あらすじ
年末、憂鬱な気分で実家に帰省した尚哉。複雑な気持ちを抱えながらも、父と将来の話を交わす。
翌日、散歩に出た先で、尚哉は小学校時代の友人の田崎涼と出会う。
何気なく民俗学研究室や高槻の話をすると、後日高槻の元に涼の兄から相談が。
勤務先の小学校で「モンモン」という正体不明のお化けの噂が立ち、不登校の児童も出ているという。
怪異大好きな高槻は喜ぶが、その小学校は苦い思い出が残る尚哉の母校で――。(第一章 押し入れに棲むモノ)
「幸運の猫」がいるという旅館に、泊まりがけで出掛けた高槻、尚哉、佐々倉。
何故かスキーをすることになり、大いに戸惑う尚哉だが、高槻と佐々倉に教えてもらい、何とか上手く滑れるように。
休憩所で宿泊客たちと歓談していると、うち一人が「昔会った雪女を探しに来た」と言い――?(第三章 雪の女)
夢で死者に会う!? 雪山で高槻と尚哉が見たものとは――。
異界に魅入られた凸凹コンビの民俗学ミステリ、未来を望む第8弾!
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Posted by ブクログ
キャラクター紹介に遠山さんと沙絵さんが追加されてて嬉しい
四人ミサキの話がうっすらと怖い
娘を忘れてほしくないと言う一方で、娘のことを悪霊にしてしまう父親..思いが空回ったのか別の思惑があったのか
高槻先生を守るために頻繁に出てくるようになり、ついでに深町くんも守るもう一人さんだけど人の体の仕組みを知らないせいで危うく自分で先生を殺しかけるという
ますます正体が気になる。もう一人さん推せる..
深町くんが若干不安定
高槻先生を守るためなら先生から離れることを選びそうな危うさがある
Posted by ブクログ
押し入れに棲むモノ
「ごめんなさい」、この言葉にこれほどまでに顔をしかめることが今までにあっただろうか。感受性が強くなったのか、涙もろくなったのか。恐らくどんなシチュエーションが今後起こるのかが創造しやすくなっているんだ。だから次のページに記されている不安が自分の中で勝手に大きくなるんだろう。今までで一番しんどい話だった。そして、4回目のモノホンのご登場。恐らくは「後ろの正面を向いた者に憑く怪異」。周りを攻撃することから考えると憑き物の一種だろう。モンモン。おー怖。
四人ミサキ
再解釈しよう。高槻が嫌うのは「帰ってこないこと」ではなくそれによって「人が怪異となること」なんだ。怪異となるということは個人が伝承として一般化されることを意味し時としてそれは個人の思惑とはずれた一般化することがある。また、そこにあるのはあくまで怪異でありその元になった個人はいない。それを高槻は嫌なのだろう。怪異ではなくその人を見てほしい。だって自分は見てもらえなかったから。当然のことといえばそうなんだけど、結局怪異を生むのって人の弱さだなと思う。
雪の女
ペース上がってんぞ、おい。5人目の登場。コナンでも出てきたが雪女というのは母性の象徴でもあるのだろう。冷たい(厳しい)けどでも暖かい。それが雪女なんだろう。もう本当に怪異が出てきて当然の世界になっつしまっている。「もう一人」もハイペースで出てきている。深町も言っていた。「今さらだ」。でもここまで来ると何だかんだ心配になってくる。本当に2人はこちら側に戻ってこれるよね?
Posted by ブクログ
①押し入れに棲むモノ(深町尚哉の里帰り、からの母校小での「モンモン」出没の相談。「かごめかごめ」にまつわる話。)②四人ミサキ(小学校で仲良し4人組だった女子。疎遠になってからの死の呪い?)③雪の女(失踪した母に似た雪女を探す青年と偶然居合わせた高槻彰良達3人。) ①尚哉の親子関係の進展が温かい気持ちになった。モンモン?はちょっと不気味。②なんとなく女子4人の名前が入り込み憎く、いつもよりはちょっと読むテンポが遅くなった。③本物の絡む、本シリーズらしい話。好き。
8巻
ここまでくると飽きてくるかなと思いながら読みましたがあっという間に読破。中弛みもなく面白かった。
にしても「ホンモノ」を引き当てる確率も高くなりもう1人も頻繁に現れコミュニケーションまでとれるようになり、尚哉の家族との微かな雪解や高槻の家族のうっすらとした登場など物語は確実に進んでいますね。続きも楽しみです。
おもしろかった
中だるみがなくて、ぐいぐい読んでしまいます。
読み終わるのがもったいないので、じっくりゆっくり読みましたが、それでも早く読み終わっちゃったなと感じるくらいおもしろかったです。
深町くんが本当図太くなってきていて頼もしいです。でも高槻先生には遠慮なく辛辣な感じで、深町くんらしさは無くなっていないので嬉しい。
小学校の話はゾッとしました。怪異の話より、子供の無邪気さが本当に怖いです。
あと、キャラクター紹介ページで、遠山さんと沙絵さん、こんな顔してるんだ!と知れて楽しいです。
遠山さん、普通のおじさんを想像しちゃってましたが、結構スマートな雰囲気でかっこいいですね。
物語が核心に迫っているのか、まだ分からないですが、とりあえず続きがめちゃくちゃ楽しみです。
Posted by ブクログ
押し入れに棲むモノ
押し入れにいるという、“モンモン”。
イマジナリーフレンドかと思いきや、ガチのやつだった!
「もう一人の高槻」が止めたので、結局ホントのことは分からず。
“この世ならざるもの”だということだけが残る。
小学生同士のこういうの、ホントよくある。
そして、先生の押し付けみたいな和解も。
大人になると、嫌いな人とは距離を置くのに、子供には「みんな仲良く」を強要するの何故。
四人ミサキ
これもある意味、女同士のあるあるではある。
お父さん怖い。
現実から目を背けているからこうなってしまうのか?
雪の女
本物の雪女登場。
異捜の存在も知ってるのか。
もしや、誰か捕まったりして、異界の住人の間で噂になってたりするのか?
けど、この世ならざる者に人間の刑事が相手して勝てるのだろうか。
Posted by ブクログ
尚哉が「本物」との遭遇率が上がっていると感じていた通り、今作はいつもより「本物」が多かったように思います!
第一勝では、私も昔やっていた「かごめかごめ」のお話で、高槻先生の講義でそのルーツを知れて面白かったです。
馴染みのある「かごめかごめ」に加えて、「モンモン」という謎の怪異が出てきて、なんだそれと思いつつ、子供の妄想だと私も思っていました。しかし、何やら不気味の正体不明の怪異で...。
結局尚哉は高槻先生にモンモンに会ったこと言ったんですかね。
第2章のお話は読んでいるうちに割と予想できた結末でした。
だだ、美紗紀ちゃんはただのスピリチュアルな子かなとか思ってたら、最後の最後にマジだったので、ビックリでした。
第3章では「幸運の猫」のお宿に泊まるお話で、怪異の話じゃないのかなと思ったら案の定の怪異の登場です(^^)
しかも雪女のお話。怪異の話の中では、雪女のお話は個人的に元々好きだったので、嬉しい回でした。
結局は人間の悪意によるものでしたが、紗絵さんの人魚に続いて雪女もでてきて、「本物」さんたちが勢揃いしつつで楽しかったです。
今回は3作ともに怪異や不思議な力が登場して、個人的には激アツな巻でした!!
段々….….
色んな意味で、段々、怖い話になる。はじめの頃は、怪異?違うでしょ?みたいな、間違い探し的な話だったのに、今は、ほとんどが、異界の者?物?と遭遇する。押し入れに居る何か……雪女……そして、高槻の中に居るモノ……
Posted by ブクログ
第一章「押入れに棲むモノ」第二章「四人ミサキ」第三章「雪の女」が収録されています。今作は全編通して高槻たちが本物の怪異に出会ったということが共通しており、人間が怪異に見せかけて起こした事件を調べて行く中で、高槻と深町が徐々に怪異に巻き込まれていく様子や最後に怪異が提示される様子は薄っすらとした恐ろしさを感じました。ただ今回は個人的な印象なのですが、第一章と第二章のタイトルが話のオチや真相となってしまっていて、話の内容と合っていないのでは?という感じがしました。
Posted by ブクログ
かなり本物の怪異との遭遇率が上がったと思ったら、最後に深町くんも指摘しててなるほどそういうことなのかな…と。
深町くんと両親とのわだかまりも少しずつでもとけていけたらいいなぁ。
『今更自分達は、相手の手を放せないのだから。』
ともあるように、原作のふたりはこの先も繋いだ手は離さないでいてほしいなぁなんて。
深町くんの進路のこともあるし、状況はどんどん変わっていくのは仕方ないけど、変わらないものがあってほしいなって思ってしまう。