【感想・ネタバレ】花魁さんと書道ガールのレビュー

あらすじ

書道一筋の内気な大学生・多摩子は、祖母の部屋で古びた簪を見つけた夜、春風と名乗る花魁の幽霊に取り憑かれてしまう。「本物の恋を見ることができれば成仏するかもしれないよ」という幽霊の言葉を信じた多摩子は、春風に体を貸して恋に悩む人の相談にのり、花魁の巧みな手練手管で恋愛を成就させることに。かくして妖艶な花魁と地味な書道ガールによる「最強の恋愛アドバイザー」が誕生した。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 幽霊が封じられていた簪を見つけたことで始まる奇妙で、滅茶苦茶な、人生を変えてくれるような『恋』を探す物語です。

 主人公は書道の先生を目指す女子大生。今まで書道のことにしか興味がなく、ファッションもメイクも人付き合いも苦手な、なんとなくもっさりとした自分に自覚がある。ある日二人暮らしをしている祖母が入院することになり、入院準備のために入った祖母の部屋で桐の箱にしまわれた美しい簪を見つけた。つい魔が差してその簪を頭に挿してしまったのがきっかけで、妖艶な花魁『春風』の幽霊に憑りつかれることに。彼女は成仏させたければ恋の話を集めろと言うが。

 色恋や人間関係の手練手管に長けた花魁の幽霊による恋愛相談のお話です。ところどころに吉原の話や書の話が絡んでくるのも魅力の一つだと思います。
 私は誰かに恋をすることなく大人になってしまったので、身を焦がすような恋も、誰かのためになりふり構わず必死になる恋も、物語の中でしか知りません。春風さんに持ち込まれる恋愛相談の内容が一般的な悩みなのかそうでないのかは分かりませんが、私にはどれもキラキラして見えました。

 いつかするかもしれない『恋』を楽しみにできるような一冊でした。

0
2024年12月20日

Posted by ブクログ

現実的ではないけれど
こんなことがあってもいいなと思わせてくれる一冊

創元推理文庫なのに
推理小説ではないのではないかな

0
2024年08月05日

Posted by ブクログ

「自分で言い訳を作って諦められるような恋を、あたしは認めない」

一夜限りの恋。けれど本気の恋をする場所ー吉原。
そんな場所で生きた花魁の幽霊、春風。

「女だけで酒宴が開けるたぁ、いい時代になったもんだね。こんな自由に色恋の話ができるのは愉快じゃないか。でも、自由と引き換えに意気地と気位をなくしたとあっちゃあ、不自由の方がまだマシってもんだけどね」

主人公の多摩子(通称おタマ)は、そんな春風さんと共に様々な人の恋の相談にのって解決していく。
そして多摩子はその中で、恋にはたくさんの色々な想い(カタチ)があることに気づく・・・。

0
2018年01月11日

「小説」ランキング