プラトンの作品一覧

「プラトン」の「国家」「饗宴」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ゴルギアス

    ゴルギアス

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻1,298円 (税込)
    プラトン初期対話篇の代表作、練達の訳者による決定版新訳が完成! 本書では、当時を代表するソフィストであるゴルギアス、その弟子ポロス、気鋭の政治家カリクレス、ソクラテスの崇拝者カイレポンの四人を相手にしてソクラテスが対話を展開します。その中心的な主題は「弁論術とは何か」です。 ただ雄弁に語り、聞く人を説得するのが理想的な弁論術ではありません。大した内容もなく、正しい知識を与えることもないのに、相手を論破したり、耳障りのよいことを訴えたりするだけの言葉が今もよく聞かれます。言うまでもなく、そのような言葉を語る人が政治的な意図を隠しているなら、聞く者は気づかぬうちに意図された方向に導かれ、特定の政治的な主張を支持するようにもなるでしょう。古くは「プロパガンダ」と呼ばれ、今日では「フェイクニュース」や「ポルトトゥルース」、「オルタナティブファクト」などと呼ばれる現象には、そのようなからくりが含まれています。 では、正しい弁論術とはどのようなものなのか? ソクラテスは、ゴルギアス、ポロス、カリクレスの順に濃密な対話を交わし、その答えを明らかにしていきます。それは最終的に「正しさ」とは何かを知ることに行き着くでしょう。何が正しいのかを知っている人にしか正しい弁論術は使えない――当たり前に思えますが、その当たり前のことを残念ながら人類はプラトンの時代よりよく理解し、実践していると言えるでしょうか? 価値の基準が崩壊したと言うしかない現代世界の中で、道徳的であること、正しくあることとは何か、という問いは、ますます重要性を増しています。練達の訳者によって蘇ったプラトン渾身の対話篇を手に、今と未来を考えていただけるなら幸いです。 [本書の内容] [プロローグ ゴルギアスとは何者か] [第一幕 ゴルギアス対ソクラテス] [第二幕 ポロス対ソクラテス] [第三幕 カリクレス対ソクラテス] [エピローグ 死後の裁きについて]
  • パイドン 魂の不死について

    パイドン 魂の不死について

    ビジネス・実用

    4.8
    1巻935円 (税込)
    毒杯をあおぎ刑死するその日,ソクラテスは集まった弟子たちとともに「魂の不死」をめぐる探究に挑戦する.魂はいかにして肉体の死を超えうるのか.魂のあり方は人間の生き方にいかなる意味をもつのか.イデア論の豊かな可能性を切り開きつつ,主著『国家』へと続くプラトン哲学の代表的対話篇.文字を大きくし新解説を加えた改版.

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  • ゴルギアス

    ゴルギアス

    ビジネス・実用

    4.6
    1巻1,232円 (税込)
    古代ギリシャの演説の技術、弁論術をめぐり、ソクラテスがゴルギアスら3人と交わした対話篇。人びとを説得し、自分の思い通りに従わせることができるという弁論術の正体をあきらかにすべく、ソクラテスは弁論術教師のゴルギアスと弟子ポロス、アテネの若き政治家カリクレスを相手に厳しい言葉で問い詰め、論駁する。理想政治を追い求めるプラトンが、この時代の社会と政治の現実に対して投げかけた、告発と批判の書。
  • ゴルギアス

    ゴルギアス

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻1,210円 (税込)
    ソクラテスと三人の人物との対話は、弁論術が立身栄達の術とされている現実や若い人の実利主義的道徳意識などを次々と明るみに出す。プラトンは本編によって、個人の道徳と同時に政治の問題を追求し、アテナイの現実の政治に痛烈な批判を投げかけた。後に『国家』において発展させられた哲人政治の思想の第一歩である。
  • メノン

    メノン

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻770円 (税込)
    「徳は教えられうるか」というメノンの問は、ソクラテスによって、その前に把握されるべき「徳とはそもそも何であるか」という問に置きかえられ、「徳」の定義への試みがはじまる……。「哲人政治家の教育」という、主著『国家』の中心テーゼであり、プラトンが生涯をかけて追求した実践的課題につながる重要な短篇。
  • 饗宴

    饗宴

    ビジネス・実用

    4.2
    1巻792円 (税込)
    原題「シンポシオン」とは「一緒に飲む」というほどの意味。一堂に会した人々が酒盃を重ねつつ興にまかせて次々とエロス(愛)讃美の演説を試みる。談論風発、最後にソクラテスが立ってエロスは肉体の美から精神の美、更に美そのものへの渇望すなわちフィロソフィア(知恵の愛)にまで高まると説く。プラトン対話篇中の最大傑作。
  • ソクラテスの弁明 ほか

    ソクラテスの弁明 ほか

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻1,925円 (税込)
    前399年、ソクラテスの刑死事件からプラトンの著作活動が始まった。 師を弁明するための真剣な営為、それが哲学誕生の歴史的瞬間だった。 対話篇の迫力を香気ゆたかに伝える名訳。
  • ソクラテスの弁明 クリトン

    ソクラテスの弁明 クリトン

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻627円 (税込)
    自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた『ソクラテスの弁明』。死刑の宣告を受けた後、国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと、脱獄を勧める老友クリトンとの獄中の対話『クリトン』。ともにプラトン初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。
  • ティマイオス

    ティマイオス

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    プラトンの主著は何か、と言われれば、たいていは『国家』という答えになるでしょう。確かに『国家』にはプラトン哲学のエッセンスが詰め込まれ、質量ともに主著の名にふさわしいことは間違いありません。しかし、長い歴史の中で最も大きな影響力をもったプラトンの対話篇はといえば、本書『ティマイオス』なのです。 神による宇宙の製作とさまざまな自然学的理論が論じられる後期対話篇である本書は、古来プラトン信奉者たちに重視され、前1世紀から後3世紀にかけての中期プラトン主義とそれに続く新プラトン主義の時代に特権的な地位を占めるに至りました。その伝統が近代にも及んでいることは、ラファエロの有名な壁画《アテネの学堂》でプラトンが手にしている書物が『ティマイオス』であることに、はっきり示されています。 ソクラテス、ティマイオス、ヘルモクラテス、クリティアスの四人を登場人物とする本書は、導入部以外はすべてティマイオスのモノローグで構成されています。おそらくプラトンが創作した架空の人物であるティマイオスが語る宇宙論は、国家においても個人においても理性こそが主導権を握るべきだ、というプラトンの主張を正当化するものとして提示されます。この宇宙は必然や偶然の産物ではなく、理性的な製作者(デーミウールゴス)によって、理性の対象(イデア)を手本として、理性的な魂をもつ生き物として構成された、というのがその骨子です。こうして宇宙が理性によって導かれているのなら、それと類比関係にある国家においても個人においても、気概や欲望ではなく理性が支配することこそが自然にかなった正しいあり方だということになります。本書においてプラトンは、国家と人間のあるべき姿を宇宙全体の構造の中に根拠づけることを企てたのでした。 本書は、それぞれの時代、それぞれの思想家において、さまざまに異なる観点から関心の対象とされてきました。ユダヤ教徒やキリスト教徒は『創世記』の神の世界創造を理解するヒントを本書に求めたでしょう。新プラトン主義者は形而上学的真理のアレゴリーとして本書を読んだでしょうし、錬金術師は神の創造を自らの手で再現するための秘密を本書に読み取ろうとしたかもしれません。そして、自然学者や科学者にとって、宇宙の始まりと物質の究極という科学にとっての永遠のテーマを追究する本書が関心の対象となったことは言うまでもありません。 そうして「プラトニストのバイブル」とまで呼ばれた本書『ティマイオス』は、しかし日本では、なぜかこれまで文庫版が存在しませんでした。この状況を打破するべく、最良の訳者を得て、満を持しての新訳を皆さまにお届けいたします。 [本書の内容] ティマイオス 訳 註 訳者解説
  • パイドロス

    パイドロス

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻935円 (税込)
    真実そのものの把握なしには真実らしく語ることさえ本来的に不可能であることを立証し、「哲学」の立場から鋭く当時の弁論術を批判したのがこの対話編である。本書はプラトンの代表作の一つであって、特に『ソクラテスの弁明』をはじめとする前期著作群を『テアイテトス』以降の著作に結びつけてゆく重要な役割を担っている。
  • 国家 上

    国家

    ビジネス・実用

    4.0
    1~2巻1,507~1,573円 (税込)
    ソクラテスは国家の名において処刑された。それを契機としてプラトンは、師が説きつづけた正義の徳の実現には人間の魂の在り方だけでなく、国家そのものを原理的に問わねばならぬと考えるに至る。この課題の追求の末に提示されるのが、本書の中心テーゼをなすあの哲人統治の思想に他ならなかった。プラトン対話篇中の最高峰。
  • マンガで読む名作 ソクラテスの弁明
    完結

    マンガで読む名作 ソクラテスの弁明

    少年・青年マンガ

    4.0
    全1巻628円 (税込)
    「大切なのはただ生きることではなく、善く生きることだ――」 国家の認めない神々を導入し若者たちを堕落させたとして、アテナイの民主派から不敬罪で告発されたソクラテス。死刑を免れる唯一の手段は、自身の弁明のみという状況の中、ソクラテスは一切の妥協を見せず、己の信念を力強く表明する!! 法廷のソクラテスを描いた表題作に加えて、脱獄を勧める老友との対話『クリトン』、毒杯を仰いで刑死する『ソクラテスの最期』を収録。
  • ソクラテスの弁明

    ソクラテスの弁明

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻990円 (税込)
    ソクラテスの生と死は、今でも強烈な個性をもって私たちに迫ってくる。しかし、彼は特別な人間ではない。ただ、真に人間であった。彼が示したのは、「知を愛し求める」あり方、つまり哲学者(フィロソフォス)であることが、人間として生きることだ、ということであった。(「訳者あとがき」より)。ソクラテスの裁判とは何だったのか?プラトン対話篇の最高傑作、ついに新訳で登場!
  • テアイテトス

    テアイテトス

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻1,210円 (税込)
    知識とは何か,真にものを知るとはどういう場合を言うのか.当時行われていた三つの知識説をとりあげて批判しつつ,哲学が様々な角度と立場からの吟味や思考を要求するゆえんを示す.有名な無理数論やソクラテスの産婆術などのエピソードを交えた対話篇.日本における本格的なプラトン研究をきりひらいた泰斗による翻訳.

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  • 饗宴

    饗宴

    ビジネス・実用

    3.8
    1巻968円 (税込)
    なぜ男は女を求め、女は男を求めるのか? 愛の神エロスとは何なのか? 悲劇詩人アガトンの優勝を祝う飲み会に集まったソクラテスほか6人の才人たちが、即席でエロスを賛美する演説を披瀝しあう。プラトン哲学の神髄ともいうべきイデア論の思想が論じられる対話篇の最高傑作。(『ΣΥΜΠΟΣΙΟΝ』改題)
  • パイドン~魂について~

    パイドン~魂について~

    ビジネス・実用

    3.7
    1巻1,100円 (税込)
    死後、人間の魂はどうなるのか? 肉体から切り離され、それ自身存在するのか? 永遠に不滅なのか? ソクラテス最期の日、獄中で弟子たちと対話するプラトン中期の代表作。魂の存在を哲学し、威厳をもっておだやかに死を迎えるソクラテスの姿は、「知を愛し求める人」そのものと言えよう。ソクラテスが死を迎えるその瞬間は、その簡潔な描写で美しい一幅の絵画のようであり、感動のラストシーンでもある。
  • メノン~徳(アレテー)について~

    メノン~徳(アレテー)について~

    ビジネス・実用

    3.7
    1巻880円 (税込)
    20歳の青年メノンをソクラテスが挑発! 「徳(アレテー)は教えられるものでしょうか?」メノンの問いに対し、ソクラテスは「徳とは何か?」と切り返す。そして「徳」を定義する試みから知識と信念、学問の方法、魂、善をめぐって議論は進んでいく――従来あまり重視されなかったことばのニュアンスを細かく読みとり、対話のやりとりと内容の微妙な関係を鮮明に浮かびあがらせた意欲的新訳。プラトン対話篇の最高の入門書。
  • プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

    プロタゴラス~あるソフィストとの対話~

    ビジネス・実用

    3.7
    1巻990円 (税込)
    「人間の徳(アレテー)は、教えられるものなのか?」「ソフィストとは、そもそも何者か?」。若くて血気盛んなソクラテスは、アテネを訪問中の老獪なソフィスト、プロタゴラスのもとにおもむき、徳をめぐる対話を始める。しかし、議論は二転三転。次第に哲学的色彩を強めながら、やがて意外な結末を迎えることになる。躍動感あふれる新訳で甦る、ギリシャ哲学の傑作!
  • リュシス 恋がたき

    リュシス 恋がたき

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻770円 (税込)
    美少年リュシスとその友人メネクセノスの二人を相手にして「友」とは何か、「友愛」とは何かを論じていく『リュシス』は、後世に幅広い影響を与えた名作として知られる。同じく二人の少年を相手にして「知を愛すること」としての「哲学(ピロソピア)」という主題を追求していく『恋がたき』をも併録した。「愛すること」という根本的な主題で貫かれた二つの対話篇、初の文庫版となる新訳が登場!
  • 饗宴 恋について

    饗宴 恋について

    ビジネス・実用

    3.3
    1巻550円 (税込)
    「愛」を主題とした対話編のうち、恋愛の本質と価値について論じた「饗宴」と、友愛の動機と本質について論じた「リュシス」の2編を収録。プラトニック・ラブの真意と古代ギリシャの恋愛観に触れる。
  • テアイテトス

    テアイテトス

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,232円 (税込)
    知識とは何か、ほんとうに知っているとはどういうことかを主題に、ソクラテスの助産術などのエピソードをまじえ、知識と知覚について、相対主義批判、記憶や判断、真の考えなどとの関係について対話を重ね、若き天才数学者テアイテトスを「知識の哲学」へと導く、プラトン絶頂期の最高傑作。みずから考え、学ぶことの大切さを考えさせるスリリングな対話篇。
  • アルキビアデス クレイトポン

    アルキビアデス クレイトポン

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,210円 (税込)
    ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版で新訳が登場! 『アルキビアデス大』または『第一アルキビアデス』と称されてきた『アルキビアデス』は、一個人としての「この私」と捉えられる「自己」を認識すること、さらには「人間一般」を認識することを目指し、魂と徳の探究に乗り出す。短篇『クレイトポン』では、その魂と徳の探究への疑問が提示され、ソクラテス哲学の極限に向かって対話が進行していく。
  • クリトン
    無料あり

    クリトン

    小説・文芸

    3.0
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

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  • ソクラテスの弁明

    ソクラテスの弁明

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻440円 (税込)
    「無知」の自覚にもとづき自他を吟味しつつ生きたソクラテスは、「不敬」の罪で告発されて法廷に立った。そのときの「死をまえにしての弁明」を記した古典期ギリシアの哲学者プラトンの代表作。
  • ワイド版世界の大思想 第1期〈1〉プラトン

    ワイド版世界の大思想

    ビジネス・実用

    -
    1~42巻3,300円 (税込)
    ヨーロッパ哲学が誕生してすでに二十数世紀、その間生まれた幾多の作品のなかでも、面白さの点で「対話篇」(国家)は抜群である。そこには知識学や存在学や人間学に関する現代的思索の帰りゆく故郷がある。「国家」の完訳の他、ソクラテスの精神を如実に伝える代表二作を収録。 〈収録タイトル〉 国家/ソクラテスの弁明/クリトン ※この電子書籍は、オンデマンド本「ワイド版世界の大思想」を底本としております。
  • 饗宴

    饗宴

    ビジネス・実用

    -
    1巻440円 (税込)
    ギリシアの哲学者プラトンの、ソクラテスを主人公にした対話編の代表作。酒を酌み交わす饗宴のなかでエロスの神を順番に讃えようではないかという提案がなされ、面白おかしいさまざまな神話的・歴史的逸話を盛り込んだ演説が披露される。最後が酒豪ソクラテスの番であった。ソクラテスはエロスを美そのものへの渇望ではないかと説いて、イデア的な美学を展開する。

ユーザーレビュー

  • 饗宴

    Posted by ブクログ

    まず文学作品として楽しめた。
    ソクラテスというと変わり者の賢者というイメージを持っていたが、この本ではその人となりが生き生きと描かれていて少し印象が変わった。それぞれの論者の語り口や在り方の描き分けがあって、プラトンの技巧を感じられる。古代ギリシャの作品が時代を超えてなお楽しく読めるのがすごい。


    哲学的内容としては、5人の論客がエロスとは何かについて語る。

    少し勘違いをしていたけど、ここで語られているエロスは欲求全般ではなく、美しいものに向けられる欲求らしい。作中ではエロスは美ではなく、美を求める主体でもない、その中間体だと説明されている。主体が欲求対象を持つ状態をA、持たない状態をBとすれば、AとBの間の状態ではなく、AからBに向かう矢印、ベクトル、動機のようなものだろうか。この動機にも複数種類ありそうだから、エロスはその中のひとつなのかもしれない。美を含む善へと向かうある特殊な推進力のようだ。
    人は美の永続的な獲得を望み、不死性を満たすためにその手段として美の中で生産(継承)を行う。

    ディオティマの愛の梯子の話も興味深かった。
    個別の美を求めることから始まり、美の共通項に気づき、一般化していく。美の範囲を肉体から精神、人から社会、自然法則、学問に拡張していく。つまり抽象化と、価値基準の変換が起こる。美への認識が本質へと近づいた時、絶対美(イデア的な美)に気がつく。エロスの方向性は一つでも、人間の認識が不完全であるために、欲求の対象が一方向に定まらないということだろうか?
    この流れは、ファイドロスの俗世的な少年愛、愛する人の前で立派でありたい肉体的な恋の話、パゥサニヤスのより精神的な向上、個よりも関係の正しさを重んじる少年愛、医者のエリュキシマコスによるシステムの中に存在する調和やバランスに介在する話、アリストファネスによる寓話における片割れを求めるというエロスの生じる理由の説明、アガトンによるエロスそのものの性質や効果への矛先の変換、とある程度構造が重なっている。仕掛けのある文章の運び方だ。

    では、イデア的な美の中に生産するとは何を意味するのだろう?
    美が不変なら、観測者の基準が変化して、美を模倣する、再生産しようとする、例えば生き方や生産に本質的な美が反映される?あるいはそれを人に伝えようとする?
    美を永遠に所有するとは、美との関係性を持続することなのかもしれない。所有というものがそもそも主観的な捉え方だとも考えられる。

    美と善の関係も曖昧だが、美は善がエロスにとって欲求の対象となる際の現れ方、人の意識できる善の一側面なのかもしれない。


    最後にアルキビヤデスが押しかけてきてソクラテスについて語り始めたのも面白かった。

    0
    2026年10月25日
  • ゴルギアス

    Posted by ブクログ

    『ゴルギアス』
    感想について、いくつか考えたことをまとめるのが面倒なので、箇条書きに記していく。

    *ゴルギアス
    『ゴルギアス』は弁論術の大家であるゴルギアス本人と、その弟子のポロス、新進政治家のカルリクレスと、ソクラテスとの対話の三幕構成だった。ゴルギアス本人についてはとくに割合が少なく、弁論術の大家で老紳士ということぐらいしかわからなかった。

    *対話とは
    ソクラテスの一問一答的な問答法と、ゴルギアスたちの得意とする大同演説的な弁論術は対極に位置する。ソクラテスの議論はいちいち整理されるので非常にわかりやすいが、ソフィストたちの武器である長広舌の弁論を封じて、自分のフィールドに持ち込んでいるという意味では、せこましいとも言える。
    ただ、ソクラテスの議論はやはり見習わなければならないところがある。非常に平易で、論理的であろうと、議論の毀れがないようにと努めている。このように議論できるのが本来一番良いはずであると思う。しかし、それは本当か、議論のすり替えではないか、そこは同意のものとして済ましてもいいのか、と思うところが多々あった。ソクラテスのような人となら議論してみたい。

    *結末の神話の内容
    ソクラテスによれば、人間は死ねば魂と肉体とに分離し、死後も肉体は生前に形成された肉体の状態を保つように、魂も同様に、生前の魂の状態を保つ。そしてそうした魂は冥界へいき、裁判を受け、よい魂は天国へ、悪い魂はタルタロスの地獄へ行くのだという。しかも、魂は肉体という装飾が剥がされた丸裸の状態であり、ごまかしが効かないのだという。

    *神話についての感想
    かなり唐突だったし、ソクラテスはこれを神話(ミュートス)ではなく、真理(ロゴス)なのだと、自明のこととして扱っている。当時、有神論的な世界観があったというのはわかるが、これはかなり現代人の私たちには受容しがたい。また、ソクラテスが長広舌でこの神話について紹介した後、それは何者によっても反駁・意見が交わされることなく、それはあたかも疑いえない真理であるかのように幕が閉じる。まるで勝ち逃げのようなこの結末はなかなか受容し難かった。

    *神話を受け入れられない理由
    私にとってこれが受け入れられないのは、それがプラトンの倫理学の基礎のように受け取られたからだ(少なくとも『ゴルギアス』を見る限り)。かいつまんでいえば、「魂を汚さないように、よき魂として死んだ後に天国に行けるように、現世でも気をつけて生きよう、そのために倫理を守ろう」といっているように見えるのだ。
    これはほとんどキリスト教と変わらないではないか。これが「魂の配慮」の下心なのか。ニーチェがプラトンの哲学を原始のキリスト教と準えるのも頷けるところがあった。

    *ふたりの利己主義・傲慢な若者(ポロン・カルリクレス)
    二人の若者はどちらもなかなか極端な人物で、明らかに倫理に反していると思われることを平気でいう。それに対してソクラテスが、(よき魂に反する)そうした非倫理的なことを合理的に嗜めるという形式にもなっていたように思う。
    しかし解説によれば、これはプラトンの意地悪な脚色も入っているらしく、二人の人物は実在した人物とされているが、どちらも当時の若者の類型として登場させているのだという。ちなみにゴルギアスについても、実際のゴルギアスは法廷弁論をよしとしなかったらしいが、本書のゴルギアスはそれについても熱心に論じている。

    *読後の感想のひとつ —厭世
    ともあれ、類型として採用された二人の若者像は、当時の時代状況の若者の本音を描き出している。また、ソクラテスが珍しく長広舌になって、腐敗した衆愚政治に対する辟易を述べているが、こうしたことは、時代や国が変わっても、全く進歩しないところがあると自分の厭世観が強まった。

    0
    2026年10月25日
  • 饗宴

    Posted by ブクログ

    饗宴
    著:プラトン
    訳:久保 勉
    出版社:岩波書店
    岩波文庫 青601-3

    「ややこしい本を読む技術」にプラトンのお勧めがあったので購入しました。

    解説の部分と、対話の部分を分けて読んだほうが分かりやすいと、何かの本にあったので、やってみました。が
    対話の部分を塗り分けていたら真っ赤になってしまったので、途中でやめました。

    「饗宴」は、「ファイドン」、「ファイドロス」とともに、プラトンの三大対話著作の1つです。

    師ソクラテスは著作物を残してはおらず、プラトンがソクラテスの考え方を書に現わしています。そして、アリストテレスへとつながる、ギリシャ哲学の本流となります。ギリシア諸学の原点となるのが、ソクラテスと理解しています。

    訳者が用意した序説が冒頭にあります。饗宴の地図でとってもたよりになります。

    本編は、39節からなっていて、副題はついていません。まずそこからとっつきが悪いです

    構成はこうです
     
     序曲 アポロドロスの回想 1
     1  5人の演説
        ⓪宴のはじまり 2~5
        ①ファイドロス 6~7
        ②パゥサニヤス 8~11
        ③エリュキシマコス 12~13
        ④アリストファネス 14~16      
        ⑤アガトン 17~19
     2  アガトンとソクラテスとの対話 20~29
     3  アルキビヤデスの賛美 30~37
        エロスの漸次の進歩
        ①肉体的な愛
        ②制度上の美
        ③心霊上の美
        ④学問上の美
        ⑤美しきイデアから絶対の神々しき美
     終演 解散 38~39

    プラトンは、エロスを、肉体的な美から、最高段階にある哲人王の美への成長とといています。

    3つの智恵、エロス、パトス、ロゴスの1つの解説ととらえました。

    目次

    序説
    凡例

    饗宴

    訳者注
    あとがき

    ISBN:9784003360132
    判型:文庫
    ページ数:182ページ
    定価:720円(本体)
    1952年10月05日 第1刷発行
    1965年03月16日 第16刷改版発行
    2008年12月04日 第79刷改版発行
    2021年07月15日 第94刷発行

    0
    2026年10月19日
  • ソクラテスの弁明

    Posted by ブクログ

    『パイドロス』に刺激を受けてこれも読む。同じくプラトンがソクラテスのことを書いた書。後半は解説。

    ソクラテスは70歳になった頃、「アテナイの国家が信じる神々とは異なる神々を崇め、若者を堕落させた」といった罪状で告発され死刑を求刑される。

    わかりづらいところもあるけど、わたしが感銘を受けたのは以下のような部分。
    p64「善き人が悪しき人によって害を加えられるというのは、思うに、神の掟に適わないのですから。」
    p104 「善き人には生きていても死んでしまっても、悪しきことは何一つないし、その人のことは、神々によって配慮されないことはないのだと。」

    後半の解説で、以下を読み、はっとした。
    p151 天災や偶然や事故、あるいは、悪意や不注意によって財産や名誉や身体が損なわれることは、いくらでもある。しかし、それによって、なにかを被った人自身、つまり「魂」のあり方が損なわれ悪くなるということは、けっしてない。反対に、不正な仕方で他人を害する者こそは、自ら魂のあり方を歪め壊しているのであり、加害者こそが自身を害しているのである。

    これはまさに夫がいつも言っていること!
    卑近な例でいえば、悪口を言われたからといってその人が貶められることは決してない。悪口を言う人が自分自身を害しているだけなのだ。悪口を言われた人は何も気にする必要がないということになる。
    この考え方ができればあなたは無敵だ。何も怖いものはない。

    ソクラテスの死は、今のわたしたちにとっては哲学の成立を意味する。
    p165「私たち21世紀の読者には、死を前にしたこの予言には、ソクラテスやプラトンの意図を超えて、さらに長い時間での生起が込められていることが分かる。ナザレのイエスが十字架に掛けられたことにより「キリスト教」が成立し、彼の教えが全世界に広まったように、ソクラテスの裁判と刑死が「哲学」の意味を開示し、その営みを継承する人々によって西洋の哲学が成立して、今や日本をふくむ全世界で人々は哲学に従事しようとしているのである。」

    かの有名な「無知の知」について記されている。
    p31「『この人は、他の多くの人間たちに知恵ある者だと思われ、とりわけ自分自身でそう思い込んでいるが、実際はそうではない』と。
    そこで私は、その人が自分では知恵があると思っているが実際はそうではない、ということを当人に示そうと努めました。このことから、私はその人に憎まれ、また、そこに居合わせた多くの人たちにも憎まれたのです。
    私は帰りながら、自分を相手にこう推論しました。
    『私はこの人間よりは知恵がある。それは、たぶん私たちのどちらも立派で善いことを何一つ知ってはいないのだが、この人は知らないのに知っていると思っているのに対して、私のほうは、知らないので、ちょうどそのとおり、知らないと思っているのだから。どうやら、なにかそのほんの小さな点で、私はこの人よりも知恵があるようだ。つまり、私は、知らないことを、知らないと思っているという点で』と。
    このことから、私は、その人よりももっと知恵があると思われている別の人のところにも行きましたが、まったく同じ状態だと思われたのです。そしてそこでも、その当人と他の多くの人々に憎まれてしまったのです。」

    ただし、「無知の知」は日本で流布する言葉であり、ソクラテスはそのような表現はしていないという。
    p129 「ここで大切なのは、ソクラテスが『知らないと思っている』という慎重な言い方をしていて、日本で流布する『無知の知』(無知を知っている)といった表現は用いていない点である」
    そしてこのように考えるがゆえに、彼は死も恐れないという。
    p59「死を恐れるということは、知恵がないのにあると思いこむことに他ならないからです。それは、知らないことについて知っていると思うことなのですから。死というものを誰一人知らないわけですし、死が人間にとってあらゆる善いことのうちで最大のものかもしれないのに、そうかどうかも知らないのですから。人々はかえって、最大の悪だとよく知っているつもりで恐れているのです。実際、これが、あの恥ずべき無知、つまり、知らないものを知っていると思っている状態でなくて、何でしょう。」

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    2026年08月11日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

    Posted by ブクログ

    2026/08/08
    p.75
    ソクラテス 白衣を着た秀麗閑雅な女が、側へ来て、僕に呼びかけて、こういったように思われたのだ。
    「ソクラテスよ、三日目にお前は幸多きフティヤに着くであろう。」

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    2026年08月09日

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