あらすじ
行き先も告げず、櫻子さんが消えた…。正太郎は担任の磯崎と、櫻子の親戚の薔子と共に、櫻子さんの足跡を辿り始める。誰も居ない櫻子の屋敷を経て、層雲峡の温泉地へ向った正太郎たちが見たものは……。
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Posted by ブクログ
突然姿を消した櫻子さんと老婆や。正太郎は2人の安否が気になり探し始めるが、悲しくも不思議な事件に巻き込まれていく。花房が言われた、「正義は信念の中に存在する」という言葉を繰り返し考える正太郎。信念を貫いた先に本当に正義があるのか。あるいは、正義ではなく悪しかないのか。深く考えさせられた。
Posted by ブクログ
シリーズ11作目で書き下ろし。
短編と長編が1作ずつ。
短編の「蝶の足跡」では、櫻子とばあやが「旅行に出る」といなくなったまま連絡が取れないため、正太郎は薔子さんと磯崎先生の車で探しに行き、層雲峡の廃ホテルで無理心中の母娘の遺体を発見する。
長編の「灰色の追行」はひき逃げ犯の裁判員裁判の話で、被害者と遺族が苦しんでいるのに加害者が法に守られ犯罪を繰り返すのを見て、元裁判員が軽い量刑にしたことに苛まれ、私刑を加える。そこにファントムの影がちらつく。
去年の幾寅の水害の話が出てくるので、同時代で進行してることがわかる。
正太郎は進路を変えて法医学を目指すらしい。
Posted by ブクログ
第11作目の今作、第弐骨「灰色の追行」は"正しいことを行ている"と信じている者たちが徐々に疲弊し追い詰められていく展開に、社会的な問題点も織り交ぜているようにも感じられるストーリー。第9作目『狼の時間』を読んだ時同様に漠然とした雲のような不安感の上を歩いているような感覚で読み進めました。
でも、過去の登場人物はさすがにすべてを覚えていないのでどうしよう感はありました(笑)。完結はまだまだ先でしょうか?