藤森照信のレビュー一覧
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問題設定能力と解決へと導く考察力、ユーモアがすごい。ある対象を見て何かがおかしいと感じる繊細さと、解決の糸口をつかみ出す膨大な知識量に圧倒される。そして、いつもながら藤森節といえるような文章のテンポも心地よい。
以下に、おもしろかった所を整理する。
・建築と住まいの違い→結局は美しさ。自然界の中で美を感ずる能力を人類は養った。おかしい所を一瞬にして見出す能力。それを人工物にふりむけた瞬間が建築のはじまり。
・西洋建築は時代ごとのスタイル。日本建築は機能ごとのスタイル。
・中国、日本のみ宗教建築が横長。縦長は崇高性を高める。中国で孔子、老子などの身近な先祖を祭り出した時から、住宅的な横長の形式に。
・日本のモクゾウ。
防火性能のため木が見えない。東大安田講堂の設計者である内田祥三の発案による準防火の考え方が現在まで至っている。
・屋根の国ニッポン。
世界最多の屋根葺き材の種類。檜皮葺きは坪50万。
四権分立または瓦を除いた三権分立。
伊勢神宮 茅 20年の式年遷宮になじむからか。(私見)
出雲大社 杮 日本海側は檜は育たず、杉地帯。多田羅の鉄器で杉を割った。
京都御所 檜皮 面積大なので最も勾配が緩くてすむ檜皮が有利。高級さの主張。
法隆寺 瓦 仏教と同時に伝来。
・日本だけにある銘木の概念。
・間取り界の横綱居間
茶の間=ダイニング。博物館にあるような縄文時代の竪穴式住居も復元模型の団欒風景も考古学者は否定している。外で食べていただろうし、一家族が一棟とは限らなかった。また戦前の日本には居間中心の家はない。居間以外に住宅の発展の可能性を期待したい。
・ブルーノタウトとミースファンデルローエはガラスを石だとして、グロピウスはガラスは何もないものとした。現在の日本のほとんどの高層ビルはグロピウスの流れか。
・打ち放しコンクリートは日本が引っ張った。西洋は壁式の石造からの脱却にRCの柱梁によるフレーム構造を見た。日本は既に木造が柱梁のフレーム構造で、RCでそれをやっても美しいと感じない。安藤忠雄は徹底的に壁式のRC。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
母なる大地と父なる太陽への祈りが建築を誕生させた。
人類が建築を生み出し、現代建築にまで変化させていく過程を、ダイナミックに追跡する画期的な建築史の本。
[ 目次 ]
第1章 最初の住い
第2章 神の家-建築の誕生
第3章 日本列島の住いの源流
第4章 神々のおわすところ
第5章 青銅器時代から産業革命まで
第6章 二十世紀モダニズム
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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[ 内容 ]
人はいつから「家」に住むようになったのだろうか。
自然の中で暮らしていた人間が家を建てるようになったのはいつからなのだろう?
山や川、木や石などに神が宿っていると信じていた頃からの心の習慣が、日本建築の中にはそこはかとなく生き続けている。
柱とは?
屋根とは?
天井とは?
建築史家であり、建築家でもある著者が、初学者に向け、屋根、床、柱、窓、雨戸、ヴェランダなど建物の基本構造から説く気鋭の建築学入門。
[ 目次 ]
1 目からウロコ!?古代の建築術(石器で丸太は伐れるのか?―磨製石器 魔法的先端技術“縄”―しばる技術 弥生的なるモノ―竹 「夏は樔に宿」とは―樹上住宅 ほか)
2 アッと驚く!!住宅建築の技(家は夏をもって旨とすべし―住宅 シック・ハウスの代わりにシックイ・ハウスを!―建材 引き戸とドアーを隔てる歴史的事情―戸 日本建築の生命は床にあり―床 ほか)
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[ 関連図書 ]
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建築と住まいの違いとは?から始まって、協会、寺院建築のタテヨコ問題、準防火の考え方から始まった日本のハリボテ的木造住宅、ガラスは石でありえるか、日本人の超高層への挑戦などなど、多岐にわたる疑問を呈した上で、それを考察していく短編集のような本。ひとつひとつの章が短くて内容が濃いので電車の中でも読めそう。
○建築と住まいのちがい。「美しいこと」人間が感じる美しさー視覚的な秩序や統一感とは、もともと自然界の状態が元にあり、その状態を認識する中から生まれた。
○日本において、スタイルは時代ではなく用途に従ってきた。住む、暮らすための和風の民家の隣に平然と集会のための洋館が建てられ、和洋併置のスタイルをとった。
○なぜ日中韓ベトナムの宗教建築だけが横長なのか?中国では、仏教以前、儒教、道教、先祖を祭る宗廟等があった。祭られる対象が孔子も老子も先祖も実在の人間だから、住宅に適した形式である横長の建築となった。その形式を継承して、仏教建築も横長となった。
○内田祥三。火事好きの少年が、後に日本の準防火の法規の基礎をつくった。外壁や軒を耐火にして、延焼を防ぐ、遅くするということ。そのおかげで日本の現在の木造建築は、木造なのに木の見えない表情となった。
○京都御所に使われている檜皮葺き。坪50万。茅や杮と比べて一番屋根の傾斜をゆるくすることができるため、御所のような大きな建築にも使うことができた。
○茶室における炉の存在。人は火のまわりに集う。火があることによってまとまりができる。煎茶は炉を嫌う。
○ブルーノ・タウトのガラスの家。ガラスを薄い石として見ていた。タウトとミースはガラスを石の一つとして考え、グロピウスはガラスを何もないのと同じと思った。
○打放しの父、オーギュスト・ペレ。1年遅れで追いかけたレーモンド。「打放しは型枠の表現ではないか」林昌二