あらすじ
『修羅の門』『修羅の刻』『海皇紀』‥稀代のストーリーテラー川原正敏最新作は、紀元前中国が舞台。
秦末の動乱期に覇を争った項羽、そして劉邦の生きざまを描き出す歴史絵巻。
主役には天才軍師・張良を据え、偉丈夫達の興亡を紡ぎだす!
劉邦 対 項羽の戦いは、次なる展開へ!
張良の策により、成皋を陥落させた劉邦。
その知らせを聞き、項羽は驚きの速さで成皋へと戻る。
これに対し、張良が取る次の一手とは――!?
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奇策
韓信の見せ場!有名な奇策だけど、あとがきにもあるように漫画っぽく、逆に漫画にしてみると事実と知っていて読まなければ地味ともいえる・・・。龍且の心理あってこその成功だったのだろう、というのがわかりやすく描かれている。
Posted by ブクログ
さあ、劉邦と項羽が対峙していよいよ、といったところなのですが、歴史の流れはそうそうすんなりいかないもので。
ここで、韓信が第三勢力として台頭してしまうのですね、確か。蒯通。その立役者というべきか黒幕というべきか。
「士として生まれたからには、その才の限り天下に名を残すべき」という一念があっての行動で、私利私欲ではなかったのでは、という描かれ方です。
その一念に生命を懸けた酈食其と行動原理は同じなのですが、悪役と感じてしまうのは物語として読んだときに、余計なことをした、と思うからでしょうか。
いやいや、面白くなってきた、という感覚は今でこそありますが、「項羽と劉邦」初読の時はこの出来事は韓信の評価を下がることになったので、当時を思い出してしまいました。
「時と人が項羽に勝つのです」と張良。
「あなたの計を綻ばせるのはこの漢王かもしれませんよ」と陳平。
伏線回収は、決戦直前。