歴史の厚みを何と取る
長きに渡る時間をかけて踏み締めた道のりが、たとえば進む方向が間違っていたとして、進んだ道そのもの全ては果たして無駄であったのだろうか。費やした時間は、それまでに消費したものは、得た経験は、何の役にも立たぬがらくたであったのだろうか。
到達を強く夢見ていた者ほど、徒労に終わった事実は耐え難い苦痛となるだろう。
しかし、その苦痛は、長きにわたる研鑽は、必ずしも全く無駄であったと言えるものではない。
同じ志を持つ者、これから同じ道へと歩みを進めようとする者の背中を押し、道を照らす灯火の一つとなることだろう。