目減りしているに等しい。
そんなインフレ状態の世界と日本であるが、日本に限って言うなら、人口減少は今後も続くし、経済は益々縮小、何かしら驚きのイノベーションが次々登場して、直ぐに社会全体が恩恵を受けるには、それなりの時間を要するだろうし、ポンポン魔法の様に生まれてくるとも思えない。年金制度も自分が貰う頃には幾らになっているか考えたくもない、ある意味お先真っ暗で、尚のこと貯蓄しようか。こんな考え方のループに陥っている私は確実に取り残されていく気がする。だが多くの人は似た様な不安を抱えて同じ様な状況になっているのではないか。心の中にある漠然とした不安、かつ自分では無理そうでも他者に期待してしまう景気を上向かせるだけのイノベーションの登場。
本書は最後にインフレ時における生活のあり方やお金の使い道についてもアドバイスをしてくれる。先ずは需要曲線や供給曲線など、昔確かに大学時代に必死で勉強しながら忘れがちになっていたキーワードを久々に目にして、経済の仕組みから勉強しなおさないと、本当に時代に取り残される不安に駆られながら本書を読んだ。
時計に車にお酒に先ず何処から我慢するかな。

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

スタグフレーションとは、賃金上昇を伴わない物価上昇のことである。可処分所得がインフレにより圧迫されるため、暮らしがどんどん苦しくなっていく。防御策としてはインフレで価値が上がる資産を持つこと。不動産や電気や食品のような物を製造している会社の株を持つことが良い。サービス業は人件費の割合が高く、インフレに脆弱な業界であるため、株式保有としては向いていない。金や資源などの現物資産を持つこともインフレ対策にはなるが、保管コストがかかるため、トータルで見ると株式の方がリターンが高いと考えられる。
今後の為替を加味すると円安方向に進むと思っているため、海外の株式を保有するのが有効と言う結論を出した。仮想通貨がインフレ銘柄として上昇しているが、そこには手を出さないことにする。

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2024年11月19日

Posted by ブクログ

第二次オイルショックに感じが近い、か、ふむ。

後は、セントラルバンキズムとドル離れの行方も気になるね。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

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リーマン・ショックから立ち直るため
大量のマネーを市場に供給する量的緩和策を実施

マネーが市場に大量供給されれば、インフレが進みやすくなる。
根本的な需要過多の状況に大量のマネー供給が加わり
さらに感染症や戦争が重なったことで
インフレが加速

米国など諸外国では
景気は過熱気味に推移 → 物価上昇
   ↓
金利を引き上げて景気を冷やして物価を抑制する
米国は
金利引き上げペースを加速

景気を犠牲にしてでも、物価を抑制する

ところが、日本では、それはできない

不景気が長く続いて
国内経済は、低金利が大前提となっている

急に金利を上げると
景気が一気に悪化する可能性があり

諸外国のように、高金利政策はできない

恐ろしいのは
不景気下でのインフレーション、つまりスタグフレーション。

経済がスタグフレーションに陥った場合
ほとんどの経済政策が効果を発揮しなくなり、回復は困難になる。
スタグフレーションは、もっとも回避すべき事態。

6
日本は、過去30年にわたって、デフレーションが続いてきた

16
2022年の春以降
食料品を中心に、多くの商品価格が値上がり

18
不景気下なので、値上がりができず、ステルス値上げをしてゴマかしている

22
企業は、コスト上昇分を吸収できるまで
10%程度の値上げを何度も繰り返す可能性が高い

25
電気、ガス、ガソリンは、消費者に選択肢がないので、勝手に、価格を値上げする

29
現実社会とのズレ
黒田日銀総裁の失言2022.6.都内で公演
「日本の家計の値上げの許容度も高まってきている」
国民から批判が殺到、ネットが大炎上

32
2.4%の物価上昇で、家計の負担は?
多くの世帯で赤字になる可能性が高い

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物価上昇 4つの要因

① 原油や食料など一次産品の値上がり
② 世界的な需要の拡大
③ 米中対立やウクライナ侵攻など地政学的要因
④ 量的緩和策によるマネーの大量供給

今回のインフレは、①

2015年以降
原油価格は、1バレル 50~60ドル程度
2020年前半
コロナ危機による下落を経て
2021年より本格的な価格上昇
2022年 100ドル超えが日常的になった

35
さらに激しく値上がりしてるのは、天然ガス
36
エネルギー価格が上昇すると、食料価格も上昇

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世界の需要は拡大の一途

一連の物価上昇の最大の要因は、全世界的な需要の拡大
中国を筆頭に、東南アジアなど新興国の経済成長が著しく、全世界的な需要は増える一方

社会が豊かになれば、エネルギー消費は増える。

今後は
中等やアフリカなどでも、社会が豊かになり、エネルギーや食料の需要は増大する

全世界の需要拡大は、2010年頃から顕著になってる

供給が追いつかないリスクはすでに認識されてた。

42
インフレーションをさらに悪化させているのが
④ 量的緩和策による全世界的なカネ余り

日本を除く各国は、量的緩和によって、景気回復を実現してきたので、物価上昇があっても、そこまで大きな問題にならなかった。
その分、経済も成長し、賃金も上がっているので

45
日本はすでにスタグフレーション

日本の場合は、インフレによるコスト上昇に加え
円安という特殊要因が加わってる

日銀が量的緩和策を継続し、低金利政策を維持する限り、円安が進む可能性が大

エネルギーや食料に加え
スマホや家電など工業製品についても、輸入に頼るようになってしまった

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ガソリン価格と同様に、電気料金、ガス料金も、原油価格に連動する

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マンション価格も値上がり
一部メディアは、外国人を含む投資家が投機目的で買い漁っていると報道してるが、正確ではない
購入層の大半は、自己居住目的

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円安がインフレーションを加速させる

円安が進んだ最大の理由は
日米の金融政策に大きな違いがあり
両国の金利差が拡大すると予想されるから

リーマン・ショック以降
各国の中央銀行は、国債を積極的に購入し市場にマネーを供給する量的緩和策を実施してきた
日本以外では
それなりの効果を発揮し、景気は順調に回復した

FRBは、2022.8.時点で
量的緩和策を完全に終了し
金融正常化に向けて、利上げを開始した

日銀は、依然として、量的緩和策を継続

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2022年11月20日

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