瀬那和章のレビュー一覧
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ネタバレ今まで沈黙を貫いていた水晶妃・灰麗がついに百花輪の儀に参戦してきた。そして、突然五つの災い託宣を告げ、それを回避するには灰麗が皇妃となる事だと言い出した。その託宣通り、災いが次々と起こり…
あれだけ引きこもりだった來梨が、率先して民を救うべく動き始めた事に驚きました。
そして灰麗との掛けで小夏が去り、芙蓉宮の侍女は明羽のみ。ハラハラしっぱなしでしたが、ラストはやってくれました!真っ直ぐ頂点へと突き進む來梨が頼もしいです。
明羽と李鷗のじれったい関係も、少しずつ近づいて来ていますし、これもとても楽しみです。
いよいよ佳境へ入って来て、次で百花輪の儀は決着が付くのでしょうか?今から待ち遠しい -
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面白かった。でも、どの子もわたしにはなれない姿。
イチゴみたいにみんなから愛されないし、レモンみたいにスパイス的な存在にもなれない、桃みたいに美しく手を出したくなる存在でもない。
もちろん強烈な艶やかさを持つマンゴーでも、可愛らしいさくらんぼでもない。
強いて言うならパイナップルかな。
でもシロップ漬けされて、食べやすくもなれないんだ。
そうだな。わたしはアボカドかな。
一応、果実なんだろうけどスイーツには中々選ばれない。熟せば柔らかくて食べやすいけど、女の子には好かれるけど、あんまり男の子には好んで食べられないよね。
きっとアボカドもそんな立場をわかってるし、スイーツみたいに食べられたいとは -
Posted by ブクログ
時代物でかつファンタジーという、ともすれば暴走して自己崩壊を起こしそうな設定を、きっちりとした手綱さばきでまとめ上げている小説。
主な登場人物は主人公の桔梗、侍の静馬、旅芸者の鈴子という三人だが、それぞれ通り一遍の紹介では書ききれない素性と過去があり、そうした裏の要素が物語の中で絡み合い、刀の技と妖の力で戦いを重ねながら結末へと向かっていく。
この物語は、時代物にありがちな勧善懲悪でも、ファンタジーにありがちな英雄物語でもない。やり場のない苦しみと怒りを抱えた者達が、それでも生きようとする人生譚だと思う。
一見重いテーマのように見え、考えさせられるところも多い本書だが、ページをめくると意外な -
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4.5……4.6って感じですが、四捨五入で★5って事にしておきます。
悲しみと狂気に彩られたサイコホラー、これはもう買うしかないだろうと。
そう……ですね、喩えを使わずにこの作品を紹介するのは難しいです。
ホラーな世界観、西部劇のような登場人物。
陰惨で暗鬱で、下劣な本質を惜しみなくさらけ出した演出方法が使われています。
この作品は世間でいう良識派には刺激が強すぎるでしょう、
本当に電撃文庫の作品かと表紙を何回も読み返しました。
その上で――世界には色々ある、と受け入れられる方、
鄙びて退廃した世の中の下層を読み進められる方なら、この本を手にする事が出来るのではないでしょうか。
この主人 -
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