藤森照信のレビュー一覧
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問題設定能力と解決へと導く考察力、ユーモアがすごい。ある対象を見て何かがおかしいと感じる繊細さと、解決の糸口をつかみ出す膨大な知識量に圧倒される。そして、いつもながら藤森節といえるような文章のテンポも心地よい。
以下に、おもしろかった所を整理する。
・建築と住まいの違い→結局は美しさ。自然界の中で美を感ずる能力を人類は養った。おかしい所を一瞬にして見出す能力。それを人工物にふりむけた瞬間が建築のはじまり。
・西洋建築は時代ごとのスタイル。日本建築は機能ごとのスタイル。
・中国、日本のみ宗教建築が横長。縦長は崇高性を高める。中国で孔子、老子などの身近な先祖を祭り出した時から、住宅的な横長 -
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ネタバレ[ 内容 ]
母なる大地と父なる太陽への祈りが建築を誕生させた。
人類が建築を生み出し、現代建築にまで変化させていく過程を、ダイナミックに追跡する画期的な建築史の本。
[ 目次 ]
第1章 最初の住い
第2章 神の家-建築の誕生
第3章 日本列島の住いの源流
第4章 神々のおわすところ
第5章 青銅器時代から産業革命まで
第6章 二十世紀モダニズム
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った -
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[ 内容 ]
人はいつから「家」に住むようになったのだろうか。
自然の中で暮らしていた人間が家を建てるようになったのはいつからなのだろう?
山や川、木や石などに神が宿っていると信じていた頃からの心の習慣が、日本建築の中にはそこはかとなく生き続けている。
柱とは?
屋根とは?
天井とは?
建築史家であり、建築家でもある著者が、初学者に向け、屋根、床、柱、窓、雨戸、ヴェランダなど建物の基本構造から説く気鋭の建築学入門。
[ 目次 ]
1 目からウロコ!?古代の建築術(石器で丸太は伐れるのか?―磨製石器 魔法的先端技術“縄”―しばる技術 弥生的なるモノ―竹 「夏は樔に宿」とは―樹上住宅 ほか)
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建築と住まいの違いとは?から始まって、協会、寺院建築のタテヨコ問題、準防火の考え方から始まった日本のハリボテ的木造住宅、ガラスは石でありえるか、日本人の超高層への挑戦などなど、多岐にわたる疑問を呈した上で、それを考察していく短編集のような本。ひとつひとつの章が短くて内容が濃いので電車の中でも読めそう。
○建築と住まいのちがい。「美しいこと」人間が感じる美しさー視覚的な秩序や統一感とは、もともと自然界の状態が元にあり、その状態を認識する中から生まれた。
○日本において、スタイルは時代ではなく用途に従ってきた。住む、暮らすための和風の民家の隣に平然と集会のための洋館が建てられ、和洋併置のスタイ -
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タイトルをなぜこんな名前にしたのかは不明。タイトルと内容は全く関係ありません。
それはいいとして、内容はかなりおもしろかったです。
前半は古代の建築技術について、後半は住宅の要素について、それぞれ短いコラム形式で書かれています。
藤森さんらしくカタカナを多用したちょっとふざけたような文章ですが、書かれている内容は興味深いものばかり。教科書に引用されたりするような本だから一度は読んでみるとおもしろいと思います。僕なんかは考えたこともないようなことを、半分おふざけ半分本気で書かれているので読んでても退屈しません。建築に全く興味のない人もおもしろく読めるし、少しでも知識のある人はその分面白さが増し -
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藤森さんの愛のあるコルビュジェ批判にかなり笑った。
P23
私の考える「建築と地面の接点こそ大事」説には新規性と重要性の二つがあると読者諸賢には認めていただいて、さて、早い者勝ち言いたい放題的に、これまでの名建築、大建築家たちをメッタ切りしたい。
まず、ル・コルビュジェ大先生から。
コルビュジェの最初の名作といえば、サヴォア邸にほかならないが、これがヒドイ。
建築・地面論的には最悪の見本で、よくもまあこんなもんを地上に作って当時の世界の建築を目指す若者をだまくらかしたナ、なにがピロティだ屋上庭園だ。庭園といいながら屋上には緑がアリバイ的にチョボチョボ植えてあるだけだろう。ピロティだ