あらすじ
『修羅の門』『修羅の刻』『海皇紀』‥稀代のストーリーテラー川原正敏最新作は、紀元前中国が舞台。
秦末の動乱期に覇を争った項羽、そして劉邦の生きざまを描き出す歴史絵巻。
主役には天才軍師・張良を据え、偉丈夫達の興亡を紡ぎだす!
劉邦 対 項羽の戦いは、次なる展開へ!
張良の策により、辛くも項羽の手から逃れた劉邦は
韓信が陣を構える修部に、その姿を現す。
そこで劉邦が取る驚きの行動とは――!?
感情タグBEST3
小さな違和感
酈食其の活躍と覚悟が丁寧に描かれ、圧巻。また、韓信と劉邦とのやり取りなど、川原流のストーリー展開が小気味よい。9巻、13巻と並んで好きな巻だ。
ただ、108ページで酈食其自ら「酈生」と呼んでいるが、自身を呼ぶのに「〇生」という尊称で呼ぶのは不自然ではないだろうか?ここは、「この酈食其」が相応しいと思うのだが。
Posted by ブクログ
斉の攻略と、酈食其の最後。劉邦の成皋再攻略の21巻。
説客として己の尊厳をかけて大局のために死した酈食其。
己の尊厳のために大局を見誤ってしまった曹咎と司馬欣。
己の行動の基にあるのは同じ感情なのだが、もたらされた結果が違うと、それまでの人生が否定されてしまうといういい対称。結果論なところあるか?
いや、それまでの様々な行動であらわれているのではないかな、生き様が死に様である。
好対照な出来事だと思った21巻です。
弁舌家の真骨頂
あとがきによると川原先生も思い入れがありそうな、酈食其の見せ場。
この場面での韓信の行動は、弁舌家に手柄を独り占めされないように、などとしている解釈もあるが、
川原先生の解釈は良かった。