あらすじ
死後、浮世と冥土のはざま『鎮守の社』で働くことになった元・売れっ子遊女のあお。宮司の楽丸の留守中、突如あおの前に見知らぬ狐耳の男が現れる。社に逃げ込んだ遊女の悪霊を追っていたという男は、あおのことも悪霊と見なし…!? 迷える魂の行き着く先は“救済”か、“断罪”か。廓の中で懸命に生きた、遊女たちの過去が明らかとなる――!
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Posted by ブクログ
『忘八』かあ、と思った。あんなに信じたととさんに、息があるのに見捨てられ、樽ごと生き埋め。呪い殺したくなってもおかしくないと思う。
一方で生きている私たち同士も、理不尽な目に遭って恨む事はあるけれど、結局恨むほうばかり苦しくて、恨まれている側は平気でいる。自分ばかりで酷い目に遭ったほうの事なんかこれっぽっちも気がついていない。恨む相手は『魂の死んだ』ひとと思って、忘れちゃうのがいちばん楽になるんだろうな。そうも出来ずに苦しんでしまうのが人間なのかもしれないけど……。
『定めというものは巡り合わせ あなた自身が引き合わせるものだ!!』という言葉が心に残った。
どんなによい事が起きそうな時でも、自分でふいにしてしまったら意味がない。どんなに悪い時でも、自分でよいものを引き寄せていけば、自分の持ってるカードなりの幸せは掴めるのかな、と。
そして今回もうすいの神がしゅんとしたり芸を覚えさせられようとしたり、キリッとして見せたり、可愛かった。
あと遊女たちの指や足の書き方が色っぽいなと思った。彼女たちの武器であるから、一層丹精込めて描かれているのかもしれないけど、首筋の細さや立ち姿、指先や足が色っぽい。描写が好き。
八徳は捨てるな
恐丸宮司のつっけんどんな言い方をしながらも楽丸宮司を見守る優しさににやけてしまいます。心配なんですね、わかります。
表紙のあおさん今回もいとかわいらしなんですが孔雀の意匠の打掛けの見事なこと!!悲しい物語のなかの衣装だとか、わだかまりをとこうとする優しさとかの美しさにすごく惹き込まれます。
面白い!
作品の世界にぐいぐい引き込まれてしまいます。とても面白くて、悲しくて、そんな死者たちの話ですね。あおさん、本音はいつになったら話すかな。
物語を進めることになりそうな、新しいキャラクターがちらっと登場です。
遊女の争いや憎しみも結局は誰かとの絆を求めてのことだと思うと、より一層、その孤独が悲しい。
そんな中でも一生懸命生きようとする女性達の姿は、強くて魅力的にも感じます。
新しいキャラクターの登場で今後が楽しみです。
面白さが増していく
1巻にもあった引き込まれる世界観はそのままに、面白さを持続しているのが作者の技量を感じる。
化け物退治、そのほとんどが遊女でありながら、問題や解決策がワンパターンじゃないのがよい。
生前の思いにとらわれた姿をしているがそのキャラの造形も様々で面白い。
ゲストキャラだけではなく、重要なキャラも増えてきてますます今後が楽しみな作品。
七里の回は本当に切ないというかやりきれない話だった。
これを言ってしまうと話が作れないが、かむろに仕置きを受けさせているやり手を諫め、背負ってくれるほどに優しかった彼の性格が非情になってしまったのは口惜しいし、一方で非情でなければ遊郭の主など務まらないのかとも考えさせられる。
孔雀打掛を体にまとって胸を張る七里の絵がとても美しく、印象的でした。
どんどん引き込まれる
巻を追うごとにどんどん引き込まれていく作品です。
秘められたたつきの過去や花街に生きる人々の思いなど、重いテーマを扱いながらも、軽妙なやりとりでテンポよく読むことができます。
Posted by ブクログ
まだ息があったのに見捨てられ
埋められたら、それは悪霊になって出て
相手を呪い殺すのも許されて良いのではと思ってしまう。
思いがどういう形でも報われないのは切ない。
恋心の描き方が興味深かった。
呪いの気持ちのまま終わるかと思いきや
首の陰干しにはちょっと笑ってしまった。
なかなかいいよ。
絵は可愛いしうまい。濃紫を始め、人物が手塚治虫か石ノ森章太郎か。いや違う、うまい。話は時代もの、なかなかの逸品だ。