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匿名
家斉の母に注目
生き残った黒木たちが青沼や源内の遺志を継いで、赤面疱瘡克服への道を模索していく巻です。
江戸城では将軍家斉の母、治済の本性が少しずつ露わになっていくところが怖かったです。
Posted by ブクログ
日本史にはてんで無知だから、
えっこのタイミングで逆転の逆転将軍なの!?って
意外に思っちゃったけど、家斉さん、
子ども作り過ぎエピソードがあるからなのね。
そこらへんを史実に沿うのが『大奥』ルール。
そして大奥も逆転の逆転、女の世界に戻りました。
そこから見えてくるんだ、
子どもが亡くなりやすい時代において、
血筋重視で権力を繋いでいくのなら
男系の流れのが効率的なんだって。
数打って、糸を太くしていくのが保険。
それは誰がどんな思想を持っていようが、
性差による実務能力に差があろうが、関係ない、
より近しいものを複製していく選択の、
遺伝子的合理性。
てことに関係なく家斉の母、徳川治済のやることは
壊れてますけど。怖いわ。
Posted by ブクログ
治済の、「男」を「女」に変えれば、今だって根深く残っている差別の言葉になる物言い、なんてすごい作品なんだ、虚構が現実を鋭く切り取っている。そして、巻末に書いてあるだけの参考文献だけで書いてるとは思えないこの物語。すごいよ、本当にすごいよ。
Posted by ブクログ
世にも名高いアレな上様はさすがに男性でした……そりゃ、うっかり女性にしたら死ぬよね。
男性が主となり大奥はどう変わったかというと、あまり変わらない。むしろ、一人の女を取り合っていた以前よりほのぼの状態。
しかし、そこに現れたのが恐ろしい権力者。
今までも綱吉や家光など、非情な執政を行ったトップは出てきたが、これはそうじゃない。
権力で何かをしたいというのじゃない権力者。
おそらく、少女漫画史上歴史に残る悪女…いや悪役になるだろう。
ようするにサイコパスってことですけど。
九州や尼崎、さらには女子高生と現実にぞろぞろ出てきてここ数年日本を震撼させていますが、全員に共通するのは(あくまで報道やwikiでしかしらないけど)
『うそつき』
であること。
この人物の幼少期のエピソードで長女が「なぜ、しようもないウソをつくのか」と不思議がるシーンがあるけれど、サイコパスといわれる犯罪者は本当にしようもない益体もないウソをつく。
人は誰だってウソをつくけれど、そこには大小ためらいがある。
『寝坊したっていえないから具合が悪いことに…』
『別れたいけど、好きじゃないと言ったら泣かれるから、家の都合ってことに』
とか、なんらかの理由をつける。
これは卑怯だけれど一種の『罪悪感』の現れだ。
だから、あまりうそを積極的につきたい人間はいないと思う。
しかし、彼女はたいした理由もなしにウソをつく。
『ためらい』がまったくないのだ。
ウソという行為に罪悪感は全くない。
そもそも罪悪感という観念が欠けているのだ。
そういう人種は。
関係ないことですが、同月購入して感動の大団円だった『澪つくし料理帖』がまさにこの時代が舞台だったことを思い出し、思わず『逃げてぇぇぇ小松原さまぁああ』と叫んだ。
Posted by ブクログ
前巻までは「泣き」のお話でしたが、今巻はぞわっとしてしまいました。ただ最後の最後で希望の光は見えているようで・・・。今後もますます楽しみです。
Posted by ブクログ
治済のキャラクターがただただ恐ろしい。
資料が残っていないのでこのような人に設定したとのことだが
歴史上の人物の心象が悪くなるレベルで作り込まれ
史実の中にうまく落とし込まれていて
本当にこういう人で、こういう歴史があったのかも
と思わず考えてしまうほどだ。
退屈だからといって人の人生をめちゃくちゃにするサイコパスぶり、
でも実際ありえるだろうなと思う。
悲しいが馬鹿には勝てないという部分はある。
定信の台詞にもあったが、普通の人間は自分とある程度周囲の人間の”常識”は同じだと思って行動しがちだが
志も無く欲望だけしかない人間もいる。
残念ながらそういう人間ほどしぶとく、権力や富を手にしてしまったりするものだ。
家斉は良い人で、頼りがいは正直言ってないものの
恩を忘れておらず自分にできる範囲でも動こうという
姿勢は評価できる。
お城の中の描写が暗いものが多いだけに、
黒木さんたちの描写は少しは救われる。
「平賀源内という人は天才であった」
と黒木さんが思いこうして意思を継いでいることが
源内さんや青沼さんの行為に少しでも報いることになっていると思いたい。
Posted by ブクログ
家光以来の男性将軍となった徳川家斉の時代。とはいえ実態は徳川治済の傀儡。
治済のことはまったく知らなかったが、彼女の異常なサイコパスぶりがこの巻の見どころ。松平定信もあっという間に失脚されられる。
民間に下った黒木はがんばっている。
Posted by ブクログ
マンガを読んで背筋が寒くなったのは、これが初めてかもしれない。そのくらい治斉が怖いと思った。治斉はもともと倫理とか罪悪感とかそういうものを持ちあわせていない。まさにモンスター。彼女に勝てる人はいるのか。これからどうなるのか、次巻が楽しみ。