あらすじ
俺は山を愛している もうここで死んでも構わない──。 文太郎は建村と共にK2東壁に挑んだ。しかし建村が登山続行不能になり、その下降路で氷壁崩落に遭遇。氷河の果てで文太郎はかつて自らを単独行に導いたクライマーの骸と出会う。日本では文太郎の生還を待つ者…。だが文太郎はすべての喧騒から離れ、憧れ続けた雪山登攀に向き合い…!?
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
全巻のラストで文太郎が突っ伏しているシーンがあったので、新田次郎の「孤高の人」と同じく、そこで終わるのかと思いきや、再度の登攀へ向かう。やはり、そうこなくっちゃ。そして、そこから始まる登攀の描写がすごい。
カバーの折返にある作者の言葉で、
『僕は擬音を信用しなくなった。』
という記述がある。これを読んでから本巻を読むと、本当に作者が絵と、コマで音を出そうとしているのがわかる。
実際、わたしの頭にはシューベルトの『魔王』が浮かんできた。まあ、文字で書かれているし、コマのテンポはなしにして、絵を見れば誰でも連想するとは思うのだけど。