瀬那和章のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高校時代に映画サークルを立ち上げた4人。世間的な評価も高まっていたさなか、突如中心だったサキが突然いなくなり解散になる。そうして十余年が過ぎ、それぞれの人生を歩んでいた3人が直面した過去の真実とは…
そんな粗筋の、女性4人の過去に潰えた夢と、それぞれ「うまくいってない」現実の齟齬に苦しみ悩む物語。フラッシュバックのように過去に撮った映画がエピソードのモチーフと描かれ、一人ひとりの抱えている事情が明らかになっていき、やがてサキが失踪した理由も詳らかになっていきます。筋立てや真実そのものはストレートなものですが、自分のエゴとかつての夢のはざまで苦しむ女性たちの姿がとても現実的に描かれていて共感も抱けました。
「現在」に不満があれば「過去」に目を向けたり目をそらすということは誰でもすることで、彼女たちのように眩い日々があったのならなおさらでしょう。そして訳も分からず消えた彼女にその責を問いたくなるというのも。
自分の人生はあくまで、自分自身の選択肢の積み重ねの結果に過ぎない、ということから、どうしても目をそらしてしまう、それがひとというものだろうから。
映画というテーマがとても効果的に用いられていて、終盤の一連の場面は美しいな、と思いました。「それ」しか知らない彼女の、たったひとつの「愛しい人たちへのメッセージの伝え方」。その純粋な想いは、「過去」に囚われていた彼女たちに「未来」へ歩む力を与えてくれるものに違いないと、そう感じたのでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大手メーカーに勤務する、同期の女性4人。
それぞれタイプの違う彼女たち、四者四様の恋と生き方を描いた連作短編集。
第一話「イチゴになりたかったわけじゃない」
言い方悪いけど、イチゴ=量産型女子!って感じで、まさにありふれた話だった。
たしかに強烈な個性を持つ“マンゴー”には太刀打ちできないかもしれないけど、それでも最後に選ばれるのはやっぱり王道のイチゴだと思うけどなぁ。
だいたい個性って、意識したところでそうそう出せるもんじゃないから。むしろイチゴの安定感って、けっこう貴重だと思うよ。
第二話「気がつくとレモン」
この話がいちばん切なかったわー。
結局いつだって、(あざといってわかってても!)わかりやすく可愛い“さくらんぼ”がモテちゃうんだから、やってられんわー。笑
でも、世の中いちばん頑張ってるのはレモンみたいな子だからね。報われてほしいなぁ。
第三話「パイナップルは傷つかない」
まだ途中なのに、なんだか総括的な話だった。
この、恋がはじまりそうな感じ~で終わるところがいい。
第四話「ピーチだったことは忘れて」
いちばん共感できなかった話。なぜこのお嬢様は、二股かけてることに微塵も罪悪感がないのだろう?と思って…。だけど、いちばん考えさせられた話でもあった。
現状から逃げたかったわけじゃなくて,納得できる形で受け入れたかった~という台詞に、ハッとさせられた。たぶん、他の女性たちにも当てはまることだと思うし。
もう綺麗な桃じゃないってことを自分だけが知っていて、その秘密を隠し通さなければいけない…だけど、秘密を持ったことで、これからどんなときも自分らしくいられる~という結論が、なんとも深いなぁと思った。
第五話「フルーツパーラーにはない果物」
それぞれの後日談。
みんな自分にはないものを求めて憧れて…だけどそんな自分のことも、やっぱりどこか憎めない。
今までもこれからも、自分は自分と生きていくしかないのね~という感じのまとめ。
恋愛についてどうこう~というよりも、女の生き方と友情について再確認できた作品だった。 -
Posted by ブクログ
今の自分がどこか好きになれない、職場は同じだけれど性格も外見も全然違う二十代後半の四人の女性たち。
合コン女王、お笑いキャラ、理系女子、生粋のお嬢様。
「フルーツパーラーにはない果物はなんでしょう」という理系女子 桧野川が放った何気ない質問が、彼女たちの中に思わぬ波紋を広げ、一話ごとに一人ずつ自分の生き方を見つめ直していくことになる。
桧野川の視点に戻る第五話が好き。「私たちはみんな自分のことが嫌いで、いつだって誰かを羨んでいるくせに、人生をまるごと取り替えてあげようかと言われると、悩んだ末に断ってしまうくらい自分に執着している」という一文にどうしようもないくらい心が揺れた。