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  • 女の答えはピッチにある:女子サッカーが私に教えてくれたこと
    4.5
    韓国で「真のフェミ本」と話題沸騰!【サッカー本大賞2021受賞】 仕事アリ、夫アリ、子どもナシ、30代の著者は、ロナウドのプレーに魅了されてから熱烈なサッカーファンとなり、地元のアマチュア女子サッカーチームを探して入団。それから起こった様々な出来事や心情の変化をユーモア溢れる生き生きとした筆致で綴る抱腹絶倒の体験記。 男のスポーツという印象が強いサッカーの世界に著者が飛び込んでいった時の気づきがとても面白い。サッカーの世界では「女が知ってるはずがない」という偏見を前提に、男は女に説明したがる。そのおかしさが、著者の視点によってわかりやすく見えてくる。そして女がサッカーをするときのハードルは、社会の中で男の領域とみなされている場所で女がサヴァイブするときのハードルにもつながっていると気づかされる。 チームの女たちは、時間をつくって練習を重ね、体と向き合い、どうすればサッカーがうまくなるかで頭がいっぱいだ。大好きなサッカーを続けるために、女たちは手と手を取り自然に連帯していく。現状を嘆くのではなく、どう連帯するかを、サッカーを通じて軽妙に語る本書は韓国で多くの読者に熱く支持され、YES24主催「今年の本」にも選ばれた。サッカーを通してフェミニズムの先にある希望を読者は見出せるだろう。
  • 大丈夫な人
    4.3
    欧米も注目する韓国の奇才による初の短篇小説集 日常生活で女性が襲われる理不尽と絶望を純文学に昇華し、韓国の女性を中心に絶大な支持を得ている女性作家、カン・ファギル。他者の行動の裏に潜む悪意を浮かび上がらせ、現代社会の“弱者”が感じる不安、絡み合い連鎖する不安の正体を自由自在に暴いてみせる。デビュー作「部屋」、若い作家賞受賞の「湖――別の人」、英国の翻訳家デボラ・スミスに注目され、英国で刊行された韓国文学の短篇集に収録されて大きな話題となった「手」など全9篇。 本書に描かれている世界と同様の閉塞的な社会を生きている日本の読者にも不安は迫ってくる。その背後に潜む差別意識や劣等感などに気づかされ、見えているものと見えていないもの、そして、何が真実なのかを突きつけられる。 「湖――別の人」:親友ミニョンの恋人で、周囲から「すごくいい人」と評判の男性イハンと湖に行くのがひどく憂鬱だった「私」。その湖は、ミニョンが暴行された現場だったから。イハンに何度も同行を求められ、彼を疑い続ける自分も信じられなくなってきた「私」は、ついに湖に一緒に行くことにするが……。 「ニコラ幼稚園――貴い人」:「ここに入れば出世する」と噂のニコラ幼稚園。下世話な噂も絶えないが、園児募集の時には毎年長蛇の列ができる。「私」は一人息子のために毎年並ぶ。読み書きを教えてもらえず惨めな思いをした自分の二の舞にならないように……。 「大丈夫な人」:婚約者の彼と車に乗っている「私」。彼は高収入の弁護士。「私」は母親が亡くなり質素な生活をしていたから、他人からはこの結婚が幸運に見えるだろう。だが今車内で「私」は不穏な何かを感じている……。 「手」:夫が海外赴任になり、小学校教諭の「私」は幼い娘を連れ、夫の実家の農村で姑と三人で暮らすことにする。農村の暮らしには違和感がつきまとう。田舎の小学校でもいじめがあり、手を打とうとするが、村人は耳を貸さない。村人が集まり、収穫した豆を町内会館で茹でる日。「それは『手のない日』でなければいけない」と言う姑に「手」の意味を尋ねると、村では悪鬼を「手」と呼ぶのだという。悪鬼とは、村に入ってきて、人に悪さをしたり邪魔したりする女のこと……。
  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない
    4.3
    韓国社会で可視化され始めた性差別の問題。本書は差別問題て苦しむ女性たちのための日常会話のマニュアル書です。なせ差別が存在するのか、男性のことばにカチンとするのか。実際の 体験から問題を読み解き、自分たちのことばで対策を提案、「なにもかも女性嫌悪!」「セクシストにダメ出しする」など力強く痛快な表現で、フェミニスムを提言しています。

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  • 韓国、男子――その困難さの感情史
    4.1
    「男」は理不尽な観念だ。ジェンダー間の格差・分断・差別の歴史の中で、男性は「男」であるがゆえに抑圧する主体だった。他方、「男なら…」という期待は、当事者に「失敗と挫折でがんじがらめ」の内的経験をもたらしてもきた。日本においても然り。だが韓国では、この問題を感情史的アプローチで探究する試みがいち早く登場した。韓国ドラマの男たちが“おんな子どもを守る強い男”の類型を引きずり続けるのはなぜだろう? フェミニズムへの関心の高い国で、なぜ若者がバックラッシュの政策を支持するのか? その背景にある男性性の問題、すなわち「韓国男子」のこじれの源を、本書は近現代史上の事象や流行語を手がかりに辿る。「男子(ナムジャ)」の苦難や煩悶が、非‐男性への抑圧と表裏をなしながら、いかにして社会を構成する人々全体の生きづらさに与ってきたか。朝鮮王朝時代、植民地化、南北分断と軍政、民主化、新自由主義化といった局面に応じて、男性性をめぐる新たな困難と、そこから噴き出る抑圧と暴力の構図が繰り返し出現した。終盤では、兵役が生む軋轢や、オンラインで拡散する苛烈なミソジニーとバックラッシュに揺れる2000年以降の社会の様相を見る。「このような作業が必要な理由は、まず理解するためだ。」今日の韓国の人々の心性を理解するための重要な知見と示唆に溢れた論考であるとともに、日本における同じ問題を合わせ鏡で見るような書だ。
  • 光っていません
    4.1
    事故で2年間植物状態になっている恋人を見舞い続ける“私”の前に、分身を名乗る幽霊が現れる。自分そっくりな幽霊が一向に姿を消さないため、“私”は仕方なく一緒に暮らし始めるが……(「幽霊の心で」)。人間をクラゲにしてしまう、変種のクラゲが大量発生する。社会に動揺が走るなか、音楽活動をやめた“私”は、自らクラゲになりたがる人をサポートする仕事につき……(「光っていません」)。所属している劇団が行き詰まり、仕方なく役割代行サービスをしている駆け出し俳優の“あたし”。誰かに代わって別れを告げたりニセの恋人になったりしているうち、ある男から、「冬眠の準備を手伝ってほしい」という依頼があり……(「冬眠する男」)。閉塞感に満ちた日常に解放をもたらす、韓国発、8つの奇妙な物語!/【目次】幽霊の心で/光っていません/夏は水の光みたいに/見知らぬ夜に、私たちは/家に帰って寝なくちゃ/冬眠する男/アラスカではないけれど/カーテンコール、延長戦、ファイナルステージ/作家の言葉/解説=倉本さおり
  • 破果
    4.1
    稼業ひとすじ45年.かつて名を馳せた腕利きの女殺し屋・爪角(チョガク)も老いからは逃れられず,ある日致命的なミスを犯してしまう.守るべきものはつくらない,を信条にハードな現場を生き抜いてきた彼女が心身の揺らぎを受け入れるとき,人生最後の死闘がはじまる.韓国文学史上最高の「キラー小説」,待望の日本上陸!

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  • 私たちが記したもの
    4.0
    韓国で136万部、日本で23万部を突破した、『82年生まれ、キム・ジヨン』の多大な反響と毀誉褒貶、著者自身の体験を一部素材にしたような衝撃の短編「誤記」ほか、10代の初恋、子育ての悩み、80歳前後の姉妹の老境まで、全世代を応援する短編集。貧富の格差、家父長制、女性差別、誤解。悩みながらも、シスターフッドと自分のアイデンティティを大切にする女性たちの物語。
  • 82年生まれ、キム・ジヨン
    4.0
    キム・ジヨンの人生を克明に振り返る中で、女性が人生で出会う差別を描き、絶大な共感で世界を揺るがした(事件的〉小説、待望の文庫化! BTSやRMらが言及、チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化。韓国で136万部、日本で23万部を突破。フェミニズム、韓国文学隆盛の契機となる。文庫化にあたり、新たな著者メッセージと訳者あとがき、評論を収録。
  • 脱コルセット:到来した想像
    4.0
    ルックス至上主義、規範的女性性に抵抗する脱コルセット運動。韓国の若い女性たちが化粧品を捨て、髪を短くした写真をSNSにアップ、急速に広まった。女性らしさを「電撃的に打ち切る」強いアプローチを取った背景とは。『私たちにはことばが必要だ』イ・ミンギョンが「脱コル」実践者たちと対話し、読解を試みた渾身の1冊。

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  • 彼女の名前は
    3.8
    未来のために、「次の人」のために立ち上がる女性たち、28の物語。セクハラにあった女性が闘い続ける理由とは? 推し活で届けたい言葉とは? 地下2階の部屋に住む女子生徒の悩みとは? 文庫版のための著者メッセージも収録! 日韓累計165万部突破の『82年生まれ、キム・ジヨン』の次作短編集。文庫解説=桜庭一樹、解説=成川彩 推薦文=王谷晶、伊藤詩織
  • ソヨンドン物語
    3.7
    資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。持たざる者の苦労と、未来への希望。韓国中間層の現実をリアルに描いたハイパーリアリズム連作小説。舞台はソウルにある架空の町〈ソヨン洞(ドン)〉。近年の不動産バブルやマンション購入、過剰な教育熱、所得格差といった社会問題が、住民の悲喜こもごもとともに描き出される――。
  • 失われた賃金を求めて
    3.7
    「女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」   『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』で鮮烈な印象を与えたイ・ミンギョン、次は男女の賃金格差に斬り込んだ!男女賃金格差がOECD加盟国中「不動のワースト1位」の韓国の社会事情は、「不動のワースト2位」の日本でも共感必至。賃金差別は存在する!

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  • コマネチのために
    3.6
    体操界の妖精コマネチに憧れる少女と、30代の日々を生きる私の物語。『82年生まれ、キム・ジヨン』著者初期作品。ファンサンボル青年文学賞受賞。
  • 破砕
    3.6
    「この車に乗ったら最後,お前の身体は,一から十まで作り変えられる」.師に見出され殺しの道を歩みはじめた彼女は,死と隣り合わせの最終訓練に臨む.人を破壊する術を身につけることは,人として,女としての「普通」の一生を粉々にすること──.伝説の殺し屋誕生を濃密に描き出す,戦慄と陶酔ほとばしる『破果』外伝.

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  • ペイント
    3.6
    「君たちは、親を選べる子どもなんだよ」 「アーモンド」に続く「チャンビ青少年文学賞」受賞作。 韓国で30万部。ブレイディみかこ氏推薦。 「子どもに親を選ぶことができたら。人類の究極の「IF」に挑んだティーン小説。 大人こそ読んでこころの準備をしておいたほうがいい」 事情により子どもを育てられなくなった親が、子どもを預ける「NCセンター」が設立された近未来。そこでは子どもが親を選ぶ面接「ペイント(ペアレントインタビュー)」が行われている。そんなNCセンターに在籍する17歳の少年ジェヌが、この物語の主人公。 20歳のセンター退所期限までに親をみつけなれば、センター出身という経歴がIDカードに刻まれる。過去にNCセンター出身者による犯罪が行われたことで、社会にはNCセンター出身者への偏見が存在し、その経歴が刻まれないよう、子どもたちは必死にペイントを続けている。 しかし、ペイントにやってくる親候補の多くは、養子縁組することで受け取れる福利厚生が目的。親候補たちのとりつくろった笑顔と、透けて見える本音を、ジェヌは瞬時に見抜いてしまう。 NCセンターの退所期限を3年後に控えたジェヌは、ペイントをしながら、親や家族という存在について思索し、自分の進む道をつかもうとする。 ■韓国作家の推薦文 『ペイント』は、11歳の娘が先にひったくるようにして持っていった本だ。ものすごく面白い、と本から手を離せなくなっている娘の姿に、正直心がチクリとした。 娘が学校にいっている隙にこっそり読みはじめた。読んでいるあいだじゅう、いい母親になりたいのにどうしていいかわからない私のそばへ、かつての自分がやってきて座っていた。親の関心や理解を求めていた幼い頃の私、そして、絶対に親元を離れると誓っていた20代の私が。いつのまにか母親になった私は、娘とともに『ペイント』のなかの「親を選ぶ子供たち」「親になろうとする大人たち」そして「かれらを手助けするセンターの大人たち」がそれぞれどんな想いだったか、ひとしきり語り合った。その語り合いが遠い未来まで続くであろうことを、私は知っている。 ――小説家 チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』 【目次】 ジェヌ、301です 父母面接を始めます いったいどんなヤツ紹介されたんだよ? IDカードの番号 大人だからって、みんなが大人っぽい必要ありますか お前は、自分の思い通りに生きると思ってんだろうな 自分のためだ、自分のため あの噂、聞いた? 待ってるからね、友達 Parents' Children 最後に聞いてもいいですか? 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき
  • 耳をすませば
    3.4
    舞台はテレビのサバイバル番組。抜群の聴力を持つ少年が出場し……。弱肉強食の社会を見据える著者ならではの真骨頂。一気に引き込まれるエンタメ小説。
  • サハマンション
    3.4
    「世界でいちばん小さくいちばん異常な都市国家」である「タウン」。そこでは……。「口にしたり書いたり印刷したりしてはいけない単語があった。……歌ってはいけない歌があり、読んではいけない本があり、歩いてはいけない通りがあった」。その中で、「サハマンション」は「唯一の通路もしくは非常口のような場所だった」。そこには犯罪を犯して逃亡してきた者たち、「タウン」から排除された人々が流れついていた。
  • 大仏ホテルの幽霊
    3.3
    韓国社会の〝恨〟を描くゴシックスリラー 物語の舞台は、1950年代後半、朝鮮戦争の傷跡が生々しく残る、朝鮮初の西洋式「大仏ホテル」。朝鮮半島に外国人が押し寄せた時代に仁川に建てられた実在のホテルである。 アメリカ軍の無差別爆撃で家族を亡くしたチ・ヨンヒョンは仁川の港で泊まり客を大仏ホテルに案内する仕事をしていた。雇い主は同い歳のコ・ヨンジュだ。ヨンジュは苦労して英語を習得し、大仏ホテルの後身である中華楼での通訳を経て、再オープンした大仏ホテルの管理を任される一方で、アメリカ行きを虎視眈々と狙う。中華楼の料理人のルェ・イハンは、韓国人からヘイトの対象とされる華僑の一族のひとり。かつて栄華を誇った大仏ホテルも、今や中華楼三階の客室三室とホールだけの営業となった。悪霊に取り憑かれていると噂される大仏ホテルに、ある日、シャーリイ・ジャクスンがチェックイン。エミリー・ブロンテも姿を現し、運命の歯車が回りだす。 伝播する憎しみ、恨み、運命を変えたい人々、叶えたい想い……。スリリングな展開と繊細な心理描写によって、韓国社会の通奏底音である「恨(ハン)」を描ききり、最後は大きな感動に包まれる、著者の新境地。
  • 働きたいのに働けない私たち
    3.0
    韓国の子持ち高学歴女性は労働市場から退場していく。社会は有能な人材を失い続け、母親たちは代わりにわが子の教育で競争に参戦する。男性本位の職場、個人化されたケアを解体するために何が必要か。スウェーデン、アメリカとの比較から考える。
  • 〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    物語の中の〈弱さ〉が、読む人の心に火を灯す どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。 2023年1月~3月にNHKラジオ第1「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座の待望の書籍化!

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