あらすじ
超絶イケメンで昔から女の子にモッテモテ。でも取り柄は見た目だけで、肝心の"中身"をなにも持たないことにずっと悩んできた常盤一郎。ある日一郎は、姉で超人気占い師である「トキワ未来」と勘違いされたことから、占いを求めて連日押し寄せる女性客を相手しなければいけなくなり……? 「みんなひとりぼっちで みんなつながってる 混沌のなかで」――多方面から賞賛を浴びる『薔薇だって書けるよ』の売野機子、最新作!!
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Posted by ブクログ
表題作は、他人とのつながりを巧く保てない人々を星々に例えて描く中編。
主人公の占いに木星等の単語は出てくるが、語呂が良いから選んだだけで、惑星(プラネット)に大きな意味は無さそう。
頻出する夜空の星は殆ど恒星だし、主人公のイメージはスペースシャトルだ。
話が散って纏まりが無いようにも感じるが、「混沌」を意図してのことだろう。
その中でも特に作者が一番描きたかったのは、表紙絵の妙齢の男女の中で明らかに浮いている、精神遅滞のおばさんかもしれない。
ビジュアルや話の重さの点で、恋愛主体の少女漫画で描くには不向きだと判断し、脇役としてこっそり登場させたのではないだろうかと深読み。
泣かせるところはしっかり泣かせに来るし、合間にはクスリとくるようなやり取りもあり、いいバランスだった。
巻末の『その子ください』は文句ない出来。
未熟ながらもそれを自覚して、強く優しくあろうとする主人公の心はとても美しく、感動させられた。