あらすじ
超絶イケメンで昔から女の子にモッテモテ。でも取り柄は見た目だけで、肝心の"中身"をなにも持たないことにずっと悩んできた常盤一郎。ある日一郎は、姉で超人気占い師である「トキワ未来」と勘違いされたことから、占いを求めて連日押し寄せる女性客を相手しなければいけなくなり……? 「みんなひとりぼっちで みんなつながってる 混沌のなかで」――多方面から賞賛を浴びる『薔薇だって書けるよ』の売野機子、最新作!!
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ワッフルが自慢のカフェで読んでいたのだが、表題作のラストと嗅覚で偶然の一致、胸いっぱいに生地の匂いが広がって、なんだかそれだけで一等コウフクになってしまった 安いものだ 普段は占いなんて非科学的な!と言ってしまうタイプのわたしだけれど、これすっごく気に入りました 「読み解けば読み解くほど 愛おしく思えてきちゃうのね」
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少し寂しくて、とてもとても優しい機子さんの漫画。
気が付いたら涙がぼろぼろ出てしまった……。
でもね、みんなしあわせになるの。そんな正統派少女漫画。
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タイトルと、絵柄に惹かれて購入しました。
すごく良かったです。
何度も読み返して、その度に心象描写に深みが出てくる、これからも大切にしていきたい作品です。
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裏表紙の作品紹介に「売野機子が描くのは『偽占い師』と『秘家族』(偽と秘には○がついてる)」とあるが、編集学校的に言えば「『秘占い師』と『偽家族』」とも。2作収録。どちらも秀作。そして、私にしてみれば久々のヒット。
どちらの作品も、人がエッジの上にいるような危うさで繋がっている。いつでも切れていていつでも繋がっているような。
その絶妙さがとても痛い。し、辛い。
ホントの自分を見て欲しい。でもホントの自分を見られたら、みんな逃げていくの。誰も信じてくれないの。
ただただ、シンプルに。人とつながりたい。つながっていたい。それだけなのに。
イケメンであるという特性を持つがゆえに、その部分に人が吸い寄せられ、「からっぽ」である真実の自分をさらけ出せない男。さらけ出せないところへたまたま「占い」というツールが自分にあって、それがフィルターとなって防御にもなり毒にもなり。
イケメンであれば嘘つきでもいい。占い、嘘つき。人はそこしか見ていない。しかも、嘘をつかれていると思っていない。そういう当世のお遊びのような約束事からはぐれざるを得ない男のロンリープラネット。
誘蛾灯のように吸い寄せられる者たちの孤独も痛い。「ホントの自分」は、さらけ出したらおしまい。どこかにそっと仕舞っておくようなものなのだ。おそらく。
だから、人は「出会い」に期待する。こんどこそ。こんどこそ。
それに応えられない己(相手)の辛さ。人が孤独を抱える構図。そこを絶妙に突いているのが本作。
初期の大島弓子をも思わせる作風。
FBでの付き合いにこの作品の世界観を置き換えるとさらに絶妙。
私はわりとおもしろがられる方です。そして、わりと勝手に去っていかれるんですよ。
だから、人との出会いは慎重になるんですよ。奇妙な期待もしませんねー。
相手も自分もできるだけ傷つけないよう、誠意を持ってやりますが、やっぱり未熟ですから。
化けの皮は剥がれます。その奇妙な気遣いが孤独を呼ぶのです。
そんなあらかじめ割れた卵のようなものを後生大事に抱いている者にとってはとても痛い、『ロンリープラネット』。
あと、血のつながりだけが家族ではないとはたまに言われることだけど、ここでの「家族」「夫婦」の形はほんっっっとに絶妙。
それぞれの抱える秘密と孤独という利害が瞬時折り重なったときが「本当の出会い」。それは「奇跡」にちかい。
それが巻末収録の『その子ください』。
「僕たち長らく戦友だった」。
いや、長らく、でなくともよい。
ほんの少しのあいだだけでもいい。
僕たちほんの少しのあいだ、戦友だった。
それぞれの「秘密」を抱えたまま、そのあいだあいだをつないでいくのが日々。人生か。
こんなふうに書くと重い作品に思えますが、少女漫画のコメディー風味だし、読後感はとてもいいところに落ちますよー。
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顔は良いのに中身はガッカリなへたれイケメンとその周りの人たちの恋愛模様。
表題作の長編もそこそこ面白くは読めたのですが、巻末の短編の方が好きですね。子ども目線で描いた特殊な事情のある家族の物語なんですが。
リアリティよりも少し虚構性ある雰囲気にした方が作風に合っているからかな?単に私が昔の少女漫画を懐かしんでるだけかもしれません。
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表題作は、他人とのつながりを巧く保てない人々を星々に例えて描く中編。
主人公の占いに木星等の単語は出てくるが、語呂が良いから選んだだけで、惑星(プラネット)に大きな意味は無さそう。
頻出する夜空の星は殆ど恒星だし、主人公のイメージはスペースシャトルだ。
話が散って纏まりが無いようにも感じるが、「混沌」を意図してのことだろう。
その中でも特に作者が一番描きたかったのは、表紙絵の妙齢の男女の中で明らかに浮いている、精神遅滞のおばさんかもしれない。
ビジュアルや話の重さの点で、恋愛主体の少女漫画で描くには不向きだと判断し、脇役としてこっそり登場させたのではないだろうかと深読み。
泣かせるところはしっかり泣かせに来るし、合間にはクスリとくるようなやり取りもあり、いいバランスだった。
巻末の『その子ください』は文句ない出来。
未熟ながらもそれを自覚して、強く優しくあろうとする主人公の心はとても美しく、感動させられた。
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作者さんの他の短編集が好きだったので、古本屋で買ってみたが、しばらく読み進めると「あれ…これ読んだことがある…」と嫌な予感がし、やはり以前読んでしかも売っていたことが判明。情けない。
気を取り直し再読したが、う〜ん、インパクトがない。淡々としすぎているというか、短編同士のつながりが弱いというか。
あと、大島弓子さんの劣化版のようで、読んでてちょっとつらかった。あれは大島弓子さんだからこそできる芸当なのだな。
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この人は、これからどんどん良くなっていくんじゃなかろうか、と大いに期待して、毎度、読んでいる。今作も、とてもとてもいい。キャラクターの独特な切ない感じが、僕は好きなんだと思う。(13/5/19)
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昔っぽい少女漫画風の絵柄だけど、どこか現代風な部分もある。
でも、少女というもののとらえ方は、なんとなく80年代風をおもわせるところもある。
星、というモチーフに惹かれて読んだものの、星は星でも星占いだった。
Posted by ブクログ
雰囲気を楽しむ漫画。ふわ~っと飛ばしてふわ~っと落ちる紙パラシュートのよう。
主人公の美青年は、地味専なんかな。最後のタイヤキ屋のお姉さんとのくだりが素敵。