売野機子のレビュー一覧
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ネタバレ一昔前の少女漫画の流れを思わせる寄宿学校モノ。閉鎖された舞台にたゆたう少年たちの妖しい美しさが綿々と流れるけど、絵柄がさっぱりしてるので耽美になりすぎず読めるのが美味しい。
ただ、近代的なキリスト教社会を思わせる舞台はあまり異世界っぽくなく、おかげで天使の設定を「え、これ本当? 何かの実験や陰謀を隠してるとかない?」と無駄に疑ってしまったのが少し残念。
ガブリエルはママを卒業してしまったけど、タイトルはMAMA。少年たちの関係がメインと思わせて、それぞれの母子関係のほうがテーマなんだろうか。
ラザロくんのお母さんはいい人で、だからラザロくんも優しく育ったんだろうけど、彼がそういったプラ -
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ネタバレ表題作は、他人とのつながりを巧く保てない人々を星々に例えて描く中編。
主人公の占いに木星等の単語は出てくるが、語呂が良いから選んだだけで、惑星(プラネット)に大きな意味は無さそう。
頻出する夜空の星は殆ど恒星だし、主人公のイメージはスペースシャトルだ。
話が散って纏まりが無いようにも感じるが、「混沌」を意図してのことだろう。
その中でも特に作者が一番描きたかったのは、表紙絵の妙齢の男女の中で明らかに浮いている、精神遅滞のおばさんかもしれない。
ビジュアルや話の重さの点で、恋愛主体の少女漫画で描くには不向きだと判断し、脇役としてこっそり登場させたのではないだろうかと深読み。
泣かせるところは -
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表紙に惹かれたのと設定が面白そうだと思ったので購入。才能を持つものと持たざるもののコンプレックスを刺激しているいい作品だと思いました。
本当のうたごえを持つ者は死ぬ。この設定が作品の根幹にあるおかげで少年たちの人間関係がより一層面白くなりそうですね。才能があるとわかったら死につながる、そんな呪いめいたものに振り回されそうな主人公のガブリエルや他の少年たちの儚さがなんとも良い雰囲気を醸し出しています。才能に縛られたコンプレックスを解放するとき彼らがどう転がっていくのかも楽しみなところです。
天使になるという名目で死の階段を歩まさせれてる少年たちの行く先はどうなるのか。それぞれが持つ傷の -
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売野機子さん初の続刊連載。
少年合唱団のギムナジウムものです。
クワイア(合唱団)に所属する少年たちのうち、「ほんとうの天使」になれるのは神に選ばれた一握りの者だけ。歌声の美しさが頂点に達すると、命を失い「ほんとうの天使」になれるといわれている――。
日本が舞台の話が多い印象だったので、この内容は予想外でした。
不穏な空気と謎に満ちたストーリーではあるものの、少年たちのバックボーンややりとりなど読ませる部分も多い。ガブリエルの母からの手紙をめぐるラザロとのやりとりから、ガブリエルが過去を告白するくだりはよかった。
まだまだ謎だらけだけど、どういう展開になるのか、続刊が楽しみ。 -
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「ダサい」が気持ちいい。遅れてきた本命。楽園で活躍するBL作家売野機子(ウリノキコ)のデビュー短編集。帯には「彼女は漫画を見つけ、世界は売野機子を見つけた。」という上條淳士のコメントが。読み終えて納得だ。舞台は様々だが、テーマは一貫して恋愛。男女モノもあれば、そうでないものもある。基本的には、「喪失」を描く作家さんだと認識した。ヒロインは物語の中で何かを失い、そしてそこから何かを探し、見つけていく。これらの短編は、いずれもそのどこかの過程を切り取ったものだ。おそらく売野さん自身が、90年代になにかを忘れてきて、憧憬をむけているのだろう。講評としてまず言いたいのは、全体にビジュアルのセンスがない