あらすじ
『太陽の金貨』 事件から数年。元羊飼いのノーラと女商人エーブは、ホロからの手紙を手に、北へと向かっていた。旅の途中、錬金術師ディアナも同じ馬車に乗り込んできて──。 果たしてホロとロレンスは、幸せであり続ける物語を紡ぐことが出来たのか? 第16巻の後日譚を描く、ファン必読の書き下ろし中編のほか、電撃文庫MAGAZINEに掲載された短編3編も収録。 剣も魔法も登場しないファンタジーとして多くの読者に愛された賢狼と行商人の旅の物語が、今巻でついに完結! 二人の旅の結末を、ぜひその目で見届けて下さい。
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まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
第一部完。経済学の話と、恋愛的な駆け引き(会話のみ)の話の融合。経済学部分はよく練られていて、毎回こういう展開に持ってゆくのか、という感想。一方、恋愛の駆け引きの方は私はロレンス以下で、全然ついていけなかった。。。
Posted by ブクログ
個人的な好みで言えば、この後日譚はなくて良かった。
前巻の終わり方で十分だと思う。
だが、ベタベタの甘々のこの終わり方も無しじゃない。
なんとなく、RPGのドラゴンクエスト4を思い出した。
今まで関わった主要キャラクターが、主人公の故郷に集合して
祝福するという流れが。
それくらいオーソドックスな展開とも言える。
あまりだらだらと続けないでくれたことも、本当に評価できる点。
読んで損はない。
Posted by ブクログ
エピローグと短編集。
短編集の後にエピローグが欲しかった。
ホロとともにであった5人の女性たちが合流して、会いに来るまでの話。
会話は色々盛り上がったのだろう。
女司祭のエルサさんは相棒を連れてこなくてよかったのかね。
ロレンスとホロ側は幸せであり続けられているようで何より。
コルの挿絵ははじめの頃よりかは成長性ているけど、それでも線が細すぎて女の子のようじゃないかね。
続編も出ているようで、未読だけどそっちでも幸せであり続けているのだろうと思う。
その他の短編集も悪くはなかったけども、
Epilogueの後に読むのは少し蛇足な感じがしたかな。
続きは多分読まないかなー。
Posted by ブクログ
エピローグはきちんとハッピーエンドだった。
冒頭はやはり主人公であるロレンスやホロの立場ではなく、そこへ訊ねるエーブだったり、ノーラだったり。
よくあるパターンではある。その後の消息を脇役目線で描くと言う手法だ。
でも、後半はいつもどおり、ロレンスに移った。
しかし、まさかホロが仔をね・・・。驚いたけど、うん、良い終わりかたではなかったかと思う。
他の短編としては、行商人と鈍色の騎士が面白かった。
フリード・リッテンマイヤー、格好良かった。主なき城を守り続ける騎士。
そして、騎士としての終わりを受け入れた騎士。