売野機子のレビュー一覧
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『MAMA』の方を先に読んで売野さんの絵柄や話が好きになり購入しました。
作品集ということでいろいろな題材の短編が収録されていました。
その中でも特に好みだったのは『遠い日のBOY』と『晴田の犯行』でした。
『遠い日のBOY』は最後のページがコマ数の割にすごくこの話のかわいさが伝わってきた点がとても印象に残りました。
『晴田の犯行』は打って変わって全体的に胸にささる言葉が印象的でした。なんというかキラキラ輝く青春に希望をもつ時代を終えた自分にはとにかく突き刺さる…
上記の二つを含めて全編どれも人物が際立つ話だったと思います。心の機微を描く漫画が好きな自分にはとても魅力的な作品でした。
ただ -
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ネタバレ2巻までは全体の構成がつかめずに、「このエピソードもう終わり??」てなっていたんだけど、3巻が出てようやく一人一人の物語を追っていく構成なんだと理解できた。これはもしかすると結構長くなるのかな…?
3巻は1冊できれいに完結しているエピソード。
夏至祭の季節。
毎日ストイックに練習に励み、神に祈りをささげるシオン。そんな彼が、バレエアカデミーで合宿に来ていた少女デボラと出会う。デボラはシオンと同じくバレエにストイックに打ち込む少女だった。恋愛が禁止されている中、自分に似ているこの相手なら恋に落ちずにいられる、と二人は思い、逢瀬を重ね、夏至祭に二人で参加する。
一方、クワイアの図書室には在学 -
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「彼女は漫画を見つけ、世界は売野機子を見つけた。」
上條淳士先生(仕事しろ)が帯に書いたこの名文を見よ!
売野さんの全てを表す素晴らしく素敵なこの推薦文をひっさげて発売された作品集「薔薇だって書けるよ」からの大ファンです。
洗練されていて欲しい。けど、洗練されすぎないで欲しい。
この昭和と平成の狭間に揺れる微妙な私の漫画心をくすぐる、なんとも言えず古くて新しい絵柄であり作風なんです。間違いなく絵うまいんだけど、なんでだろう・・・どっか古き良き少女漫画を読んだ時のような懐かしさを感じる。「花の24年組の再来」と呼ばれているらしいですが、本当に、大島弓子、萩尾望都、竹宮恵子、木原敏江・・・こ -
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天使という死に至る少年達の心境が染みこむ第2巻。
善くありたい欲求は拒めない。第2巻の主人公となったアベルは愛を失うことを何度も体験し、それを求める者のに対しても八つ当たりともとれるような行動をした。天使という純粋無垢なイメージとは逆方向なその行動からは彼が選ばれるとは思わなかった。だが、彼は選ばれた。様々な葛藤や迷いを持ち続けながらも生き、その昇華によって天使に選ばれる。ミカが言い放った善くありたい欲求は拒めないというセリフ通り彼が天使になることは必然だったのか、天使になる条件は人為的な策略により選ばれるかもしれませんがそれぞれ死を迎える少年たちが生きる上での苦しみを昇華している様子を -
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天使候補の少年アベルが火事で死んだ。
彼は「天使になったから」死んだのか、それとも「火事で」死んだのか?
「天使になったら死ぬ」その真相は?
今回は少年同志の肉体関係もストレートに描かれていて、「匂わす」程度ではなかったのでご注意を。
アベルが変貌した理由、親しくしていた少年ユージーンの死。
「天使」という特殊条件ではあれど、死をどう受け入れるかというテーマにもつながるところがあって興味深く読んだ。
2巻までが「序章」という感じ(綺麗にまとまってしまったので、一瞬本来の主人公の存在を忘れて、2巻で終わりか?と思ってしまった)。
次からまた物語が動き出すかな。 -
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・「そして雪を見てもこのせつない気持ちなんてぜんぜん思い出さない大人になるのだ」
・「島から島へ島流し?」「ここは北の島。ハネムーンと言ったら南に決まってる」「行くわ行くわ」
・「マギィ・マギィ・ワンダリン ムーンライ、ラビットアイ ボンジュール・ボヌール しあわせになりたい」
・「最終的にはみんなそれ使って地球誕生の瞬間を見たりするんだと思う。人間ってそーゆー愛しい生き物だよ」
・「朝生のゴミとあたしのゴミが混じり合う。どうしよう。ドキドキする」
・「重くて何が悪いんだよ。不確かなモンに100%身預けられる女なんてかわいいだろバーカ」
・「永遠の愛なんて無いかもしれないけど、永遠の愛を信じて -
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ネタバレ一昔前の少女漫画の流れを思わせる寄宿学校モノ。閉鎖された舞台にたゆたう少年たちの妖しい美しさが綿々と流れるけど、絵柄がさっぱりしてるので耽美になりすぎず読めるのが美味しい。
ただ、近代的なキリスト教社会を思わせる舞台はあまり異世界っぽくなく、おかげで天使の設定を「え、これ本当? 何かの実験や陰謀を隠してるとかない?」と無駄に疑ってしまったのが少し残念。
ガブリエルはママを卒業してしまったけど、タイトルはMAMA。少年たちの関係がメインと思わせて、それぞれの母子関係のほうがテーマなんだろうか。
ラザロくんのお母さんはいい人で、だからラザロくんも優しく育ったんだろうけど、彼がそういったプラ -
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ネタバレ表題作は、他人とのつながりを巧く保てない人々を星々に例えて描く中編。
主人公の占いに木星等の単語は出てくるが、語呂が良いから選んだだけで、惑星(プラネット)に大きな意味は無さそう。
頻出する夜空の星は殆ど恒星だし、主人公のイメージはスペースシャトルだ。
話が散って纏まりが無いようにも感じるが、「混沌」を意図してのことだろう。
その中でも特に作者が一番描きたかったのは、表紙絵の妙齢の男女の中で明らかに浮いている、精神遅滞のおばさんかもしれない。
ビジュアルや話の重さの点で、恋愛主体の少女漫画で描くには不向きだと判断し、脇役としてこっそり登場させたのではないだろうかと深読み。
泣かせるところは -
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表紙に惹かれたのと設定が面白そうだと思ったので購入。才能を持つものと持たざるもののコンプレックスを刺激しているいい作品だと思いました。
本当のうたごえを持つ者は死ぬ。この設定が作品の根幹にあるおかげで少年たちの人間関係がより一層面白くなりそうですね。才能があるとわかったら死につながる、そんな呪いめいたものに振り回されそうな主人公のガブリエルや他の少年たちの儚さがなんとも良い雰囲気を醸し出しています。才能に縛られたコンプレックスを解放するとき彼らがどう転がっていくのかも楽しみなところです。
天使になるという名目で死の階段を歩まさせれてる少年たちの行く先はどうなるのか。それぞれが持つ傷の