高橋秀実の作品一覧
「高橋秀実」の「「弱くても勝てます」―開成高校野球部のセオリー―(新潮文庫)」「一生勝負 マスターズ・オブ・ライフ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
大変面白かったです!
東京大学受験が当たり前の開成高校で学ぶ学生の野球への姿勢に驚きの連続でした。
学生時代、監督や先輩を恐れて野球なんて楽しくないと思いながらやっていた自分としては彼らが羨ましく思うと同時に、開成高校に入るだけの努力ができるからこそ野球に対しても何が自分に足りないのかを客観視しながら楽しく野球をする方法を自分で考えているのだなと思いました。
エラー、三振当たり前でOK。でも消極的はダメ。
当然同じようなことは言われましたがその意味は大人になってようやく気付きました。
彼らは16歳〜18歳で気付いていることが本当にすごい。
それはタイムトラベルなのでは
僕は母を見送りました。ある日行方不明となってから「地獄の2年間」は始まりました。
筆者はお父上とのやり取りを克明に記録し、言葉から「認知症」という言葉を解体して行きます。
その過程は痛快極まり無いのです。
定義できないものを定義できるように定義する
そういう「科学」に対抗できるのは「哲学」だ、と筆者はそれを武器に快進撃を始めます。
ですが、「言葉で言葉を解体する」のには無理があるように思いました。まさに
言葉にできないものを言葉にできるように言葉にする
言葉にすれば「固定」できる。
言葉を仕事にしていた筆者の願いがそこに見えたように思いました。
僕は「感動的に分からないひとたち」と付き合うのがずっと仕事でしたので、
筆者の努力の方向に光が待っているとは思えませんでした。
「生命とは情報の流れの中に生まれた結節点のようなものだ」
「Ghost in the shell」の中で人形遣いが言っています。僕もそう思います。
個体側から言えば、その結節点は環境の変化により「組み替え」されてゆきます。
筆者の言う通り、時間には区切りがあり、それはその「組み替え」時期なのです。
その時点の認知地図、つまり生命維持に必要な情報の集合、は記憶として保存されているのです。
例えば現時点で生命維持に必要な情報が欠如し、その集合体が維持できない場合、
個体はそれを放棄し、保持されたある時点での集合体を採用します。
OSのバージョン変更に似ています。
当然齟齬が生じますが、個体に必要なのはつじつまあわせではなく、生命維持のための情報なのです。
他の個体の都合など知ったことではないのです。
筆者のお父上に致命的な疾患が発見されたというのを読んで僕は「やはり」と思いました。
僕の母もそうでした。
生命維持が難しくなったので、現在の集合体を破棄し、別のものを採用した、、、
僕は母の異変をそう直感し、直後に精密な脳血管検査、その他をしてもらいました。
やはり、ありました。
生命体としての母はこれ以上の生命維持が難しいと判断し、最終的なプログラムを走らせ始めていたのです。
僕の計画はひとつ。母を静かに、母の生命体としての最後を静かに過ごさせてやることだけでした。
幸いにして僕は、母が戦前、戦後をどう生きてきたのかを、子供としてはよく知っていました。
母がどの地点の集合体を採用したのかは容易に知れました。
そこが母の最後の秘密の花園ならば、そこで暮せるように。
Posted by ブクログ
季刊誌「考える人」連載中に前半だけ読み、今回文庫版で完読。
冒頭、名刺を交換しただけの中年の「縄文男」が、なれなれしく「お前、来週の水曜日、時間ある?」と囁きかけてくる。そこからファミリー・ヒストリーの旅が始まる。この中年男がだれかずっと気になっていたのだが、なんと、彼が文庫版の解説を書いていた!
現在の自分から見て、親が2人、その親の親が4人、そのまた親は8人というように、時間をさかのぼると、祖先はどんどん増えてゆく。逆に時間を下ると、ひとりの祖先から子孫が枝分かれし、これもどんどん増えてゆく。両者は相似の関係。著者がそれを実感するくだりがおもしろい。
キーワードは「佇む」。先祖がいた場所まで行って、佇んで考える(掲載誌「考える人」にぴったりだ)。これも自分探しの旅の一形態?