藤森照信のレビュー一覧
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ネタバレ新書としては、きちんとした記述になっていてよい本だと思います。
入門書にありがちな、薄っぺらい表現もあまりなく、
かといって専門用語ばかり使った分かりにくい本でもありません。
窓、廊下などの建物の部品の考え方と、暖房などの機能について知見を得ることができます。
建物を建てたり、借りたりする前に読むと良いと思いました。
縛る技術が建築学の一部であることを知りませんでした。
建築学の辞書に縛るがあるとは思いつきません。
足場などを縛って作る技術は見たことがあるので、そうかと思った。
赤瀬川源平の試作についても触れていたので一度見てみたいと思った。
建築学というよりは、薀蓄 -
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[ 内容 ]
近代建築史研究一筋だった著者が中世ヨーロッパ建築、さらに初期キリスト教建築、新石器時代の建築へと歴史を遡るうちに気付いたのは、建築の発祥という大問題だった。
何が始まりだろうか?住まいか?
それとも神殿か?
そもそも建築とは何をもって建築というのだろうか?
長い長い年月を経て、石や穴だけとなった遺跡を訪ね、その遺跡のもらすつぶやきに耳をすませて見えてきたものとは?
建築の起源、和洋の違い、日本独自の建築の歩み…「建築」にまつわる疑問を縦横無尽に解き明かす。
[ 目次 ]
1 建築とは何だ??(建築と住まいの違いとは? 住まいの原型を考える ほか)
2 和洋の深い溝(和と洋、建築 -
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とても読みやすい語り口調の文体。
著者自身の生い立ちや幼少の経験から、今の建築手法に至った気付き、日本の建築に対する意識と無意識を述べる。
建築のモダニズムが少しわかった。
「一流の建築家の仕事は、本人の考えた内容で生き残っていくわけじゃない。本人が考えもしなかったものがなかにあって、それで生き残っていく。」
は建築以外でも確かに!!と思い当たる節があり、とても心に残る言葉だった。
突然私事だが
最近、生まれて初めて少し高い陶器を買った。
有田の「銀河釉」という、熱の化学反応で金属の結晶が釉薬にキラキラと現れ、銀河のような様相を見せるカップアンドソーサーだ。
作者は、ヨーロッパを始 -
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藤森さんといえば、茶室にタンポポハウスやニラハウス。
本なら『日本の近代建築』とか、『日本建築集中講義』を読んだことがある。
だから、この人の本が書店に出ていると、つい手に取ってしまう。
買った後、岩波新書の本ともしかして内容的にかなり重なっているのでは、と不安になった。
たしかに、後半は少しそうかもしれない。
が、前半は「そもそも」話で、かなり面白い。
例えば、上下水道や防火の問題に、明治初期の行政がどう取り組んだか、スリッパという不思議な履物がいつ、どのように生まれていくか、洋館が建つ中で、新しい石材に対する職人の混乱…などなど。
やっぱり、新しい文化が入ってくる時期は面白い。
『日 -
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東京国立博物館知ってる?
もちろん!知らなかったらモグリでしょ!特に私なんか博物館フェチを自認しているんですよ。
‥‥ごめんなさい。
知りませんでした。知らないどころか、博物館の1/3も歩いていない。
よーく考えたら、本館と平成館しか行っていない。考古遺物見ただけで、お腹いっぱいになったことを思い出した。
そういえば、時には半日ほど滞在していたこともあったけど、プロローグの山口晃さんのように気持ちいいソファーで2回3回となくうたた寝していたことを思い出した。
本館裏手には茶室あり。
東洋館もまだ行っていないし、
最も見所ある表慶館の日本最古の噂のある空調施設やらも。建築専門家の藤森照信さんた -
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建築家・藤森照信&画家・山口晃による東京国立博物館探検記。
建築家と画家の視点で、トーハクを探検する。
表から裏側まで・・・それこそ屋根裏や館長室、修復の現場と、
入れない場所にも潜入。
その多数の画像と山口画伯の絵が、トーハクの魅力を誘う。
トーハク、好きです!
年に何回か、庭を散策して、国宝館と総合文化展を楽しみます。
なので、この二人の視点での探検は新たな発見が多く、
次に行くときの参考にしようと思いましたよ。
表慶館入口の階段の石とか、本館入口ホール正面の時計とか。
茶室は入る機会がないので、茶の湯「鑑賞」探検は嬉しい内容。
そして、楽しそうな両人の姿とユルさ、ぽわんとした画伯の絵!
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面白い。建築に興味あるけれど、専門的なことは何にも分かりません、という人には最適ワクワクな一冊。
さすがちくまプリマー新書。藤森照信さん。
「人類と建築の歴史」藤森照信。ちくまプリマー新書。2005年。
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藤森照信さんというのは、「建築史家」「建築家」だそうで、僕は事前には知りませんでした。
ちくまプリマー新書、というのは割に信用しています。
なにしろ、ちくまさんが「まあある程度若い世代のために、何にしろ入門的な感じで長く無い一冊を」というコンセプトで作っているはずなので。
期待に違わない一冊。
とにかくわかりやすかったです。
建築家の名前とか、ナントカ様式とか、そういうことがほとん