あらすじ
輿入れした大身旗本は破綻寸前。
嵌められた花嫁を、愛する人々を、市兵衛は護れるか。
虚飾にまみれた名門の奸計を斬る!
鬼しぶ父子も大活躍! 傑作時代小説!!
家格の違いにも拘らず、三千石の旗本岩倉家に輿入れした村山早菜。藩の陰謀で父を失うも唐木市兵衛に助けられた川越藩士の娘だ。
だが、幸せは束の間だった。市兵衛は兄・片岡信正から、岩倉家の逼迫した台所事情を知らされ、憤る。
早菜の幸福を願う後見人の大店両替商《近江屋》の財を貪らんとする卑劣な縁組か。
そんな折、変死体を調べる渋井父子は妙な金貸の噂を聞く・・・・・・。
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Posted by ブクログ
前巻の感想で「大きな陰謀や事件と、市兵衛の緊迫した剣の場面が好きな読者には、ちょっと物足りないかも」と言うコメントをしたのだが、今回は、いつもの展開や剣の場面が戻ってきたような。
それにしても、早菜と市兵衛の間には、微妙な空気が流れている。これはもしや、と思ってしまいつつ、読み進めていくと、終盤、市兵衛が≪空蝉≫に気づく場面がある。
『市兵衛は自分の心が何かに躓いたような気がして~(略)自分の心の奥を探るかのように見入ったのだった。だが、市兵衛はすぐにそれを止めた。それが何かはわからなかったが、わからぬならわからぬままでよいのだと~』
なんだか、自分の淡い気持ちに気づきかけたというよりは、寂しげな。
そして、最後に、武州松山に出発する早菜を見送る。早菜は、骨をおさめ墓参りしたら、また戻ってくるはずなのに、また寂しげな描写。
どういうことなのだろう・・・
気になってしまう。
少し前から感想に残していることだけど、市兵衛自身にも幸せになって欲しいので、親戚のおせっかいおばさんのように、市兵衛の今後も気になってしまう。