あらすじ
日本が豊かな先進国であるという常識は、音を立てて崩れ始めています。日本が貧しくなった最大の原因は、労働生産性が低い水準のままだからです。一方、アメリカ人はテキトーに仕事をしていても生産性が高いのですが、それはなぜでしょうか? 本書は、労働生産性の基礎知識とその向上策について「ご挨拶テロ」「働かないオジサン」など具体例をあげながらわかりやすく解説します。働き方と生き方を変えて日本経済を復活させましょう!
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Posted by ブクログ
〈全体の感想〉
やや過激にも思われるタイトルではあるが、日本に住む私にとって知っておくべき現状が冷静に書かれてるな感じた。
まず、生産性の定義を確認し、次に、それを構成する要素である付加価値、社員数、労働時間について現状を述べ、最後に、どうすれば生産性を上げられるかを述べるという非常にシンプルで読みやすい構成になっている。
日本のダメなところを痛快に言ってくれるのと同時に危機感も植え付けられた。
〈面白かったところ〉
筆者が「ご挨拶テロ」と呼ぶ日本に特有だが、国際社会では忌み嫌われる慣習が印象的だった。これは「ご挨拶」と称し、目的もなく相手の会社を訪問し、しかも大人数で押しかけるというものである。話を聞いている分には滑稽に思えるが、いざ自分が入社して上司に行くぞと言われれば、逆らえないのだろうなと考えると悲しくなってくる。
〈疑問点・反論〉
量的緩和やリーマショックによって円安が引き起こされたという部分は、ある程度常識があればわかる話なのだろうが、私にはよくわからなかった。単に勉強不足なだけなので勉強したいと思った。
Posted by ブクログ
長期的な経営と流動的な雇用体系が重要。
「日本の雇用者で自己学習している人の割合は33.1%」
日本の社会人が諸外国と比べて全く自己学習を行なっていないことに関して、そもそも就職以前に勉強熱心な大学生さえも少数派である日本の現状に問題があると感じた。
個人的には、日本の競争主義が大学受験で終わってしまう事に問題があるように思える。
職場環境に不満を感じている日本人にとっては、より良い職場に転職しようという心持ち(+努力)が重要なのでは?
Posted by ブクログ
日本は「後進国」加谷珪一
内容は古典的であるが極めてオーソドックス・ベーシック
問題は実行する力 世襲体制の打破につながるか
コロナショックが良い機会
世界輸出シェア 日本は9%→4% 中国は11%へ ドイツは変わらず8%
日本は中国に地位を奪われた 代わる戦略がなく「じり貧の30年」
生産性は低いまま 長時間労働 輸出/GDPは上昇 円安効果 たたき売り
⇒本来はビジネスモデルの転換が必要 ex米国のIT産業 時価評価額に反映
成長分野への取り組みが弱い 既存ビジネス中心
炭素繊維・自動車・デジカメ・マイコン・産業ロボット・白色LED
新陳代謝の低さ=少ない倒産件数 ドイツとの違い2012年倒産法 破産処理の強制
2009年中小企業円滑化法 すべての中小企業を救う
人材育成 日本の経営者はノンプロ
2014年伊藤邦雄レポート「持続的成長への競争とインセンティブ」
日本企業は短期主義経営=コストカットによる利益の捻出・設備投資の抑制
長期的なイノベーション投資がなされていない
⇒①現実を直視する勇気②当たり前のことを当たり前に実行する
通勤コスト@1百万円/年 広域分散する東京の低い人口密度
Posted by ブクログ
第3章の日本は儲かるビジネスができていない、企業の経営視点が極めて短期的になっている、などの議論は心に来るものだった。目の前の仕事に一生懸命に取り組んでも、マクロ的に見た場合、自分自身の働き方は生産性を悪くしていることに繋がっているのでは?豊かさに繋がっていないのでは?と感じて悲しくなった。