藤森照信のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
路上観察の藤森さん。著作を読むのは初めて。
目の前の箱庭の中でめくるめく早さで建築を中心とした人類の歴史が展開していくのを見ている感じ。とにかく面白くて一気に読める。
建築を軸として人類を見ると、新石器時代(日本の縄文時代)の頃までは画一化されていたのがその後さまざま文化宗教が発展しててんでばらばらな時代が2000年続き、現在また世界中がコンクリートとガラスで出来た四角い建造物にまとまってきている。ひとつのものが多様にふくらんでまたひとつになった。
【もしかしたら二十世紀をもって歴史が終わったのかもしれない】という著者の言葉に震えを感じる。
恥ずかしながら学んだこと。
・縄文土器は日本の -
Posted by ブクログ
古今東西の建築の歴史を縦横にめぐりながら、著者自身の感じた建築にかんする根源的な問題について論じているです。
エッセイふうの文章で書かれていますが、冒頭から「人類が最初に造った建築は、神様のための神殿だったのか、それとも自分たちの住まいだったのか」という根源的な問題が提起されています。このばあいの「最初に造った建築」とは、最初の「住まい」ではなく、「美しいこと」あるいは「視覚的な秩序があること」という性格をそなえた建築を意味しており、つづいて旧石器時代の洞窟壁画にまでさかのぼって、人類と建築の根源的な関係へと探求を進めていきます。
かならずしもしっかりとした論証がおこなわれているわけではな -
Posted by ブクログ
前半、半分くらいを縄文時代が占めているという、なかなか独創的ですが面白い本。
実験考古学という分野があるそうだが、先生の書かれていた内容も自分で実地体験したものが紹介されている。磨製石器の石斧で実際に気が伐れるものかどうか、実際に試されておられ、おお!と興奮する。
道具と建築の関係、建築が進むには道具にどのような変化が必要か、逆に道具が進化することでどのような建物が建築可能になるか、これはとても面白い視点だった。
また、宗教観と建築の関係も非常に面白い視点だった。宗教は人の文化を考える時に、非常に大きな影響を及ぼしているから、何を検証するにも宗教との関係があるとは思っていたが、地母信仰、太陽信