阿佐田哲也のレビュー一覧
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ヤバ市ヤバ町雀鬼伝三〇〇分一本勝負《阿佐田哲也》(小学館文庫)86年に上梓された阿佐田哲也氏晩年の博打小説「ソープランド」なんて言葉が出てきてびっくり。名作「麻雀放浪記」は戦後の混乱期を舞台にしたものだが、バブル景気に浮かれ始めたこの頃でも博打打ちは同じ。動いている金は「千点百万円。三万点通しでハコ三千万円。場ウマが五の十五だから二着で五千万、トップが一億五千万…」実際の麻雀打ちは「馬」で、この金を賭けているのは「オーナー」たる「馬主」彼らはゲームではなくて金を動かすことのみに興味がある訳である意味真性の博打打ち。しかし、実際にゲームをする「馬」もやはり博打打ち。どちらにしても命がけの勝負。主
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「麻雀放浪記」で世間並みの生活に背を向け、博打だけによりかかって若年期を過ごした主人公のその後が描かれる。かつては「坊や哲」として恐れられる賭博師だった哲也も、頭の禿げ上がった立派な中年になり、親の家で居候みたいな暮らしを続けている。「麻雀放浪記」の時のような勇姿はみじんもない。色川武大名義で書かれたいくつかの著書でみられる、彼なりの人生哲学が色濃く反映されており、ギャンブルで全勝するのが不可能なように、人生も勝ち時負け時をしっかり見極めること、自分の運気を上手く捉えることが何よりも大事なのだという持論を強くうち出している。無法者の後日談としてだけでは受け取れない、小説を体現してきた著者の肉感
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読んだ本 麻雀狂時代 阿佐田哲也 20250904
もう何年ぶりだろう。40年近くぶりに阿佐田哲也のギャンブル小説を読む。積本の中に2冊見つかりました。角川文庫のシリーズで2冊だけ読んでないのが手元にあんですね。
読まずにおいてある理由は、「麻雀放浪記」みたいな小説じゃないエッセイがシリーズの中に結構あって、しかも麻雀だけじゃなくて競輪、手本引き、バカラなんでもあれで、なんとなく飽きて、揃えといて読まなくなっちゃったんですよね。
で、改めて読むと、ほとんど麻雀じゃなくてブラックジャックと競輪。でも、年取った懐かしさもあって、面白かったですねぇ。
そう、エッセイと言いつつフィクションが -
Posted by ブクログ
坊や哲のもがき苦しむ様子が自分事のように苦しいです。全然すかっとしないです。ですが汗臭さにムッとする感じも、たまにはいいもんです。
新キャラの鎌ちゃん、安さん、三井なんかも、まぁいいんですが、やっぱりドサ健や達、チン六が出てくると嬉しいですね。特にチン六との再会場面は、ちょっとした感動シーンでした。
さすがに「青春篇」には及びませんが、「風雲篇」よりは面白かったです。旧キャラたちの新時代について行けずにもがき苦しむ様子と、それでいてどこか達観した様子が心を打ちます。ダサ格好いいとはこういうことだろうか。
読み終わった後、何とも言えない物悲しさを覚えます。年をとったということなんでしょうか