阿佐田哲也のレビュー一覧
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不幸じゃない生き方ってのは、つまり安全な生き方って奴があるだけだな。安全に生きるために、他のことをみんな犠牲にするんだーードサ健
俺たたちゃこれで生きてるんだ。死ぬまでやるのさ。負けるってのは、つまり死ぬときのことなんだーードサ健
面白えね!博打はこれだから面白れぇ。死ぬも生きるもサイの目ひとつ、どうせなら、こんなふうに簡単に死にてえものさーー上州虎
戦争が終わって間もない、焼け跡そのままの東京で悪漢無頼の博徒達が出し抜き出し抜かれ、陥し入れ、嵌められ…
信じられるのはこの身ひとつ。博打で負けたら同じ博打で勝ち返す以外に生きる道なし!!
ドサ健格好良いぜ!!そしてまゆみはいい女だぜ! -
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ギャンブルの極意は投資にも通じるところあり(損切りは早く、利益はなるべく伸ばす等)、ブラックジャック、ルーレットでカジノ側(ディーラー)と自分の運気の波を感じ取り、自分有利な時に大きく賭けて勝ちを増やし、そうでないときは少額の張りか見(張らずに観察)で負けの絶対額を減らし、通算成績で負け越してもトータルリターンで勝つ運用を目指すというのは奥が深い見解で、人生訓と言えるものかもしれません。
伊集院静のいねむり先生のモデルにもなった坊や哲こと阿佐田哲也(色川色大)がモデルです。個人的には機関車先生ののんびりした時間の流れよりもこちらの手に汗握る感じの方が好きです。
あえてこの本は運用のカテゴリ -
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何が面白いのかうまく説明できないけどとにかく面白い。続きが気になって夢中になる、という面白さではない。ただなんとなく読んでいて面白いのだ。面白いというより楽しいといった表現の方がふさわしいのかもしれない。
イカサマ技を決め、見事に相手を出し抜いたときの爽快感はたまらない。コンビプレイもなかなか熱い。
イカサマは熟練のバイニンによる職人技。それはまさに芸術である。種も仕掛けもないと言ってマジックを披露し、見るものを魅了するのと似たものがある。
自分もオックスのママに手取り足取り麻雀の極意を教えていただきたい。
麻雀を知っていた方が何倍も楽しめるが、知らなくても十分楽しめるんじゃないかと思う。
と -
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ネタバレ三巻、激闘編。最後は涙モノだ。
たぶん、全4巻の中で一番悲しい話。
勝負の相手は容赦なく裏切る。もとより仲間などではないのだ、と1巻から何度も何度も言ってたけれど。はじめは主人公の哲也が気持よく勝ってて読んでて気持ちいい。だけど最後では一変して負ける。
─「そうら、風がかわった」
博打とは暴力の変化形ではないか、と思わず感想する。
ドサ健は、妙に馴れ馴れしくなったり、でもやっぱり自分に不利な場面では平気で裏切る。改めて傷つく。本当にクズいな~と。だけど哲也はそうは思わないんだな。きっと同じ勝負師だから。自分がツイてないせいなんだ、と。
基本的に麻雀放浪記の1巻~4巻は独立した話なんだけど、 -
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あの阿佐田哲也氏が、博打の世界に生きるい古いタイプの勝負師達を、35編の小説に描いた。
どいつもこいつもろくでなしばかりで、妻の香典を全部ノミ屋にぶち込んじまう元バイニン、北海道の炭田住宅から麻雀一本で全国周遊に出かけた二人組、大穴を本線で当てちまったばかりに、借金を背負って遠洋漁船に乗り込むこととなった競馬新聞記者などなど。
そんな勝負師達の見せる浮沈は、悲壮ながらもすばらしくユーモラスであり、この小説は阿佐田哲也にしか書けまい、と思わせる凄みがある。中でも数少ない競馬にまつわるエピソード「フジイサミの双眼鏡」は、競馬好きにはたまらない作品だろう。
このようなギャンブルにまつわる -
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最高だ。面白い。面白ければ全て良し。
意外と文もきちんとしていて、麻雀以外の臨場感、戦後の空気ってのが楽しめる。
おもしろい。
----(後日加筆)
麻雀小説だからって舐めたらいけない。
全四巻だが、一巻に関してだけ言うと神掛かっている。
博打から出る人間の本性みたいなところが上手く描写されている。
それぞれのキャラクターがしっかりと立っている。
哲学がある。普通の生活でなく、ギャンブルという負ければ終わりの生活から生まれる、どぎつい哲学が。
とにかくかっこいいし、深い。
まあ、問題は麻雀がさっぱり分からないと難しいという点で。
麻雀をしていて得したな、という事と言えば。
大学時代に -
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青春小説の傑作中の傑作。
和田誠さん原作の映画もよかったです。
が、やはり原作の小説は偉大です。
僕の青春はこの本とともにあったと言っても過言ではありません。
僕の人生に与えたであろう影響も計り知れません。
人間は泣きながら裸で生まれてきて
一人静かに孤独に死んでゆく生き物です。
しかし、そのはかない人生の中で
血沸き肉踊るような激しい世界を生きずして
どうして死ねようか、そんな本です。
最初に手にとってから20年30年と経ち
僕自身のほぼ半分が過ぎました。
ところが今読んでも、やっぱりドキドキします。
心の奥深くが揺さぶられます。
魂の本です。
こんな小説を書いた阿佐田さん(色川さ