あらすじ
貿易商の一人息子である麻倉通忠は全寮制の旧制高校へ入学する。そこで同室になったのは、幼い頃に唯一心を許した幼馴染み、立花だった。けれど立花との再会は麻倉にとって複雑なもので───
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時は大正十一年。貿易商の一人息子・朝倉は、入学した全寮制の旧制高校で、かつての幼馴染・立花と再会する。立花はかつて、異人の血が混じっていると言って虐められていた朝倉をかばってくれた唯一の人間だった。「あの頃、おまえのことが好きだった」と告白する立花。朝倉も立花が好きだと自覚するが、時代が2人の恋を引き裂いて──。
互いに叶わないと思っているからこそ、すれ違ってしまう2人の関係が切ない!華族の跡取りという立場もあり、自分の気持ちを押し殺そうとする朝倉ですが、立花と一緒にいることで、感情が抑えられなくなってしまいます。 そうこうするうちに関東大震災が起こり、2人は再び離れ離れに……。立花が生きている痕跡を探そうと必死な朝倉がまた、健気で可愛いのです。
何かを得るためには、何かを失わなくてはいけない。その重みや痛みを知る2人だからこその結末には、きっと心を打たれるはず。
「玉響(たまゆら)」という言葉の響きもあわせて、しみじみと切なく、美しい作品です。
感情タグBEST3
切ないけどすごく好き
ゆき林檎さんの作品はほとんど読んでます。玉響はドラマCDを先に聞いていて、切なくて苦しくなるけど、でも素晴らしい作品ですね。
切ないのが苦手で、ハピエンが約束されなければ見たくないほど。ゆき林檎さんは登場人物の心情の表現がほんと素晴らしくていつも心がギュッとされます。番外編「或る日」も電子化されたのでこちらも是非に。
Posted by ブクログ
久しぶりにきっちと纏まった丁寧な話になってるBL読んだ。
時代物が好きというのもあるけど、凄く良かったです。BLで関東大震災書くのも珍しい。
心の描き方が丁寧で、繊細で不器用なふたりの恋愛が心に沁みた。いっそ別離エンドでも良かったかなぁとは思ったけど。作家買いしたい方がまたひとり増えました。
Posted by ブクログ
絵がとても綺麗で色香があります。麻倉が立花に感情をあらわにしたところ…非常に切なくなりました。二人の想いが通じ、身分や世間体を構わず麻倉が述べた台詞がとても印象的で泣けます。
ただもう少し長く読みたかったなーという思いもありました。
Posted by ブクログ
大正時代の禁忌な雰囲気とゆき林檎さんの繊細で美しい絵柄がマッチした秀作。まるまる一冊の長編であの時代に淡い初恋が成就されるまでを歴史を追って大河ロマン風に描いていて読み応えがある。一冊で上手くまとまっているので重い内容の割りにサラッとした印象を受けるけれど、読んだ後にじわじわと感動がくる余韻のある読後感。女の人が割と好意的に描かれている点もリアリティがあるし好感が持てる。
今までのBLの中で1番
こんなに色々な思いが万華鏡のように色や輝きを変えて心に沁みてくるお話は初めて。
一冊でこれだけの内容を無理な感じを与えず自然に描きあげたのは作家さんの力があるんだと思いました。
出会えて本当に良かったと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
ゆき林檎さんの作品初めて読んだのですが、私的には大当たりでした!
切ないんだけど最後は静かにハッピーエンドな感じと、ゆき林檎さんの絵がマッチしてると思いました。
巻末の描き下ろしも良い感じに本編と繋がってるので、本誌で読んでいた方にもぜひ描き下ろし読んでほしい・・・!
Posted by ブクログ
死に際に、いい人生だったと笑いたい。 最後は自分の意志で行動し思い合ってる人と幸せな人生を歩んでくれて良かった。
立花が書いた道忠への小説の最後の言葉が心にほっこりしました。
独特
なんども読み返してしまう。
心に残る作品です。
自分らしく生きることの難しさと大切さを
考えさせられる。
そして勇気をくれる。
希有な作家さんです。
他の作品も読みたい。
じんわりと熱い涙が零れ落ちた。
大正時代、階級、といった、いくつもの隔たりや、同性愛が認められない時代背景のなか、どこまでも純粋に相手を想う気持ちと自分の本心に真っ直ぐ向き合う姿に、涙が溢れ出ました。
特に、何年後かの再会で浅倉が想いを告げる場面は、切なくて切なくて胸がしめつけられました。(思い返せば、あの頃の立花もそんな想いを経験したんだなってことですが)
最後の締め方も、すごく心を温かくしてくれます。
この作者さんの作品は柔らかくて、幸せな気持ちになりますね。とても好き。
最後の最後で
コメントに泣きたい時はぜひ読んで下さいと書いてあったので購入しました!
1冊でストーリーをまとめてあってすごいと思いつつももっと長く細かい場面や感情を見たいと思える作品でした!
最後ページまでいき、自分は泣かないのかな?と思っていたけど、たった最後の5文字に泣かされてしまいました。
たった5文字にこれだけ愛を感じたのは初めてです。
Posted by ブクログ
旧制高校モノが面白いのは摩利と新吾の時代から明らかだけど、雰囲気のある美しい作画、この時代だからこその切なさ、すべてが期待以上。1冊でとてもうまくまとまっているが、もっともっと読んでいたかったくらい。大正時代ほも最高…華族ほも最高…
Posted by ブクログ
大正浪漫。好きな世界観でした。絵柄と話の内容がドンピシャ、はまっています!
幼馴染みはいいですね。そして、想いあうけれどすれ違う二人の姿を時の移り変わりの中でゆっくりじっくり描いているところもいいです。
大正時代だからこその、切なく悲しく美しい想いが胸に響きました。制約や障害が多ければ多いほど恋が燃え上がり、それを乗り越える恋人同士の姿に感動して涙。現代ものじゃ絶対出せない萌え感です。
そんなロマンティックな大恋愛に久々に遭遇できました。
分厚い一冊なので読み応えは充分なんですが、それでももう少し掘り下げてもらいたい箇所もあったしあの人はどうなったのか?と気になる登場人物もちらほら。
王道だなと思う場面もあり、何となく展開も読めてしまう部分もあったけど、そんなすべてが最終話でやられました…
泣けたし萌えた…
今までずっと自分の恋心に後ろ向きだった麻倉が、始めて真正面から正直に、そしてありったけの熱情をむき出しにする場面は感動の極致でした。
麻倉の言葉を思い出す度に、涙がこみあげます。
安堵できるラストの描き方もよかったです。
「餞」も想定外に萌えました。強力に私的ツボ!色香がハンパないです。
男同士が愛し合って一緒に暮らすには困難だろうと容易に想像がつく二人の未来ではあるのですが、それでもすごく幸せだったはずと確信できて、また感動しました。
Posted by ブクログ
この作家さんは初読みですが、久々に読み応えのあるお話を読めました。
丸々一冊、一つのお話です。
それでも未だ足りないところはありますが、矢張りいいですねえ、旧制高校。
この時代が何より好きなので、たまらないです。
幼馴染みの再会に、旧制高校、弓道部(ちょっと弓の扱いが違ってましたが、許容範囲)好きなものが此処まで詰まっている漫画に出会えたのは、久しぶりです。
そして、この時代の話は最後絶対に別れるのですが、最後まで添い遂げましたっていうのは新鮮です。
時代に流されない子がいてもいいですよね。
こういうお話に出会えるので、BLは侮れないです。
この時代は今ほど理解がなく、同性同士の恋愛はとくに、奇異の目に晒されることが多かったと思います。そんな時代背景も丁寧に描かれていて、だからこそ感情移入してしまって1ページめくる事に泣いてしまう。
さすがゆき林檎せんせい!なんとも言えない、絶妙なバランスでいつも大感動な作品描いてくれて嬉しい。
あと「玉響の昨日の夢見しものを今日の朝に恋ふべきもの」万葉集では夢じゃなくて夕なんだけど、夕なら「昨日の夕方ほんの少し会っただけなのに朝にはもう恋しい」みたいな感じだったけど、夢なら「夢の中でほんの少し会っただけなのに朝にはもう恋しい」って感じ?わざとなのかな?わざとだったらエモいし天才!夢の中でちょっと会っただけなのに、起きたらもう恋しいって。。。もう、それは恋じゃなくて愛だよ!!
まじでゆき林檎せんせい天才かよ!
切ない
時代的に今よりもっと生きにくい、しかも身分のある身で同性との恋愛をすることは想像もできないほどのことだと思います。そんな中、逃げ出したり不可避な出来事に阻まれたりしながらも長い年月を経てまた巡り会う2人。ずっと切なく苦しいけど最後に救われました。素敵なお話でした。
何度すれ違ってもまた巡り会える。時代によって同性カップルなど異端、鬼畜と思われた時代。二人は思い合いながらも表にはだせずそして実家が倒産、退学そして関東大震災が起こりそして。最後のシーンは必見です。良かった。
初作家さん。絵が綺麗で、白っぽくも無ければ書き込み過ぎでもなく見やすい。
物語は読ませるなぁと思った。女性視点からすれば、攻めさんも受けさんもクズ野郎。けれども時代がそうさせた部分もあるだろうなぁと納得もできて。できればいちゃこらをおかわりしたい。
って思っていたらあるではないの。有り難く〜
切ない
最後の描写が(т-т)
昔の環境が話を切なくさせていて、普通に泣ける。激しいえろがある訳じゃないのに、2人の気持ちの変化にずっとキュンキュンしてました。
文芸作品でした
旧制高校、男子だけの園で禁断の恋。同じ設定の作品は、たくさんありますが、添い遂げて晩年何を思うのか・・・。抑えが効いて、良いラストでした。
素晴らしい…
時代背景にそぐう美しい言葉と、それにピッタリと合う美しい作画。
2人が共に生きていくには、きっと想像以上にたくさんの困難があったはずで
作中では殆ど語られないけれど、それは容易に想像できる…
ゆえに、ラストシーン、「消えた原稿」に添えられたあの言葉に胸が締めつけられました。
作者様、美しい物語をありがとうございました!
匿名
ストーリー重視の方におすすめ
切なくて胸が苦しくなった。
幸せになってほしい。
時代的に同性愛に今よりもっと厳しく、
そんな中で大切な友人に恵まれ
自分の気持ちと世間の目に葛藤しながら
進んでいく切なくも相手への思いの強さが
滲み出る素敵なお話でした。
時代やそれぞれの家の事情などで行き違う二人がようやく想いを遂げる過程が、切なくて、でも優しいストーリーです。読んだ後はほっこりとした気持ちになりました。
泣ける。
この時代の、許されない関係をなんとかして形にしようともがく2人の様子は、なんど読んでも泣けます…。ゆき林檎先生の作品は、絵もストーリーも好きで、中でもこの作品はとてもお気に入りです。
切ないお話しでした。
多分、きっと…2人共自分の意思を通して
晩年まで一緒に過ごせたと思います。
しかし昔ならではの切なさ、特に便利なツール
があるわけでなく、待つ、探す、耐える…
ステキなストーリーでした。
美しく切ない大正BLの秀作
こんなに美しい物語がこの世にあるのかと感動しました。
ゆき林檎先生の繊細なタッチがとても世界観にマッチしていて、美しい。
お話は切なくて深いです。まるで当時の世界にタイムスリップしたかのような臨場感で一気読みしました!!
このお話は(個人的見解ですが)初見で最後まで読み切って頂きたいのであえてネタバレはしませんが、切なエモいBLがお好きな方はぜひどうぞ!
おすすめです!
耽美な映画のよう。
古き良き時代の物語、といった風情が漂う作品。
お互いの気持ちは激情で、すれ違ってほんの少し重なって、またすれ違って。こういう時代だから、というには軽すぎて、死が二人を分つまでの魂の話。
俯瞰して読むと、振り回された女性たちに同情を禁じ得ない。
名作と言われるだけのことはある
とても文学的で美しい作品でした
さすが不朽の名作と言われるだけのことはある!
いい意味で引きずる話です
長年のすれ違いが切ないしもどかしいけれど、この過程がなければ時代や立場を乗り越えることはできなかったのだろうとつくづく思わされました
最後の別れの場面でも、悲しさがないのが本当に幸せだったんだなと逆に泣かされました
映画でも観終わった気分です
素敵な作品
物語がしっかりしていて、心情描写が上手く、引き込まれました。書き下ろしも素敵な内容でした。絵が綺麗で好みなので、今後も作家さん買いしたいです。
静謐な中に蠢く欲情
堅苦しい社会の中だからこそ、それが掛け替えのない愛だと知る術もなく、忍ぶ恋に身を焦がして果てた人々がどれだけいるのだろう。
そう感じた作品。深く心に残りそうです。
泣ける
この時代のBL、好きです。
閉鎖的な時代背景の中、どういう感じで物語が進むのか、ドキドキしながら読みました。
2人が幸せになってくれて、本当によかった。
あの小説の最後の言葉は何度読んでも涙が出る。
『また いつか』
なんて素敵な言葉なんだろ。
素敵な作品
また素敵な作品に出会いました。
切なくて儚いけど、2人の確かな生き様を見ました。何度も読み返してます!
後日談とセットで読んでほしい!
匿名
これは、神作だわ!
途中から、涙がじんわり出てきて・・・すっごくいい話だった!ハッピーエンドだけど、何故か切なくて。最後のページの、原稿に、「またいつか」・・・ここで、号泣しました。時代背景とか、震災とか、こんな話を盛り込むBLなんて、なかなか無いよね。これで、この作家さんのファンになりました!1000冊以上BL読んでるけど、これは、神作だわ。とにかく、良かった!おすすめします!
絵が綺麗
時間経過した最終章、二人の選択はどっちなんだ?と気になって気になって。頁めくるのが速くなってしまいました。ああでも良かったと思える、非常に文学的な終わり方でした。
少年時代のエピソードが少ないので、立花が少年時代からずっと浅倉を好きだったとは途中まで気づきませんでした。ゆえに一読目では立花がやや高圧的な態度に見えたのですが、気持ちを知った上で繰り返し読むと切なくなりました。最終話は怒涛の時の流れです。5年も立花から浅倉に連絡なしは酷いと思うし、2人を待ってくれていた女性にも残酷すぎます。そしてその後更に時は大きく流れ…ハピエンではありますが哀愁漂うラストでした。
美しい
絵もそうですが、内容も洗礼されていてとても美しい作品だと思います。
読んでいて心が澄みわたる気がしました。
本編の空白の時間の出来事を描いた番外編「或る日」も最近電子化されたのでそちらもおすすめです!
絵も話も素敵‼︎
ずっと気になっていた作品だったので、即買いました( ^ω^ )
時代描写やタイトルとの繋がりが上手く、違和感なく話に入り込める…作家さんの力が素晴らしいです‼︎
二人が結ばれてから後の話が、少なかったですが、全体の流れは綺麗にまとめられており、読み終えたあとにはほっこり幸せを感じました(>_<)
番外編があるなら、是非読みたいです。
雰囲気がある作品
主人公の二人も美麗でお似合いで胸キュンが止まりませんでしたが、全体を通しての物語の独特な空気もあって素敵でした。舞台が大正で洋服と和服が入り交じってるのも良き!
すれ違いも多かった二人なので、ずっと幸せに過ごしてほしいです!
感動
絵も物語も綺麗で、全体的に穏やかな静かな気持ちで読めました。わかりやすい意地悪い横恋慕も引っ掻き回すような展開もなく、お互いを思いながら人生を過ごしたという展開がとても気に入ってます。優しいだけじゃなくてすこしの切なさが最後に残っていて、楽しめました。
美しい物語でした
セリフは少ないのですが、2人のお互いの気持ちが切なく伝わる表情ばかりでした。
表情だけでなく、背景や風景も美しくあっという間に読み終えてしまう一冊でした。
昭和の風情
雰囲気が凄くイイ、和装で色気がある。ただそれぞれに異性の相手がいたにも関わらず展開が案外あっさりしすぎだったかも。。同性愛への垣根が低く葛藤が見られなかったことや、もうちょいドロっと修羅ばったり切ない件があっても良かったかな?それでも美しい絵と作風もあっており初読み作家さんでしたが良かった、気に入りました。
Posted by ブクログ
みんみんさんお勧め、ゆき林檎さんの『玉響』。
舞台は大正時代、寮生活を送る高校生たちの物語。
タイトルの「玉響」(たまゆら)は万葉集にある言葉で、「ほんの一瞬」「かすかな間」を意味します。
時代背景も言葉の響きも好みど真ん中。
最近のBLは特殊設定やSF・ファンタジーなど幅広く展開していますが、
この作品はそうした設定に頼らず、
王道を守りつつ、甘さも守りつつ、良きストーリーでした♪
作家さん初買い
とても静かな作品だなという印象です。物語としては設定とかも面白いな、と思いました。すれ違いが起こっていたところで震災により何年も音信不通に。受けの執念により再開がかなうも、、おそから結ばれるまでが1番の盛り上がりだと思うのですが思ったよりさらっと読めてしまったなというのが感想です。ただこちらの作者さんは初めてなのでこういう作風なのかな、と思えばそういうものなのかなと思わないことも。。好みの問題かな?これはこれで良かったと思います。難しい時代ですが結ばれて良かった。
ちょっと物足りない
綺麗なストーリーで、感情が丁寧に描かれている繊細な感じも好きです。
ただ、もうちょっと重量が欲しかったかな。
ハッピーエンドに向かう道筋がメインになってしまって、それ以外が置いてけぼりを食らっている感じがします。
読み終わった後ぐったり疲れるような、読み応えのある展開にも持っていけたと思うので、その辺りがちょっと残念でした。
悲しい!切ない
作品名にひかれて読みました。ちょっと展開が早すぎるなと思える場面もあるのはあったんですが、でも全般的に面白かったです。お二人幸せになれてほっとしました。
漫画だからこそ楽しめる
ストーリーも好きですが、イラストが繊細でキレイなのが魅力。なので、漫画で読むからこそ情景が際立って心引かれました。
時間軸が長いのに、簡潔にまとめられていてることが多くて、あっさりしている感がありました。創造力が働いて切なくもありましたが…
Posted by ブクログ
1冊によくおさめたなーと読み終わって単純に思いました。
これくらいコンパクトにまとめられていてもおもしろいのですが、もう少しじっくり二人の関係が過去と現在を絡めて描かれたらもっと面白いんじゃないなかーと。
幼いころにお互いを想いつつも道を分かたれた二人が、学生になって再会し、近づきつつもあと一歩を踏み込めない学生らしい弱さが切なかったです。
Posted by ブクログ
大正時代の学生2人の恋を描いた、シンプルで王道だけれどとても繊細なお話でした。静かに切なく進行するお話がゆき林檎さんの絵のタッチにとても合っていて、主人公の麻倉からは同性も惑わせるような顔立ちの綺麗さと色気を感じました。最後まで相手役の立花の真意が読み取りづらかったのがあと一歩感情移入ができない原因でしたが、絵だけ眺めていても楽しめるくらい丁寧に描かれた作品だと思いました。
Posted by ブクログ
全寮制の旧制高校へ入学した麻倉道忠は、かつての幼なじみ立花と偶然同室になる。
少年時代、複雑な家庭環境の下で暮らしていた麻倉にとって、立花は唯一心を許した友人だったが、ある日立花の情事を目撃した麻倉はひどく動揺し、逃げるように欧州へ留学してしまう。以来ずっと疎遠だった立花との高校での再会は、朝倉にとって複雑な思いで・・・!?
美しく儚げな表紙がお話のイメージにぴったり。同性愛者が「変態」と蔑まれていた時代の物語で、ハピエンなのに切ない(´Д`)
ストーリー自体は目新しい感じはないけど、それだけ王道ともいえ、ハズレ感はない。
なおエロは終盤のみ。
3.2
よくある身分違いの恋、というやつですが。
悪くない、悪くはないけどグッともこない…という。
設定に頼りすぎて二人の感情の機微に目が行かない、ドラマチックさが演出できていない感じがします。
色々読んできて今だかつて時代物で名作に出会えないということはこの設定は簡単そうで魅せるのは難しいんだな~とつくづく思います…。
Posted by ブクログ
綺麗なタイトル。大正という時代の波に翻弄される、若くて切ない恋の話。
面白かったし切なさも感じたけど、そこまで自分にはハマらなかったなぁ。最近そんな読後感が続いてて、それが切ない(泣) ゆき林檎さんの作風で再会モノの美しい恋愛として描かれているけど、そこで傷付けている人たち(主に女性)が存在する話としては、綺麗過ぎるかなぁ。
もっとドロドロして欲しい(笑) そんなドロドロの泥沼の中でもお互いの手をしっかり掴めると、鬱陶しいくらいの強さを見せ付けて欲しかった。「女なら~」の告白に、もっと熱さを加えた平素とのギャップみたいな独占欲を滲ませて欲しかった。
でも1冊まるまる表題作で読み応えあるし、募った想いが堰を切ったようなセックスは熱っぽくて情緒的だった。色気を雰囲気で表す作家さんのイメージだったのでちょっと意外(笑) 後日談も話に奥深さを加えていて良かった。
Posted by ブクログ
大正が舞台ということでレトロな雰囲気で、現代にはない重さともどかしさが切ない話。CRAFTで全話読んでるけど、単行本化にあたり加筆、修正されているようなので買ってよかった。最終話ラストが変わってたのはびっくりしたけど、こちらの方がしっくりきたかな。描き下ろしで一緒に暮らしている2人を見れて満足。