売野機子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ありす宇宙までも」を読んだ。2025年マンガ大賞の作品。
あまりにも良すぎて、こういう作品に人生であと何回出会えるんだろう…って考えてしまった。
夢を叶えるには知識や経験も必要だけど、結局一番大切なのは「叶えるんだ」と思い続ける心なんだと思わされた。
不遇な環境で育った子どもが強い心で挑戦していく物語を読むたび、環境に恵まれて育った自分はそんな強さを持てない気がして、少し嫉妬していたことを思い出した。
でもきっと違う。
支えてくれる環境があるからこそ、当たり前に強い心を持って、恐れず挑戦していいんだ。
いつか大きくなった娘に読ませたい。
大人にも子どもにも刺さる、出会えてよかった大切な一冊。 -
購入済み
宇宙飛行士になるための指南書
日本語英語どちらも不自由な女の子・ありすを、学力お化けの男の子・犬星くんがフォローし、宇宙に行くという夢を目指して、階段を探して登っていくという物語。
一見読者とはかけ離れた特徴の主人公2人だけど、それぞれの生きづらさみたいのがそこまでシリアス感なくでもわかりやすく描かれているので、キャラ像がはっきり見やすい。
宇宙飛行士になるためには!のステップを主人公たちと一緒に見ていく感じがとてもワクワクする。
ありすの感性、犬星くんの知識、それぞれが組み合わさって課題をクリアしていく様が面白い。
ちょっと上手くいきすぎだろーって思うところもあるけどね。これはあくまでフィクションなので、これの通りに頑張ったとして宇宙飛行士になれるわけではない^^; -
Posted by ブクログ
科学漫画かと思って手に取ったのだが、実は言語漫画だったという面白さ。
言葉を得ること、自分の思いを言語化することで、ありすが新しい世界を発見していく。
宇宙飛行士になるという目的があり、どうやらそれは達成されるらしい。
しかし、ありすは他の人の言葉が理解できていない様子…。そこへ犬星くんという勉強マニアな生徒が現れて…といったストーリー。
普通に考えれば、勉強を教えるストーリーなのかと思ってしまうのだが、この漫画は表面的な学習ではなく、白紙に近い純粋な女の子が言葉を増やし、自分の思いを理解しながらどんどん成長していくストーリーになっている。
とくに顕著なのが色を理解することと、言葉との関係を説いた1話。
ありすが美しいという言葉を嫌う理由、色がわからないという理由を的確に捉え、色がわかることの感動を描いた話でとても良かった。
この漫画はどこをとっても、言葉を知る、言葉を得る、言葉にするといったことの感動的な部分を鮮やかに描いている。
ありすを通して私たちも、理解することの感動を再発見できる。
忘れてしまっていた”わかる”という感覚の尊さを追体験できるのは、とても新鮮だった。 -
Posted by ブクログ
朝の情報番組で紹介されていて,宇宙兄弟のような世界観が広がっているのかが気になって読んでみました。
宇宙兄弟ではある程度成長仕切っている登場人物が多いように思えました。南波兄弟とか人生の負け組の兄と勝ち組の弟がいる対比スタートでしたが元々の能力が高い兄弟だったように思えました。それと比較して主人公「ありす」はスタート地点がマイナススタートの印象が強かったです。なり損ないの「バイリンガル」器用貧乏にさえなっていない状態からの成り上がり物語それが今作の成り立ちです。
本当に一から勉強する過程を描いてくれているのが好感を持てて,色の違いや気持ちの表現方法だったり一瞬馬鹿らしい勉強…となる内容なんですが。自分の考えを言葉として吐き出すことができる人って言うほどいないんじゃないかな?とも思う。「好き・嫌い」という言葉は使っても何が好きなのか?なぜ嫌いなのか?と深堀りしていく大切さを教えてくれますよ。
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Posted by ブクログ
今回も面白い!
ポジディブな気持ちになれるし、
自分の母語を、ルーツを愛したい気持ちになる。
自分もドイツ語の知識でオランダ語がなんとなく分かった経験があり、今回の話で言語の面白さを追体験することができた。
話者が多いからといって英語に合わせず、母語で通じ合える子どもたちの姿に励まされた。
自分の居場所を探し求めてきたありすにとって、地球が自分の家だと思えたのは救いでもあり、それは宇宙に興味が無ければ知ることのなかったこと。ありすが宇宙飛行士を目指すきっかけを与えた犬飼くんもありすの考え方に救われている姿がとても良いバディ関係。
サバイバルキャンプで出た資源転用の考え方や直感から始まる人類の発見はすごく共感できる。
夢を見て終わるのではなく、そこから問いを立て、仮説検証をすることも忘れずに行いたいと感じた。
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無料版購入済み
おもしろかった
今年読んだ漫画で一番面白いかもしれない
宇宙飛行士を目指す話ってとっつきにくいかな?という印象もすぐに吹き飛び、不安定ながらもぐんぐん進んでいく2人を応援したくなる -
Posted by ブクログ
子供が変える可能性。
小学2年生の頃、初めて掛け算を習った時、記号が分からなくて、毎日間違えて、クラスでもバカにされた。小学5年生になっても苦手は変わらず、落ち込んでいた。すると6校時の新しいカリキュラムに「はげみ」という取組みが追加された。
苦手と思う分野をひたすらやっていい、というもの。今だったら得意なものを伸ばせってなるものを、苦手を思う存分やれということだった。
算数は職員室前に約300個のレターケースが置かれ、一番左側の上段のケースには「レベル1」と書かれていて、小学1年生のプリントが入っている。
「はげみ」にはルールがあった。それは、『レベル1から行うこと』だった。小学5年生にもなって、レベル1をするのは自分しかいなかった。ひと目を気にして挙動不審な感じでさっとプリントを取った日から、一年後。小学6年生の頃には数学Ⅲの積分をしていた。計算ミスは多かったものの、自力でインテグラルdxを解いていた。それがレベル300だった。
ちなみにレターケースのプリントはそれぞれ100枚ずつ入れていたらしく、卒業式の時、クラス担任からレベル300のプリントの枚数を数えるように言われた。99枚だった。
中学校に上がって、高校に上がって、大学に通って、今の仕事に就いて、それぞれで自分にしかできないちょっぴり自慢を作って大人になった。
盛大な自分語りになってしまったけど、そんなことを余裕で思い出してしまうくらい、この漫画のテーマは壮大なのだと思う。 -
Posted by ブクログ
なんてすごい漫画なんだろうか。
第一話目のありすの心の声「やめて」。これを読んで主人公ありすへの違和感を感じた。そして彼女に犬星くんが言った言葉「君は何にでもなれる」。それに対するありすの素朴な疑問。
「生まれ変わらなくてもいいの?」
自分の生まれや育ちを不幸だと決めつけて、頑張ることや結果を出すことに怯えて、かっこつけたい訳でも、誰とも付き合いたくないわけでもない。中途半端にうじうじすることは、ただの努力不足なんかじゃなく、走り出しで躓いた人の、かさぶたなんだと思った。
ありすは、心の気持ちを言語化できない。色の名前がわからない。美しいものを素直に言葉にしたいのに、形容すべき言葉がわからない。
やはり、義務教育というのは残酷だと思う。ドロップアウトできないのに、雰囲気で学校にいないといけない。学校の雰囲気になった人になんか人権はない。発言力がある奴しかスポットライトは当たらない。
だからこそ、勉強は必要なのだ。悔しいし認めたくないのはわかるけど、勉強しないと、気持ちを伝えることができない。気持ちが伝わらなければ、存在しない人になってしまう。
生まれた時に自動的に与えられた権利よりも、勉強によって能動的に身につけていくことの方が、鋭い時がある。
この漫画はただの青春漫画や学習意欲向上漫画でもない。もっとずっと哲学的な部分が濃い漫画だと思う。
さすがマンガ大賞2025受賞作。
次巻、買います。 -
購入済み
この作者さんのコミックスを初めて読みました。
絵柄もストーリーもキャラクターもとても良かったです。あとがきにもありましたが、2人を見るだけでハッピーな、暖かい気持ちになれるような感覚でした。言語化が難しいのですが、絵柄、ゆるほわな文字や散りばめられた絵文字など、80ー90年代?の少女漫画のような雰囲気も持ちながらも今の時代にブラッシュアップされているような雰囲気を感じました。
クィアの痛みや周囲の反応なども、自然と描かれ、そこに存在しているという感じがして、すごく勇気づけられました。男性×男性をメインにした作品はこれだけなのかな?天馬とウノくんのその後はもちろん、他にも色々ボーイズラブを書いてほしい、読んでみたいと思いました。