売野機子のレビュー一覧
-
購入済み
宇宙飛行士になるための指南書
日本語英語どちらも不自由な女の子・ありすを、学力お化けの男の子・犬星くんがフォローし、宇宙に行くという夢を目指して、階段を探して登っていくという物語。
一見読者とはかけ離れた特徴の主人公2人だけど、それぞれの生きづらさみたいのがそこまでシリアス感なくでもわかりやすく描かれているので、キャラ像がはっきり見やすい。
宇宙飛行士になるためには!のステップを主人公たちと一緒に見ていく感じがとてもワクワクする。
ありすの感性、犬星くんの知識、それぞれが組み合わさって課題をクリアしていく様が面白い。
ちょっと上手くいきすぎだろーって思うところもあるけどね。これはあくまでフィクションなので、これの通りに頑 -
Posted by ブクログ
科学漫画かと思って手に取ったのだが、実は言語漫画だったという面白さ。
言葉を得ること、自分の思いを言語化することで、ありすが新しい世界を発見していく。
宇宙飛行士になるという目的があり、どうやらそれは達成されるらしい。
しかし、ありすは他の人の言葉が理解できていない様子…。そこへ犬星くんという勉強マニアな生徒が現れて…といったストーリー。
普通に考えれば、勉強を教えるストーリーなのかと思ってしまうのだが、この漫画は表面的な学習ではなく、白紙に近い純粋な女の子が言葉を増やし、自分の思いを理解しながらどんどん成長していくストーリーになっている。
とくに顕著なのが色を理解することと、言葉との関係を -
Posted by ブクログ
朝の情報番組で紹介されていて,宇宙兄弟のような世界観が広がっているのかが気になって読んでみました。
宇宙兄弟ではある程度成長仕切っている登場人物が多いように思えました。南波兄弟とか人生の負け組の兄と勝ち組の弟がいる対比スタートでしたが元々の能力が高い兄弟だったように思えました。それと比較して主人公「ありす」はスタート地点がマイナススタートの印象が強かったです。なり損ないの「バイリンガル」器用貧乏にさえなっていない状態からの成り上がり物語それが今作の成り立ちです。
本当に一から勉強する過程を描いてくれているのが好感を持てて,色の違いや気持ちの表現方法だったり一瞬馬鹿らしい勉強…となる内容な -
Posted by ブクログ
今回も面白い!
ポジディブな気持ちになれるし、
自分の母語を、ルーツを愛したい気持ちになる。
自分もドイツ語の知識でオランダ語がなんとなく分かった経験があり、今回の話で言語の面白さを追体験することができた。
話者が多いからといって英語に合わせず、母語で通じ合える子どもたちの姿に励まされた。
自分の居場所を探し求めてきたありすにとって、地球が自分の家だと思えたのは救いでもあり、それは宇宙に興味が無ければ知ることのなかったこと。ありすが宇宙飛行士を目指すきっかけを与えた犬飼くんもありすの考え方に救われている姿がとても良いバディ関係。
サバイバルキャンプで出た資源転用の考え方や直感から始まる人類の発 -
無料版購入済み
おもしろかった
今年読んだ漫画で一番面白いかもしれない
宇宙飛行士を目指す話ってとっつきにくいかな?という印象もすぐに吹き飛び、不安定ながらもぐんぐん進んでいく2人を応援したくなる -
Posted by ブクログ
子供が変える可能性。
小学2年生の頃、初めて掛け算を習った時、記号が分からなくて、毎日間違えて、クラスでもバカにされた。小学5年生になっても苦手は変わらず、落ち込んでいた。すると6校時の新しいカリキュラムに「はげみ」という取組みが追加された。
苦手と思う分野をひたすらやっていい、というもの。今だったら得意なものを伸ばせってなるものを、苦手を思う存分やれということだった。
算数は職員室前に約300個のレターケースが置かれ、一番左側の上段のケースには「レベル1」と書かれていて、小学1年生のプリントが入っている。
「はげみ」にはルールがあった。それは、『レベル1から行うこと』だった。小学5年生に -
Posted by ブクログ
なんてすごい漫画なんだろうか。
第一話目のありすの心の声「やめて」。これを読んで主人公ありすへの違和感を感じた。そして彼女に犬星くんが言った言葉「君は何にでもなれる」。それに対するありすの素朴な疑問。
「生まれ変わらなくてもいいの?」
自分の生まれや育ちを不幸だと決めつけて、頑張ることや結果を出すことに怯えて、かっこつけたい訳でも、誰とも付き合いたくないわけでもない。中途半端にうじうじすることは、ただの努力不足なんかじゃなく、走り出しで躓いた人の、かさぶたなんだと思った。
ありすは、心の気持ちを言語化できない。色の名前がわからない。美しいものを素直に言葉にしたいのに、形容すべき言葉がわか -
購入済み
この作者さんのコミックスを初めて読みました。
絵柄もストーリーもキャラクターもとても良かったです。あとがきにもありましたが、2人を見るだけでハッピーな、暖かい気持ちになれるような感覚でした。言語化が難しいのですが、絵柄、ゆるほわな文字や散りばめられた絵文字など、80ー90年代?の少女漫画のような雰囲気も持ちながらも今の時代にブラッシュアップされているような雰囲気を感じました。
クィアの痛みや周囲の反応なども、自然と描かれ、そこに存在しているという感じがして、すごく勇気づけられました。男性×男性をメインにした作品はこれだけなのかな?天馬とウノくんのその後はもちろん、他にも色々ボーイズラブを書いて -
Posted by ブクログ
怪談で自分が恐いと思うものを知る。アートの授業で、海外の絵は日本から影響を受けたものがあると知る。言葉や国が違っても、アートを共通言語として通じるものがあり、人と人とのつながりが現代につながっている。これに自分はロマンを感じるから、すごく好みの話だった!
今まで、自分は日本出身なのに、日本のことにあまり興味を持とうとしてなかったな、という引け目を感じていたが、住んでるからこそ分からないという犬飼の言葉に、ちょっと救われた。でも、この国の芸術や文化を知れば知るほど愛着が湧くんだと気づくことができた。
大人になっても子供の脳はある。大人になっても脳は変わり続けられる。まるでありすのように、犬飼く -
Posted by ブクログ
本棚にある本は自分を表す。作者と読者の間に横たわる親密な部屋への招待を受け入れること。
犬飼くんが本をたくさん読んできたからこそ、ありすを前に進めることができ、前向きなありすの存在が犬飼くんを励ましている。
正反対のように見える2人だけど、自分の存在を証明したい、という思いは共通していることに犬飼は気づく、
最高のバディ関係。2人なら遠くまでいけそう。
私ももっと本を読んで視野を広げたいと思った。
全部自分でやれるようになる、という狭い思考に入りがちだから、人に頼れるようになるのも大人で、それが緊急時の問題解決力になる、ということに気付かされた。
種子島のロケット打ち上げ、いつかこの目で見 -
Posted by ブクログ
「不自由を感じたことがある人ほど、宇宙では自由になれる」
ありすみたいに勉強の楽しさを感じながら生きていきたい!新しいことを知るって、楽しい。世界をもっと知りたい。
でも同時に、勉強するほど自分が知らないことを突きつけられるという犬飼くんの言葉も分かる
指示を聞くだけじゃなくて、自分たちの力で解決する問題解決能力っていつでも必要だと思った。刺さる。
童話が受け継がれてきて様々な変化を遂げ、完全な正解は無いというのも印象に残った。恋と嘘に思いを馳せてしまう…
演劇を通してウソの世界に入り、己を知る。
演劇で必要な能力は私も感じていたことだったので、すごく共感した。
こんなにも自分の人生と -
Posted by ブクログ
1話試し読みで感極まった…!最新刊まで大人買い!
1人の少女の自己理解と夢を叶える話。
『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』好きな本が参考文献に使われていて、今までの自分が肯定されたような気持ちになって嬉しかったな。
夢を思い描くこと、叶えるために明日する努力を逆算し考え続けること、自分の強みを知ること、気持ちを言語化すること、いくつになっても心に留めておきたい。この漫画を読んで感じたワクワクをいつまでも感じられる人生を歩みたいと思った。
3番の、自分はコミュニケーション能力が高くない自覚があり、宇宙オタクだからこそ、宇宙飛行士になれないと思っているセリフに共感した。周りのキラキラしてる