大沢在昌の作品一覧
「大沢在昌」の「新宿鮫」「眠たい奴ら」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「大沢在昌」の「新宿鮫」「眠たい奴ら」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
慶応義塾大学中退。1979年 第1回小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞し、デビュー。1991年 「新宿鮫」で第12回吉川英治文学新人賞と第44回日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年「無間人形 新宿鮫4」で 第110回直木賞受賞。2010年第14回日本ミステリー文学大賞受賞。2014年「海と月の迷路」で第48回吉川英治文学賞受賞。大沢在昌公式サイト「大極宮」http://www.osawa-office.co.jp/
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Posted by ブクログ
読書感想|暗約領域 新宿鮫11
大沢在昌の人気シリーズである新宿鮫シリーズの11作目にあたる本作は、前作での人間関係のリセットを受けて、鮫島が新たな一歩を生み出す作品となる。
前作の絆回廊では私生活と刑事生活の両方で、彼が支えとなっていた人間関係を一気に失うことになってしまったのだが、本作でより焦点が当たるのは刑事の生活の方だ。このシリーズではキャリア組でありながらも、所轄に配属された鮫島を生活安全課の課長として桃井が陰に日向に守ってきた。
しかし彼の後を継いで生活安全課の課長となったのは、「ルールを守る」ことを自身のポリシーとするノンキャリアの叩き上げである阿坂という女性警視だった。通常であれば二人一組で捜査に当たるところを、鮫島がこれまで一人で捜査を行ってきたのは、桃井の理解と庇護のおかげだった。その桃井から阿坂に上司が変わることで、鮫島は自身の操作方法を変えるか、阿坂と対立するかの二択を迫られることになる。
その葛藤と浅香との激突が警察内部での本作での見どころだとすると、その警察の外側で鮫島が追う事件は、これまでになくスケールの大きいものとなっている。発端となったのは生活安全課の事件らしく、新宿で運営されていた闇民泊の摘発だったが、その一室で宿泊者らしき男が射殺されるところから事件は始まる。
闇民泊はシノギが減って苦しくなっているヤクザの新たな資金源との位置付けなのだが、本作は当然そこで物語がとどまるわけではなく、やがて殺された男は北朝鮮籍であり、北朝鮮や中国との密輸に関わっている人間であることが明らかになる。
そして鮫島の捜査が進むにつれて関わってくる人間は警察内の公安だけではなく、前作に登場した金石や東亜通商研究会、さらに北朝鮮やタイ、中国といった国際的なマフィアたちにも広がっていく。また捜査が進むにつれて「ルールを守る」ことで警察を信じてきた阿坂は、鮫島たちキャリアを取り巻く警察内部の闇にも少しずつ触れることになっていくのだった。
おそらく過去最長の作品と言って良い本作は、とにかく脇役を含めた登場人物の数が多く、話の筋を追うだけでも簡単ではない。鮫島が所々説明口調で事件の振り返りをしてくれるのだが、それでも誰が敵で誰が味方かわからないまま物語は進んでいく。
もちろん、そうした混沌とした世界観を描くことこそ作者の大沢在昌の狙ったところなのだろうが、「何かすごいことが起こっている」ということはわかりつつも、読んでいる(聞いている)方としては、頭がこんがらがってきてしまうところがある。
最終的には、最近の新宿鮫らしくしっかりとアクションで物語は幕を閉じるのだが、やや伏線が消化不良なところもあり、続編があることは、この作品用のだけでも確信できるような終わり方だった。
Posted by ブクログ
新宿鮫が新宿ではないところで⁉︎
今回、新宿はおろか東京近辺での話でもなかった。
管轄外の地域では、捜査をする権限はないらしい。
それでも一個人として、たまたま出会った友人の友人のために、鮫島は動いた。
相変わらず命がけで。
結局まるでいつものように、行動を起こしていた。
結末は、誰も納得がいかないものだったけど、被疑者死亡で証言も証拠もないから仕方ない。
真相は闇の中だ。
それを上は、綺麗に収める。
鮫島も、上に守られたような形になってしまった。
組織を嫌っていても、結局は組織に守られることもある。
鮫島のとった行動に対して、何のお咎めもなかったのがいい例だ。
世の中、全てを白黒はっきりさせず、覆い隠してしまうことも時には必要なんだろう。
ただ、その塩梅が難しい。
Posted by ブクログ
香田も悪いやつじゃなかったな。
自分なりの信念を貫いて、今までのイメージが払拭された気分だ。
これから、いい意味での付き合いが増えていったりするんだろうか。
今後が楽しみだ。
今回は、今までで一番終わり方が良かったように思う。
逃げられて終わり、うやむやにされて終わり、というのではなかった。
それなりにいい感じに収まって終わった感じ。
大きな組織の上層部が関わってくると、下っ端はどうしても身動きが取りづらくなる。
さすが、失うものがない鮫島だ。
色々と立場を考えて動けなくなるわけがない。
簡単に丸め込まれたりもせず、自分の信じる警察官像を貫いていた。
周りに何を言われようと、どんなことをされようと、貫けるものがあるってカッコいい。
新宿鮫シリーズで、今のところ一番好きな回かもしれない。
Posted by ブクログ
あー!あの時のあの人か!その兄弟分がメインで出てる!
過去作と繋がっているのが楽しい。
今回は、今までで一番そう思えた。
どんな世界でも賢い人が上に上がっていく。
頭を使えない人は、一生下っ端だ。
ヤクザの人たちも、すごいと思う。
しっかりした組織であり、上の人のために命を投げうる覚悟があり、巧みな話術とテクニックで人を操る。
きっと、どんな組織もクリーンではない。
特に昔からある大きな組織。
そういうしがらみを無視して突っ込んでいく鮫島はかっこいい。
そんな鮫島を自由にし、Goサインを出せる桃井さんもかっこいい。
覚悟を持って動ける人たちはかっこいい。
ヤバい。
どんどん鮫の沼にハマっていってしまう。
次を読むのが楽しみだ。