藤森照信のレビュー一覧

  • 藤森照信×山口 晃 探検! 東京国立博物館

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    藤森先生と山口画伯のコンビは「日本建築集中講座」に続き、2冊目をフォローしている方の本棚に見付け、本屋へ。

    前作より薄いし、画伯のポップイラストは使いまわしが多いし、先生の放言や好き勝手は影を潜め、画伯の小さなグチも聞こえてこない。笑いが少ないんだな。でも、まあこれでイイかな。
    何しろお二人がニコニコしているのがわかる。特に藤森先生の家形埴輪を見るときのうれしそうな顔。
    筑摩のプレーリー文庫では縄文土器を旧石器時代にこんな芸術造形が見られるのは、世界にも例がないと褒めていたんだから、そっちも取り上げて欲しかったかな。

    カラーで写真も多い。画伯の絵解きは妹尾河童さんのような俯瞰も交え、判り易

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    2017年02月16日
  • 人類と建築の歴史

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    内容は、建築史というより人類史。

    縄文時代の竪穴式住居は、当初は円形で次第に角形に変わり、面積が広くなる。柱の上に梁を架ける構造で、柱は礎石のない掘立柱が基本的に4本。梁の上には小屋組みが乗るが、その後の民家と同様に三角形のサスを組んでいたと著者は推測している。構造材にはクリの木が使われているのは、弾力性のある針葉樹に比べて石斧でも切り込むことができ、腐りにくいたため。屋根には草や白樺の皮などの上に、寒気を防ぐために勾配を緩くして土葺きにした。日本書紀には、蝦夷が「夏は?に寝、冬は穴に住む」と書かれている。

    弥生時代から古墳時代には、梁の上は束立て構造が用いられた。鉄器が出現したおかげで柔

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    2018年10月31日
  • 人類と建築の歴史

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    タイトル通りの内容なのだが、想像していたものとはだいぶ違った。各時代ごとの建築様式を具体的に紹介していくのかと思いきや、そうではなくなんだか独特な。述べていることは極めて平易であるのに、あんがい抽象度の高い議論で、建築をみる目に新たな視点を与えてくれる。特に終盤でのバウハウスの位置付け関する解釈はけっこう目から鱗だった。

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    2016年03月06日
  • 人類と建築の歴史

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    建築の視点から人類の歴史をながめるのもいいな、と思わせる内容。
    以下、詳細。

    新石器時代の神殿としてはスタンディングストーンが
    ストーンヘンジも有名だが、フランスのロックマリアケル、スコットランドのルイス島カラニッシュのストーンサークル、イギリスケズウィックのストーンサークルも素晴らしい。

    日本では、新石器時代に農耕がはじまったことにより、人類は定住し、本格的な建築が始まった。
    弥生時代に水田がはじまったことにより、住環境が低地化したため、それまでは、土間が基本の住居だったが、高床式の建築がさかんになった。

    磨製石器の時代には、作業効率の面からクリしか使えなかったが、鉄器時代に(日本には

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    2018年07月26日
  • 人類と建築の歴史

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    藤森先生の本は建築探偵や路上観察学会の頃から読んでいる。この数年でも設計された作品集や茶室学に山口晃さんとの漫遊記、井上雄彦さんとの対談本などを読み、その学識の深さ、ユニークな視点を楽しませて貰っている。

    氷河期から説き起こし。ノッケから「虫もハチの幼虫やセミやバッタはおいしいから好んで食べられたが、チョウチョウはむせないように羽を除く注意が欠かせないし、トンボはまずいのでやめておいたほうがいい。」との記述。先生は正真正銘の信州人。
    石器や木材への細やかな記述も経験から出たものだし、古代を実感していく感覚がある読書。地母神や太陽への信仰から語る古代遺跡の記述も、普通の概論と違い古代の精神を感

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    2017年02月16日
  • 天下無双の建築学入門

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    全体は2部に分かれており、第1部では、縄文時代の住居についての考察が、著者自身がおこなったさまざまな実験をまじえつつ展開されています。第2部では、床、畳、窓、廊下といった、現代の住宅建築にまつわるテーマについて語られます。

    建築の歴史や思想についての入門書ではなく、著者が過去から現在に至るまでの建築のさまざまなテーマについて自由に語ったエッセイといった感じの本でした。もう少しオーソドックスな建築入門の本を予想していたので、ちょっと期待はずれでしたが、それでも楽しんで読むことができました。

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    2014年05月01日
  • 建築史的モンダイ

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    藤森センセイによる一般向けの建築雑学的散文、決して批判的な意味ではなく。
    藤森センセイらしいくだけた文体。一見思いつくまま(失礼)のように展開する内容。
    本書で読むべきは、藤森センセイが自ら見たりインタビューしたりした事由。ふざけているようで奥が深い。
    個人的に興味深いのは、最終章の柔構造と剛構造についての記述。武藤のD値法の武藤先生に直接インタビューをしている著者が、武藤先生が「五重塔に学んで柔構造を思いついた」と語ったとの新聞記事を俗耳向けの説明、ジャーナリズム上の作り話と言い切っているあたり。自ら見たりインタビューをしたりしてきた藤森センセイだからこその説得力。

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    2014年03月23日
  • 藤森照信×山口晃 日本建築集中講義

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    この本のジャンルはなんだろうとしばし悩む。建築物についての本ではあるが、旅の要素もあり、対談風でもあり、山口画伯の漫画あり、、でまあ、ちょっと蘊蓄ある見物日記のようなもの。
    行ったことのある所も行ってない所も行きたくなる案内書です。でも私達が行っても見ることの出来ない所も多いでしょうが。

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    2013年12月26日
  • 人類と建築の歴史

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    タイトルは大仰だけれど、紙幅の都合上というのもあるでしょう、多くページを割いているのは「住い」が現れるまでの歴史と、地母信仰と太陽信仰の関わり、つまり人類史における住居の始まりの部分です。あとは結構駆け足。

    けれど印象に残ったのは現代建築に触れた終盤のほう。
    多少の違いはあるものの、確かに現代の建物、特に都市圏は画一的。建物という複雑な構造を持つ、すなわち多くの可能性を持つモチーフであるにも関わらず、世界中の都市は似たり寄ったり。それが世界の価値観の画一化を象徴しているようだなぁと思ったり。

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    2011年09月01日
  • 天下無双の建築学入門

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    その昔、屋根には花が咲いていたという。
    芝棟というらしい。

    屋根に花が咲くなんて、なんて平和。

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    2011年08月14日
  • 天下無双の建築学入門

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    トピック形式でさくさく読みやすい。藤森照信は文章がわかりやすいし面白くていいね。同年代の建築家の本とかは、まだまだ難解で何言ってんのかよくわからないし(本人も分かってないんじゃないかと思うくらいな)。建築史家、と本人もさんざん自称しているのは、そのへんの「ケンチクカセンセイ」と一歩距離を置きたい気持ちがあるからじゃないだろうか。

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    2011年06月24日
  • 人類と建築の歴史

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    ■この本を知ったきっかけ
     本屋でみつけて
    ■読もうと思ったわけ
     藤森照信の書く中高生向けの本だったので
    ■感想
    中学生向けに建築の始まりについて書かれてる

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    2010年10月12日
  • 天下無双の建築学入門

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    建築って雑学の宝庫だよなあ。
    その中から自分が得た知識と自分の経験と自分なりの感覚をもとにひとつの論として組み上げていくのはそれはもう大変だろうなあと思う。
    しかしその辺この本はアバウトなのでフランクに読めます。

    個人的には日本と西洋の明かりのとり方の違いなんかに興味がでました。

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    2009年11月19日
  • 人類と建築の歴史

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    建築の初心者や初学者に向けて書かれた建築史の本。
    人類が建築を生み出し、現代建築にまで変化させていく過程をダイナミックに追跡しています。

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    2009年10月04日
  • 人類と建築の歴史

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    建築史を中高生にもわかるように易しく書いてある。あくまで藤森先生の視点で。「これは私の意見だが、君達はどう思うか」との問いかけが公平に思える。
    人類の建築物は最初はだいたいどこも同じ。それが多様化して、近代に入ってまた同じになっている。飴玉のように。なるほど。

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    2009年10月04日
  • 天下無双の建築学入門

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    勇ましいタイトルがついているけれど、建築の雑学書です。
    「基礎と土台はどっちが上か」など、知らなかったことを知るのはいい気持ち。
    著者の空想の部分を「楽しい」と思うか「無駄」と思うかがこの本の評価の分かれ目でしょう。

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    2009年10月04日