まさかの商業ファンタジー、楽しみながら貨幣経済や商取引が学べてしまう恐るべき(?)ラノベ!
中世ヨーロッパ風の世界観というと様々な作品がありますが、本作はメインとなる要素がかなり異色。主人公は25歳の行商人ロレンス、武器とするのは商人としての知恵や経験、発想力や交渉術とバトル要素はまるで無し、剣も魔法も使いません。
商人なので勝負事は商売関連なのですが、これがまたどういう訳か物凄く熱い!
騙し騙され裏を読んで裏をかく……全霊を掛けた商売の駆け引きはバトルにも負けない緊張感があるんですねー。
ひょんなことから狼っ娘ホロと旅することになるロレンスですが、この狼っ娘が侮れない。
少女の姿ながら数百年を生きる賢狼で知恵も機転も凄まじく行く先々でロレンスはもちろん歴戦の商人達も唸らせます。しかし普段は飄々としつつ時折弱さや儚さを見せることもあり……二人の行く末にも注目です!
緻密なストーリー構成で推理モノや裁判モノに通じるハラハラ感とカタルシスがあり、それでいて文体はとても読みやすい本作。ラノベを敬遠する人にもぜひ読んでもらいたい一作です!
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Posted by ブクログ 2013年10月13日
面白かった。一気に読み込んだ。
新しい登場人物のユーグとフランもとてもよかった。
フランに北の地図を書いてもらう代わりに、フランの天使の伝説を探す手伝いをするロレンス一行。
フランがただの銀細工師でないことは冒頭からわかっていたが、傭兵団の軍師司祭とはね。若いようにみえるのに。
狼と香辛料は多く...続きを読むの資料を元に生み出されているようだけれど、黄金で手を温めるというのは実際にあったことなのだろうか?
黄金のりんごというと他の博打物語を思い出すのだが。
新しい絆を深めながら、この先、北への旅がどう進行していくのが楽しみだ。
Posted by ブクログ 2011年12月17日
あとがきにもあるが、よくよくネタがあるものだと思う。
古い時代の西洋の町や旅に出てきそうな問題を取り上げて
そこを商人の才覚とホロの力で切り抜けていく。
パターンといえばパターンだし、マンネリと言えばマンネリなのだけれど
毎度新機軸で面白いと思う。
ただ今回は、あまり商人の力もホロの力も
見せ場...続きを読むが非常に少なかったようだ。
読み応えはあったのだが、やや物足りなさも感じた。
Posted by ブクログ 2019年06月14日
ヨイツの正確な場所を知るために地図を書いてもらおうと、羊の羊飼いハスキンズに紹介してもらった人伝で褐色の銀細工師美少女と会い、彼女からの依頼で天使伝説の調査をすることに。
神狼のいる世界なのだから、もう少し天使が実在するという可能性を残す感じにしてほしかった。
地図を手に入れて、後はソコに向かうの...続きを読むみで終わりが近づいている感じがする。
Posted by ブクログ 2017年06月20日
個人的には今巻の新キャラの性格がとても好きです。
商人としてのロレンスがあまり出てこず、宗教問題がメイン。
ホロの前でロレンスに恥をかかせたことを詫びていた、、
とは全く気が付かなかったですね。
これは普通気が付くものなのだろうか。
人ならざる存在がこんなに自然に出てきて良いんだっけ…?
よくわ...続きを読むからなくなった。
Posted by ブクログ 2014年08月26日
港町ケルーベまで戻ったロレンス一行は、ハスキンズの口利きで絵画を商うユーグ商会を紹介される。
この商会の店主ユーグもまた人ならざる者、羊の末裔だった。
北の地図を手に入れたいロレンスたちに、ユーグは銀細工師フラン・ヴォネルを紹介する。
気難しいという前評判のフランはロレンスに、地図を描く...続きを読むの代金として金貨50枚、もしくは近くの村に伝わる天使の伝説の真実を究明することを求めた。もちろん、ロレンスたちは後者を選択した。
その村には天使伝説の他に、森にすむ魔女の話もあった。その二つの話の裏には税金を得たい領主の思惑と、税金から免れたい村人たちの思惑があった。
そんなわけで12巻、ホロ成分が足りないよ!